10・修羅の始まり・・
村雨「誠にすみません・・自分の判断で休ませました」
本日ラナも一緒に顔合わせしたかったのですが・・
自分は今日からお店に黒服とし入りますので・・
オーナー「まぁしょうがないね。」
ラナが急遽ホームシックでお休みですか。
まぁ東京から遠く離れた知らない街で女の子ですから。
村雨「明日からは必ず」
まぁラナには一日だけお休みリフレッシュしてもらおう。
本当に来たくなくて広島で飛び降りたのかもしれないし。
そして前乗りしてるウラジは・・
村雨「どこ居るの?」
ウラジ「黒崎だ!黒崎!部屋も借りた」
黒崎?あぁ・・何か小倉の副都心が黒崎って所みたいだな
ん?小倉も福岡の副都心じゃないの?
あれ?ほかにも門司ってのもあったよね?
まぁこれは徐々に理解。
門司、黒崎(八幡)、若松、小倉などが集まって北九州市なのだ。
そしてその都心が小倉。副都心が黒崎。
ウラジ「黒崎を制する者が小倉を制すだ!」
村雨「う~ん・・ちょっと意味わかんない」
だがこれはかなり正解らしい。
黒崎という街は異質で異端だ。何か闇の部分だけ小倉より強いらしい。
ウラジ曰く歌舞伎町より新大久保・・横浜より川崎・・的な。
ウラジ「シャブ(売人)多いな。あとキャッチも。」
村雨「なるほど。なんとなくイメージ出来た」
ドラッグ、キャッチ、スカウト・・・
それが多い場所には若者、不良が集まる。金のない半グレ共も・・
ウラジはまずは味方となる兵隊作り。
黒崎に来たのは正解だ。黒崎の不良連中もやはり狙いは小倉だ。
ここで打倒小倉のチームが作れれば・・
そして広島では・・・
大刀「お前何急いどんのじゃ?」
双葉「あ、分かる?」
今日は大刀さんから呼び出しだ。
大刀「お前が赤坂でジェイも名乗るし小倉のガキともつるむから・・」
三州が疑われとるんじゃ・・
三州の東京の足掛かりに双葉を赤坂に送り込んだのじゃないかと。
大刀「急に赤坂の店に移籍もするわ、キャバ嬢の番組にも出るわ・・」
なんじゃ急に広島を嫌いになったのは?
双葉「いや、広島は好きじゃけ」
じゃけど・・もっと上で光り輝きたい・・
目立ちたい。目につくように。キャバ穣としても不良としても何でも。
大刀「状出すぞ」
双葉「状?」
えっ?破門状とかそういうの?私ただのキャバ穣だけど?
大刀「・・・・・・・」
双葉「えっ?何か恐いんじゃけど?」
お前が似とるんじゃ・・背格好、雰囲気、声と。前に面倒見よったチビに・・
お前が広島の不良チーム、ジェイフォージェイ継いだ時は驚いたわい。
大刀「お前喧嘩もした事なかろうが?」
双葉「無い。こんなのかなぁ・・って感じで不良演じてる。ラブ上等ぉ」
双葉を簡単に説明するなら陽キャと陰キャの混ざった引きこもりインスタ女子だ。
普段は家ではちいかわのパジャマ着て猫を抱いてゲームが日課。
でも友達と外に出ればお洒落なカフェのデザートや踊ってる動画のSNSアップ。
本当に今時の女の子、キャバ穣だが、家で一人の時はちょっと鬱っぽい。
それが急に不良になるわ、東京に移籍するわ・・
『ご通知状』
関係者各位様
赤坂リュクス所属双葉につきまして
今話題となっております赤坂の双葉とは当、三州会とは一切ご関係はございません。
当会会長大刀とはご面識ございますが、赤坂移転は本人の意思によるものでございます。
この度当会に関する噂や情報が広まっていることを受け、
ご心配ご不安をおかけしましておりますこと、心よりお詫び申し上げます。
大刀「遅くなったが東京移籍への贈り物じゃワシからの」
双葉「そうなん?」
広島の人間が活躍するのはうれしいことじゃ。
ましてやそれが自分の面倒見とる不良チーム出身なら。
大刀「以上じゃ客が来るからもう帰れ」
双葉「はーい。」
そして双葉は外に出てメッセージアプリを開き、メッセージ入力・・
『久しぶりっ番組見てくれた?最近東京の店に移転したんよ!今s・・』
双葉「今さ・・広島に帰ってきてるんだけど・・・」
もしそっちが広島に居たら会える?・・
いや・・やっぱメッセージするの止めとこう。
絶対あの人こういうの嫌い。
私がもっと輝けばいい・・やっぱり双葉がええってなればいい。
そして大刀は先ほど、広島居るけど会える?ってメッセージが来てた・・
ラナ「ラナ来たよぉ」
大刀「わりゃお好み焼き食うたの」
女子としてどうなんじゃ?急に広島まで来てからに。
ラナ「広島の人ってやたらソースの匂いに敏感!」
大刀「そうかもな」
あ、そうだ・・大泉大臣が本家に来たって・・
ほうっ・・他には?
