表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【5章完結】転生したと思ったら、転生元の魂がまだ身体の中にいます。~転生元のキャラを幸せにするための奮闘物語~  作者: 川島由嗣
5章 婚約

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

59/66

6.国王陛下との面会

数ある作品から本作品を選んでいただきありがとうございます。

 ザクが実家に来てから1週間後、国王と面会することになった。まだザクが王太子になることの正式発表はしていないため、非公式の訪問だ。アネットはセレナーデ侯爵と共に城へ向かった。城に着くと、兵士に案内され、城の中の一室で待たされる。緊張しているアネットを見て、私は声をかける。


(ザクと一緒になれるかが今日決まるのね。頑張りなさい。)

(うう・・・お腹痛い・・・。)

(何?替わる?)

(いいえ。ここは私がやらないといけませんので・・・。)

(そうね。その通りだわ。)


 アネットの言葉に私は頷く。アネットはザクとのために頑張ろうとしている。それであれば私としては応援するだけだ。

 そんな話をしていたら、部屋の扉が開き、ザクと国王陛下が現れた。アネットとセレナーデ侯爵は立ち上がり、頭を下げる。


「よい。楽にせよ。」


 国王が、手を振り2人の向かいの席に座る。それに続いて、2人も頭をあげ、席に座った。


「国王陛下。ご健康そうで何よりです。」

「嫌味か?数日前も隣国との境界の件で話し合ったばかりであろう。」

「そうでしたな。」


 セレナーデ侯爵の嫌味に国王が苦々しい顔をする。対してセレナーデ侯爵は涼しい顔だ。国王は溜息を吐くと、口を開いた。


「早速本題に入ろう。イザークの婚約についてだ。イザークと婚約を結びたいという娘がそなたか。」

「ひ、ひゃい。アネット・セレナーデと申します。」


 緊張しているのか、アネットが噛みながら頭を下げる。それを国王は厳しい顔で見ていた。ザクが国王に向きなおる。


「父上。先日話した通りです。アネットは家の格、人格的にも申し分ありません。反対する理由はないかと。」

「セレナーデ侯爵よ。そなたは1人娘だったな。跡継ぎはどうする。」

「何。養子でもとりますゆえご心配なさらず。重要なのは娘が好きな相手と添い遂げる事ですので。」

「お父様・・・。」


 アネットが感極まった表情をしてセレナーデ侯爵を見る。彼はアネットを優しく見ながら微笑んで、頷いた。国王はそんな2人の様子を見ていたが、やがてアネットを見て口を開いた。


「では、セレナーデ侯爵令嬢よ。そなたに問う。」

「ひ、ひゃい!!」

「次期王妃というのは好きだけでは出来ない。知識も教養も度胸も無くてはならぬ。それがそなたに出来るか。」

「はい。」


 アネットは躊躇わず頷いた。その反応に皆が驚く。


「ほう・・・自信があるのか。」

「いえ・・・。自信はありません。ですが、私は1人ではない。1人で抱え込む必要がないと教えてくれた人がいました。そして私を支えてくれる人がいます。その人達がいる限り、私は頑張れます。」

「アネット。」


 ザクがアネットを見て嬉しそうに頷く。セレナーデ侯爵も娘の成長を見て泣きそうな表情を浮かべていた。

 だが、国王はアネットを見てため息をついた。


「そうか・・・。気持ちは分かった。結論から言おう。そなたをイザークと結婚させるのは難しい。」

「!!」

「父上!!」


 ザクが今にも国王につかみかかる勢いで立ち上がる。対してセレナーデ公職はその言葉を聞いても冷静だった。


「理由があるのでしょう。聞かせてください。」

「セレナーデ公職は理解が早くて助かる。イザークも一旦落ち着け。話を最後までに聞くのだ。」

「・・・はい。」


 ザクは悔しそうに席に座り直す。国王はそれを見るとアネットの方を見た。


「まずセレナーデ侯爵令嬢。誤解させてしまったかもしれないから先に伝えておく。1人の父親としては、イザークの望んだ相手と結婚させてやりたい。」

「はい。」

「だが、私はこの国の王だ。私情を挟むわけにいかぬ。」

「はい・・・。」

「さて、何故お主と結婚させることができないかだが。一言で言うと、権力の集中だ。」

「権力の集中・・・ですか?」


 首をかしげるアネットを見ながら国王は頷く。


「ああ。セレナーデ侯爵は侯爵家であるのに加え、魔法軍団の名誉顧問でもある。他の侯爵家より一歩抜きんでているのだ。その上、娘が王家の者と結婚したとなると、発言力が強くなりすぎる。」

「国内のパワーバランスが崩れるという事ですか。」

「話が早くて助かる。セレナーデ公職の発言が王族の言葉と同じと思われると、反発が生まれる。」

「じゃあ・・・私とイザーク殿下と結婚するのは無理なのですね・・・。」

「いや、そうとは限らない。」


 項垂れたアネットを励ますように、セレナーデ侯爵がアネットの手を握った。顔をあげたアネットを見て優しく微笑む。


「お父様?」

「お前の覚悟はそんなものではないだろう。まだ諦めるには早い。」

「ですが・・・。」

「どうするつもりだ。」


 国王の言葉にセレナーデ侯爵が顔をあげる。国王とセレナーデ侯爵の視線が交じり合った。


「まず、最初に権力の集中。これをなくします。私が魔法軍団から完全に手を引きます。」

「それは出来ぬ。お主はこの国の防衛力の要だ。」

「今回の隣国の件が片付くまでは手伝いますが、それ以降は手伝いません。いい加減我々も世代交代をしなければいけない時代です。」

「そうは言うが・・・。」


 セレナーデ侯爵はアネットを優しい表情で見る。


「後は、お前次第だ。アネット。」

「私次第・・・ですか?」

「ああ。後はお前自身がイザーク殿下の隣にいられるように実績を立てるんだ。」

「実績・・・ですか?」

「ああ。周りの人間が文句を言えないレベルの実績を打ち立てるんだ。別に武力の実績である必要はない。魔法の論文でも、学校の成績でもいい。イザーク殿下に相応しいと思われるようなものを。」

「それは・・・。」

「なあに。今すぐというわけではないよ。私も手伝うから。イザーク殿下も心変わりしたりしまい?」


 セレナーデ侯爵がじろりとザクをじろりと見る。ザクはそれに応えるように力強く頷いた。


「もちろんです。私の思いが揺らぐことはありません。アネット。私も手伝う。皆で頑張ってみないか?」

「はい!!」


 アネットは嬉しそうに頷く。ザクはアネットの両手をゆっくりととると、その手を自分の額に持っていく。


「あ~。コホン。すまないが、2人の世界に入るのはやめてもらってもいいかな。」

「!!」


 国王の言葉にぱっと2人が手を放す。お互い顔を赤くしながら顔を逸らす。


(やれやれお熱いわね。まあ、論文とかで良いのなら簡単だから安心しなさい。私が持っている知識をいくつかだせば、それで論文をかけるわ。)

(本当ですか!?)

(ええ。さっそく今日から論文の内容を・・・。)


 2人で話をしていると、遠くから誰かがこちらに向かってくる足音が聞こえた。足音は部屋の前で止まると、勢いよく開いた。部屋に現れたのはこの国の兵士だった。


「失礼します!!」

「何事か!?」

「敵襲です!!隣国が!!宣戦布告と同時にこちらに攻めてきました!!」

「「「!!」」」


 それは開戦の知らせだった。


作品の励みになりますので、評価・リアクション等をいただけると幸いです。また他短編なども投稿しておりますので、お暇がありましたら読んでいただけると幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