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うむ。なるほど。  作者: たなかそう


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第三十九話

結局その後、ミームの話はリルの惚気話に取って代わられた。

リルも事情を知っており、ムレの恋人を二人でせっついているらしい。

惚気話にお腹いっぱいになったので、俺は自室へ戻った。

リルの悪阻(つわり)が相当酷いようなので、会いには行かなかった。


「ユハは、どういう事か知ってる?」


ユハは先程、ペトから聞いて来たらしい。

詳しく、ミームより断然簡潔に話してくれた。


後宮の女性に子が出来たら、最初の子はアイレア国の跡継ぎになる。

それ以降の子は、それぞれの領地の領主になる。

つまり、王には最低でも九人の子供が必要だ。


ただ、九つの国すべてに子が出来るとも限らないので、王の血を引かなくとも王の子として認知し、領主として教育する事がある。

女性に恋人がいる場合、後宮で恋人の子を産み、王の子として認知する。

王の下で育つことで、王の子として領主となる。


だが、ムレの場合はまだ恋人ではなかった。

正式な恋人としてではなく、想いを通じ合わせてしまったのだ。

これはあまり外聞が良くない。

だって、ただの不倫になっちゃうしね。


そして、その相手も問題だった。

国としてはアイレア国になったとはいえ、領主は元王族。

高貴な身分の人達だ。やはり、恋人にもそれ相応の身分を求める。


ムレの相手は、使用人として領地から帯同してきた一人らしい。

ムレが幼い時から一番側にいたであろう、護衛騎士だという。

王族の護衛騎士ともなれば、大体の場合は貴族なんだけど、彼は珍しく平民上がりらしい。

座学も礼儀もからっきしの、腕っぷしでのし上がった人。


筋骨隆々(きんこつりゅうりゅう)のムキムキマッチョマンを想像したが、一見、護衛騎士には見えないような細マッチョだとユハが絵を描いて説明してくれた。

スピード特化型で、咄嗟(とっさ)の護りに最適な人なんだって。


魔力はゼロで、普段は後宮の入り口で門番的な事をやってるんだって。

後宮の入り口に居る門番さん達は、それぞれの領地から来た色んな人の護衛騎士がやってるようだ。基本的に、護衛騎士は魔力が無いから都合もいいし、後宮の中は世界中のどこよりも安全らしい。『今は離宮が最も安全な場所になっていますが』とか付け加えてたけど。

ミームが、護りの結界を張ってるとか。王様の仕事って、本当に大変だな。


にしても、ミームが良いって言ってるんだから、別に身分差なんて良いじゃんかと思うが。

二人にとっては認められないようだ。


幼い頃から父親に国母(こくぼ)となるようにと言い聞かされて、教育されてきたムレも。

平民上がりで頑張ってのし上がってきたは良いものの、礼儀を知らない事で上流階級の人間と何度も(いさか)いを起こしてきたような護衛騎士も。

想いだけで結ばれてはいけないと思っているそうだ。

なのに、なんで子供作ってるんだよって感じだけど。


そこはそれ。

やっぱり、初めては惚れた相手とって思っちゃったみたいだ。

そしたら、後はほら。

慰めになるならって、ズルズルと。


でも、一応、子供は出来ないようにって気を使ってはいたらしい。

まぁ、そういうのは、完全に防げるものじゃないからね。

この国の避妊がどういうものかは知らないけど。

どんな方法にせよ、100%なんてないから。

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