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第20話 森の民と鉄の道

 抗生物質が開発される少し前のある朝、賢は皇国の詳細地図を広げていた。


 ベルフストを中心に、鉄道網と主要街道が伸びていた。

 都市と農村を繋ぐ線が、蜘蛛の巣のように広がっていた。


 しかし地図の三割近くが、白いままだった。

 皇国北部の山岳地帯。

 東部の深い森林地帯。

 南西部の広大な平原。


 そこに道はなく、都市もなく、記録もほとんどなかった。

 地図の余白に、小さな文字で注記が入っていた。


 ――獣人居住域。詳細不明。


 賢はその空白を指でなぞった。

 面積にすると、皇国直轄地とほぼ同じ広さがあった。



 翌日、山林資源の調査報告書を取り寄せた。

 北部山岳地帯には良質な木材と鉱石が豊富にあること、東部森林には希少な薬草と樹脂が多く自生していること、南西部の平原は農業転用可能な土地が広大にあること。


 しかしいずれも「獣人の生活域と重複するため、開発困難」と記されていた。


 賢はオットーを呼んだ。


「獣人について、詳しく教えてください」


 オットーが持ってきた資料は、思ったより少なかった。


「記録が少ない理由は、交流が限定的だからだ」


 老宰相は言った。


「獣人は基本的に人間の集落を避ける。市場での取引や、魔王軍に対する共同防衛のような場合にのみ、接触がある」


「種族別の情報は」


「狼人族が北部山岳に多く、最も組織的な部族社会を持っている。兎人族と狐人族は東部森林に点在している。南西部の平原は馬人族の遊牧地だ。他にも熊人族、鷹人族など、様々な種族が各地に暮らしている」


「人間との関係は」


「良くも悪くもない」


 オットーは答えた。


「歴史的に、人間が獣人の領域に踏み込んで衝突したことが何度かあった。それ以来、互いに距離を置く不文律のようなものがある。ただ、魔王軍に対しては協力的だ。魔獣を支配する魔王は、獣人にとっても脅威だそうだ」


