#14(最終話) 平穏な授業で締めましょう
ミルクとヴィンセントが教室に戻ったあとはまるで、嵐が過ぎ去ったかのような平穏な時間が流れていた。
「さて、授業でも始めましょうか?」
「起立、礼、お願いします!」
「「お願いします!」」
紫苑の号令で本日最後の授業である英語が始まった。
「それじゃあ、前回の復習からね。このプリントを後ろに回して……」
佐藤は学習プリントを生徒達に回す。
それは「復習プリント」と題したものであり、問題が10問程度出題されているものだ。
それを彼女らは15分以内で解き、前後左右の生徒に採点してもらう。
自分の理解度を他の生徒に晒すため、かなり恥ずかしいものだ。
「じゃあ、答え合わせをするよ」
彼女は黒板に模範解答を書き、詳しい解説をする。
一方の生徒達はそれを見ながら採点をしていく。
「うわぁ、俺、間違ってるかもしれない!」
「桐山くんの厳しくつけちゃおう」
「大野さん、勘弁して!」
崇史とゆかりのやり取りを耳にしながら彼らは答え合わせをしていった。
採点したプリントは本人に手渡され、ショックを受ける者がいれば、平然としている者もいる。
「では、教科書の90ページを開いて。本文の音読してみよう」
平穏な授業はこれからも続く――。
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あと少しで2016年も終わりですが、よいお年をお過ごしくださいませ。
2016/12/31 本投稿




