201話 !?
「大丈夫?」
またこんなわたしを見て誰かが声をかけてくれてる
それが優しさだとわかっていてもなにをどう答えることもできず、わたしは首をふってうつむく…
「こんなところで立ちっぱなしもなんだから、あっちのベンチにでも座ったら…?」
ほうっておけないと思ってくれてるんだろう、その優しい声にいまのわたしはどう応えることもできない
ふいにわたしの右手になにかが触れる…
その感触はとても冷たい…
思いもよらない出来事に咄嗟にその手をひっこめる
何度も涙をぬぐった手…
「なにがあったかわからないけど、とにかく少し落ち着こう?」
もしかしてわたしの右手に触れたのはこの声の人…?
だったとしたらおせっかいにも程がある
「ほうっておいてください… ありがとうございます…」
わたしは更にうつむいて必死に声を絞り出す
わたしを気づかってくれたであろう優しさに感謝を伝えるために…
だけど、自分で現状を飲み込めないうちはわたしは動き出すことができなかった
それからどれくらいの時間が経ったんだろう
一分…? 三分…? 五分… 次第にわたしの意識は周りの雑踏を認識できるようになってきた
人の行き交う声や足音、駅構内のアナウンスやクリスマスのBGMを取り戻してきていた
まずは継人に連絡を取ろう…
ゆっくりと頭をあげる
ポケットからハンカチを取り出し涙をぬぐう…
ずっとうつむいて泣いていたせいか頭がボーッとしていた
「少し落ち着いたみたいだね…」
聞き覚えのある声… そういえばさっきわたしに声をかけてくれた人の声だ
まだいたの?
驚いて声のする方を見た瞬間…
わたしは更に驚いた⋯
!?!?!? つ、継人⋯⋯⋯ !?!?!?
思わず息をのんだ…
わたしをのぞきこむその顔には心配こそすれ、遅れたことへの怒りの表情など微塵もなく ただただ優しく微笑みかけてくれているようにさえ見えた
どうして… どうして待っててくれたの…
いろんな感情が一気に込み上げてきて整理がつかない
さっきまでの不安や罪悪感とはまた違った涙が溢れてくる
うわぁーーーん!!!
わたしは思わず声を出して泣いていた
ただ泣いてるだけでも継人を困らせるっていうのに 声を出して泣いていた
そんなわたしを継人は泣きやませようとするんじゃなく優しく見守ってくれていた
やさしくわたしの背中をさすり落ち着かせようとしていた




