8 世界の秘密
「相変わらず、仲が良いんだな。お前たちは」
水平線の彼方に夕日が沈んでいくのを眺めながら、二人は話していた。
「何で外に出た。ただでさえ人の出入りが激しいこの日に」
「…」
「殺される、とは思わなかったのか。お前の命を狙っている人間が大勢いることくらい知っているだろう」
「…」
「…時の権力者はお前の力を羨んでいる、と同時に疎ましくも思っている。たとえ自分たちにとって不都合な人間がいたとしても、お前がいたんじゃ…死人に口なし。それすらできない。ましてや、民からの求心力を得た神様なんてな。神官庁はそこに目を付けた。特別な力を持つお前を神様だと担ぎ上げ、囲うことで著しくその立場をものにした。今では神官庁に口を出せる力を持つ組織はほとんどないと言ってもいい」
「…お前も大変だな。どいつもこいつも考えていることなんて、利権と私欲のことばかりだ」
「…」
「………あいつを姉の元に帰したのは、巻き込まないようにするためか」
「…」
「あいつは幼いだけで、馬鹿じゃない。もう少し年を重ねればいずれこの島の真実に気が付くだろうよ。神様なんて、本当はこの島にいない。あるのはただ、人ならざる力を星より与えられ、政に巻き込まれた子供だけだってことにな」
「…」
「…隠す必要はない。俺は知っている。この世界の秘密を、『役割もち』という存在を」
【歴史は繰り返す。それは廻る魂が同じだから】
「お前は知っているはずだ。記憶がある。この魂が廻る前の過去の記憶が。俺もそうだ、教えて貰って腑に落ちたよ」
「…わたしはもう全部終わりにしたい」
「だから着いてきたのか?俺に」
「前回は、俺がカイとお前を殺したな」
水平線の彼方を眺めていた男、シバはそう言って隣にいた少女の首を掴んだ。