ヤクザは汲み取って勝手に先に動くものだって・・
八木原が指揮取るみたい。
大刀「なるほど・・動かざるをえない・・八木原煽れたらもっと煽れ」
ラナ「はい」
本当勝手にうまく転がりだすわ。
京堂会に大村破門にせいって指示したのがこの物語の始まりじゃ・・
たまたま双葉が大村の出入りする店に移転したのは、
嫌疑掛けられる元となったが、逆に情報源にもなるからラッキーじゃ。
大刀「ラナ、小倉では・・」
とりあえず適当に時間潰しとけ。
八木原の指示だと京堂会探れとか、若手潰せ言うとるらしいが・・
絶対に情報流すな。
ラナ「はいっ。」
八木原の狙いは正解じゃ。京堂会探られたら全部めくれてしまう。
ワシが東京進出の為に京堂会を動かしてる事が。
そして・・・・
ラナ「・・今日広島ヒルトン泊まります。明日朝一で小倉に向かいます・・」
大刀「ほぉか。分かった。」
来てとは言えない・・
それだけ。それだけで後は待つだけ。
夜が来て、何度も時計を確認する。いつ来る?いつ来るってメッセージ来る?
22時・・23時・・・0時・・・
あ・・もう来ないかな・・って時にやっとメッセージが来る。
ホテルロビーで出迎えて部屋に入り・・
東京の女が広島で広島のヤクザに抱かれる・・
そして愛していれば嫉妬が口に出てしまう・・
双葉って娘何?
ただの広島出身の娘じゃ・・
ワシの直系の不良チームの後輩になるわ。
別にそういう関係でもないし、それに双葉は・・
大刀「金岡ぁ、の女だぞ」
ラナ「ん?」
誰それ?有名人?広島の人?ヤクザ?
大刀「あぁ・・それで急いでるのか・・・」
別れたんか?あの二人・・・
双葉がヨリ戻そうとしとるんかの・・見合うように・・
ラナ「何が?」
いやいや、ラナは絶対知らん奴じゃったわ気にするなって・・
だけど本当にリフレッシュ出来たな。明日から小倉頑張ろう。
この大刀さんの女、駒として・・・東京進出の足掛かりとして・・
それから数日後の赤坂リュクスでは・・
「なんか広島の女の子居るんでしょ双葉って娘」
「リュクス初なんだけど双葉指名ね」
黒服「はいっありがとうございます」
ですがただいま指名客が一杯で・・
プロデューサー「いやぁぜひ双葉さんにウチの番組にも出てほしかったんですよ」
双葉「はい。ありがとうございます」
別の番組からの出演オファーも・・
プロデューサー「ちゃんと書面も出ましたし」
双葉「ああ。あれですね」
大刀がヤクザ東京のヤクザ組織に出したご通知状だ。
それがヤクザだけならず、旦那衆や映像関係者にも何故か行き渡ってる。
恐いもの見たさじゃないけど、今話題の・・私に会いに来てくれてる。
プロデューサー「反社チェックってまぁ曖昧ですけど・・」
これがあれば、もし関りがあっても、いや証拠が出てるしと言い訳もできるので。
だが有名で人気でも完全に黒な娘は絶対出演ダメですけどね。
プロデューサー「六本木のラナとか」
双葉「ああ・・」
完全に東京のヤクザ組織の末端ですよあれじゃぁ・・
事務所にも出入りしてるし、大体指名客のほとんどがヤクザですし。
そして店内で・・
竹千代「おうっ!『兄弟っ』来てたか!」
遠くから聞こえてくる大きな声・・
黒服「竹千代様・・赤坂でそういった固有名称は・・」
竹千代「いいからいいから、大村のテーブル行くから女の子誰か付けて」
最近仲のいい二人、何か羽振りもいい。
そしてなぜか私と微妙に距離を取りだした・・
いつもなら双葉指名ねぇー・・だったのに。
多分大刀さんの直系だって分かって距離取ってんだろうな・・
そして東京のヤクザ本部では・・
八木原「まぁ、状まで出すってことは・・」
双葉ってキャバ穣は本当にそうなんだろう。
そしてそこには共黒会とではなく三州会と書かれていた。
ということは、小倉の京堂会の関与でもないということだ。
これで決まった赤坂爆弾は単独の新勢力。
大村が赤坂に拠点を移し、そこに付いてきた若者が数名。
そしてそこに双葉移籍に付いてきた広島のガキ数人が合流。
大村を筆頭に政治家の竹千代が絡んでるらしいな・・
大村?破門者だぞ?ここが本当に頭か?
もし勢力を増やすにしても破門者にヤクザ者の付き合いはご法度だ。
増えていくなら半グレか正式にヤクザに所属してないヤクザ者。
いわゆる準コー(準構成員)か、ヤクザ関係者・・
一番怖いのは大村という有名な旗印の元にそういった輩が集まりだすこと。
うまくこの東京のヤクザルールを利用されてると言えばいいか・・
赤坂にヤクザの出入りは出来ないルールが逆にこっちを縛り付けてやがる。
事が起こらなければ赤坂に出動できない・・
結局・・小倉で、小倉でしか動けない・・
八木原「ラナを小倉に行かせて正解だな」
この時はまだ簡単に考えてた・・言葉だけだと・・
修羅の国なんてと・・




