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207/209

207話 継人へ電話



みんなでクリスマスケーキを食べ、後片付けを済ませた後、わたしはいよいよ継人へ電話をかけた

初めて継人んちへ電話をした時のような緊張はなかったけど、やはり多少のドキドキはあった


両親の好奇に満ちた視線をものともせず、居間から階段まで電話を引っ張り出す

電話を抱え込み慎重にダイヤルを回した

受話器から聞こえる呼び出し音に胸が高鳴る



「はい、永久ながひさです。 どちらさまでしょうか?」


電話に出たのは継人つぐとだった

内心(九時を過ぎたらって言ってたから九時過ぎの電話は継人が出てくれるはずだ)って思ってたけど、やっぱりホッとする


「もしもし、あ、あの重命です… こ、こんばんは…」


挨拶をしながら なにから話そうかと思案する


「こんばんは、重命しげながさん。どう?いろいろ落ち着いた? ご両親にはちゃんと説明できたかな?」


「は、はい! ちゃんと説明しました! ご心配かけてしまって… すみませんでした」


わたしのことを気づかってくれる継人… だけど話したいのはわたしのことじゃない


「あ、あの… ほんとに今日はすみません… ううん、ごめんなさい…」


「なんとなくね、うっすら事情はわかる。 重命さんが巻き込まれてたんだろうな、ってことはね」


察しのいい継人だから断片的な情報だけでわたしに起こった出来事を感じてるんだろう

だけどわたしはできるだけ丁寧に継人に今日あったことを話した

まずはきちんと話さないと次の話しにいけないと思ってたから


「なるほどね… それはほうっておけないよね、っていうかほうっておいたら重命さんのこと軽蔑してたかも?」


け、軽蔑っ!? そのひと言がとても怖く聞こえたの

と同時にわたしのとった行動を継人は理解してくれていた


「くくく⋯」


受話器の向こうから笑いを堪える声が聞こえる


「え、なに笑ってるんですか!? わたしなにも言ってませんよ?」


「ごめんごめん、軽蔑なんて言っちゃったから… こうして話してる現在いまがあるんだからなんとでも言えるよね」


なにが可笑しいのかわたしにはわからなかった

だけどきっとどうでもいいことなんだろう


「それで、あの… どうして…どうして三時間も待っててくれたんですか…」


こちらの事情を説明した今、わたしはずっと気になっていたことをズバリ聞いた

自分でもびっくりするくらい単刀直入に…




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