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199話 どうなるんだろ、これから…




その後、到着した救急車に子どもが乗せられお医者さんが病院へ付き添っていってくれた

救急車に乗る間際、お医者さんはわたしに


「君の初動は限りなく満点に近かった 若いのに対したもんだ 子どもは怪我を診ていたわたしよりも『お姉ちゃんは?』と聞いていたよ それだけ君の果たした役割は子どもにとって大きかったんだよ」


その言葉に少し安心した

自分の置かれた悲惨な現状も わたしのやったことは正しかったんだ、と思うことができた


パトカーの中で調書をとられ、解放されたのは事故が起きてから約2時間程過ぎた頃だった…

警察官はわたしの事情を知ってか多少気の毒に思ってくれたようで駅までパトカーで送ってくれた

駅で降ろされ一人になったとき わたしは思わず涙がこぼれた…

確かに目の前で起こったことは一つの事態としては大変なことにかわりはない

だけど… わたしに起こった事態も大変なことなんだ、と襲ってくる現状に涙がとまることはなかった



待ち合わせの時間から2時間半が過ぎていたがわたしの足は待ち合わせ場所の駅へと向かっていた

泣きながらとぼとぼと自動券売機へ向かい切符を買う…

辺りに流れる楽しげなクリスマスの音楽がわたしの悲しい心に虚しく切なく響いていた


きっとバチが当たったんだ…


過去いぜんのクリスマスは継人と出会ってなかったし 一緒に過ごしてもなかった

過去いぜんのクリスマスの日に今日の出来事があったとしてもなんの問題もなかった…

まさかこんな大変な出来事があったのが今日のクリスマスだったなんて覚えてすらなかった…

全部、全部、わたしのせいだ…

こんな大切なこと忘れて…浮かれて…

そう思えば思うほど涙が溢れた

改札を抜けホームに上がり、どうやって電車に乗ったのかは覚えていない

途中何人かの人に『大丈夫?』なんて優しい声をかけてもらったのも覚えてる

わたしはただ頷いてお礼を言い 前に進むことしかできなかった

行っても無駄…3時間近く遅れて誰が待ってるっていうの? まだつきあってもいない、ただの偶然知り合った後輩の女の子… 現在いまのわたしの立ち位置はせいぜいそんなもの

継人にとっても大切なクリスマスを棒に振らせた罪は大きい


もうだめだ… もうだめだ… ここまでなんのためにわたしはがんばってきたんだ…


わたしは自分が犯したことの重大さを考えると恐ろしくなっていた

このまま継人と一緒になれないとしたら…

孫たちはおろか、子どもたちだってこの世に存在することはない

ここからの自分の人生だってどうなるかわからない

想像することすら困難な状況だ

それでもこれからの未来を想像しないわけにはいかず、そこから導き出される答えに恐怖すら感じていた…



電車の中、チラホラ見受けられるカップルたちを後目しりめに、わたしは一人ドアにもたれて泣いていた

周りの人もわたしを避けて遠巻きに配置されてるかのように思えた

こんな心境のわたしを乗せた電車は継人との待ち合わせ場所の駅へと淡々と向かっていた


ー 次は〇〇駅〜 〇〇駅でごさいます〜 お出口右側になっております お足下にご注意のうえお降りください〜 ー


目的の駅を知らせる車内アナウンスになぜかドキッとする

いつまでも感傷に浸っていられなくなる現実が突き付けられる怖さに震える


ー プシュー


電車のドアが開く音⋯

一つ一つ確認してしまう自分がいる

電車から降り、ホームにかかる時計を見ると約束の時間から約3時間近く過ぎている

その現実に目を背けたくなる…

わたしは意を決してホームから改札へと向かう階段を下りていく



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