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うむ。なるほど。  作者: たなかそう


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第三十八話

色々と突っ込みたいところ満載だったが、ひとまず落ち着こう。

すぅ、はぁ、すぅ、はぁ。

あ、深呼吸って、吐いてから吸うのが正しいんだった。

深い呼気(吐く息)吸気(吸う息)だしな。

はぁ、すぅ、はぁ、すぅ。

空気を全部吐き出してから、勝手に吸い込まれるだけ吸う。

口からゆっくり吐ききって、鼻から吐いた半分くらいの時間で吸う。

よし、落ち着いた。


「カツィは、とぉさまの子供じゃないってこと?」


俺が一番気になってるのは名前の付け方だけど、聞かなきゃいけないのはこっちだよな。

普通に聞いたら、ミームが物凄い驚いた顔で見返してきた。

え、もしかして、今のはただの独り言で言うつもりはなかったとか?迂闊(うかつ)すぎるだろ。


「え?な、何のことかな?」


めちゃくちゃ動揺している。

こんなに嘘がつけなくて、王様とかちゃんとやれてんのか?

前世の俺は、息をするように嘘をつけるタイプの人間だったので、こういう正直な人間は全く理解できない。隠す気があるなら隠せばいいのに、なぜ隠さない。


「父親が名前を神殿に提出するって言ったのに、とぉさまが出すつもり無さそうだったから。……とぉさまの知り合いが父親なの?ムレは、とぉさまの後宮に居たんだよ?誰との子なの?そういうのは、許されることなの?」


嘘をつけないのなら、聞きたいことは全部聞くのみだ。

別に誘導尋問(ゆうどうじんもん)したりしなくても、ミームは全部普通に教えてくれそうだしな。


「えーっと、どうしよう。でも、そうだよね。気になるよね」


オロオロしながら、話そうかどうか悩んでいるようだ。


「誰に聞いたら教えてくれる?」


今教えてくれないなら、他の奴に聞いちゃうぞという脅しを込めて、きゅるんとした目で聞いてみた。

効果は覿面(テキメン)だ。

ミームはすぐに話し始めた。


「他の人には言っちゃダメだよ?」


内緒話をするように、声を潜めて事情を話してくれた。

部屋の端に控えているユハやペトにも内緒なのだろうか。


「あのね、ムレには昔から好きな人が居るんだ。だから、その人と子供を作って産むのが良いってずっと言っていたんだけど。ムレも国を代表してパパの後宮に入っているから、そう言うのは考えてないって言っていてさ。でも、二人とも想い合っているのは目に見えて分かるし。そんな人となんて、ちょっと嫌でしょ。パパが悪者みたいで。だから、まぁ、一応、パパも義務として何回かは子供が出来るような事もしたけど、二人が仲良くしているのを応援していたんだ。そしたら、子供が出来て、どっちの子かなって調べたら、パパの子じゃなかったから、多分、あいつの子なんだよ。そう言っているのに、ムレってば、全然認めてくれなくてさ。パパの子だって言い張っちゃって。もうこれは、パパが会わないようにしたら、ムレもあいつの子だって認めてくれて、あいつと仲良くしてくれるかなって思ったんだけど。あいつもあいつで、何か悪い事しちゃったとか悩んでいるから、パパはガツンと言ってやったんだ。子供はパパの子だって公表するから、二人で大事に育てなさいって」


と、ミームはドヤッと結んだわけだが。

なるほど。

ムレの子はミームの子ではなく、ミーム公認の恋人の子ということか。

でも、二人ともそれを認められないと。


ミームが第二王子として扱うと言っているのなら、別に問題は無さそうだが…

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