「言語は」


「種族ごとに異なる言語を持つことが多いが、人間の言語を理解する者も一定数いる。交易の場では共通語として古代語が使われることが多い」


 賢は地図の白い部分を見た。


「接触の機会を作ります。ただし、これまでの失敗を繰り返さない方法で」



 北部山岳地帯の入口に当たる街道沿いの町、ランドベルクに、賢は一人の人物を派遣した。


 エーリカ・フォン・グラウベンという三十代の女性官僚だった。

 農務省の出身で、アルクハイン併合後の農村統合で手腕を発揮した人物だ。


 交渉と調整を得意とし、相手の立場から考えることができると賢が評価していた。


「難しい仕事です」


 エーリカは出発前に言った。


「獣人が人間の役人を信用するとは思えません」


「そうです」


 賢は答えた。


「だから最初は、役人として行くのではなく、話を聞きに行く人間として行ってください」


「どういう意味ですか」


「要求を持って行くな、ということです。まず彼らが何を必要としていて、何を嫌がっているかを知る。それだけが最初の仕事です」


「どのくらい時間をかけますか」


「急がなくていいです。何ヵ月でも、なんなら一年以上でも」


 エーリカが少し驚いた顔をした。


「……そんなに時間をかけていいのですか」


「急げば失敗します。失敗すれば、次の機会が減る」



 エーリカがランドベルクに着いて最初に知ったのは、町の北の市場に、時折狼人族が来るという事実だった。

 月に数回、2、3人が来ては毛皮や薬草と塩や鉄製品を交換して帰っていく。


 話しかけようとすると無視するか、素っ気ない返答だけして去っていく。


 エーリカは何度も市場に足を運んだ。

 声をかけることも、近づくこともせず、ただ遠くから見ていた。


 1ヶ月後が経った頃、市場の雑貨商を営む老人に話しかけた。


「狼人族と取引があると聞いています。何年くらいになりますか」


「20年以上だな」


 老人が答えた。


「変わらないよ、あいつらは。いつも同じ者が来て、同じものを交換して帰る。必要以上のことは何も言わない」


「彼らに何か困っていることはないでしょうか」


 老人が少し考えた。


「そういえば、去年、山の奥で魔獣が増えたって話を聞いた。魔王の復活の影響だろうが、部族の若者が何人か怪我をしたらしい。うちで薬草を分けてやった」


「薬草を」


「礼なんか言わなかったけどな。でも翌月、いつもより上等な毛皮を持ってきた。あれが礼だったんだと思う」


 それから1ヶ月後、エーリカは初めて狼人族の一人と言葉を交わした。


 市場に来た若い狼人の男が、持ってきた薬草を並べていた時に、エーリカが見慣れない草を指して聞いた。


「これは何という草ですか。初めて見ます」


 男が一瞬、エーリカを見た。

 警戒するような目だった。


 しかし答えた。


「山苦草だ。熱を下げる」


「どこに生えていますか」


「北の沢沿いに多い」


「採取が難しいですか」


「岩場だから、慣れない者には難しい」


 それだけ言って、男は視線を戻した。

 エーリカは礼を言って離れた。


 それが最初の会話だった。



 3ヶ月後、エーリカは北の山道に入っていた。

 一人で、武器を持たず、目立たない旅装で。


 案内してくれたのは、市場の老雑貨商の紹介で知り合った猟師だった。


 山道を三日進んだ先に、狼人族の村があるという。


「普通は行かない場所だ」


 猟師が言った。


「向こうが嫌がる」


「嫌がるなら戻ります」


 エーリカは言った。


「断られたら引き返します」


 山道を進んでいくと、二日目の夕方、前方に影が現れた。


 狼人だった。

 二人。

 どちらも大柄で、獣のような敏捷さで木々の間から現れた。


「人間が何をしに来た」


 一人が言った。

 耳が尖り、目が金色に光っていた。


「お話を聞きに来ました」


 エーリカは答えた。


「要求はありません。何か困っていることがあれば聞きたいと思って」


「帰れ」


「分かりました」


 エーリカは頷いた。


「ただ、一つだけ言わせてください。最近、感染症を治す薬ができました。北の山でも怪我や病気で困ることがあれば、使えます。押しつけるつもりはありません。ただ、あることだけ伝えたかった」


 二人の狼人が顔を見合わせた。


「感染症を治す薬、とは」


「傷口が化膿して腐っていく病気を、止める薬です」


 またしばらく沈黙があった。


「……待て」


 一人が言った。


「族長に伝える」



 村に通されたのは翌日だった。


 山の中腹に、石と木材で作られた集落があった。

 二十棟ほどの建物が、岩盤に沿って並んでいた。


 子供が走り回り、老人が毛皮を鞣していた。

 人間の村と違う匂いと気配があったが、生活の温かさは同じだった。


 族長は、カルフという名の、50年程生きているという雄だった。


 灰色の毛並みと金色の目を持ち、背が高く、肩幅が広かった。

 傷だらけの手が、長年戦ってきた者のものだった。


「人間の役人が一人で来るとは、珍しい」


 カルフは言った。

 皇国語が流暢だった。


「何十年かに一度、測量や税の話をしに来る者がいたが、全員追い返した。お前も同じだと思っていたが」


「追い返されても仕方ありません」


 エーリカは言った。


「ただ、追い返される前に話だけ聞かせてください。魔王の復活以来、山での魔獣の動きはどうですか」


 カルフの目が僅かに変わった。


「……増えている」


 静かに言った。


「例年より多い。若者が何人か傷を負った。先月は老いた狩人が一人、魔獣に殺された」


「山に変化は」


「木が病気になっている。東の森では去年から謎の枯れ病が広がっている」


「それは聞いていませんでした」


 エーリカは手帳に書き留めた。


「詳しく教えてもらえますか」


 カルフがしばらくエーリカを見た。


「……お前は、何が欲しい」


「今日は何も欲しくありません」


 エーリカは正直に言った。


「ただ、困っていることを知りたい。こちらが役に立てることがあれば、そうしたい」


「見返りなしに?」


「すぐには、はい。長い目で見れば、お互いに得になることが見つかるかもしれません。しかし今日それを話すつもりはありません」


 カルフがまた黙った。


 やがて「一泊していけ」と言った。



 エーリカの報告を受けた賢は、植物学者と魔道具師を北部に派遣した。


 枯れ病の調査が始まった。


 東の森で調査を行ったクレメンスの同僚、植物学者のローレンツが持ち帰ったサンプルを分析した結果、原因が判明した。


 魔力を持った菌類による感染だった。

 通常の菌とは異なり、魔力を利用して木の組織を分解していた。

 魔王の復活以来、魔獣の増加によって魔力環境が乱れ、そのような異常な菌類が繁殖しやすくなっていた。


「放置すれば東の森全体に広がります」


 ローレンツが賢に言った。


「森が失われれば、下流の農村への影響も出ます。水源が変わり、土砂崩れのリスクが高まる」


「対策は」


「二つあります。一つは感染した木を早期に伐採して広がりを止めること。もう一つは、魔力の乱れを抑制する結界の設置です。ただし後者は大規模な魔道具が必要です」


「両方進めます」


 賢は言った。


「伐採した木材は無駄にしない。製材して建築材として使います。ただし伐採する前に、必ず獣人と相談してください。彼らの森です」


 エーリカがカルフに伐採の提案を持っていったのは、調査結果が出た3日後だった。


「枯れ病の原因が分かりました」


 エーリカは言った。


「魔力を持つ菌類です。放置すれば広がります。早期に感染した木を伐採することで、拡大を止められます」


 カルフが腕を組んだ。


「伐採とは、木を切り倒すことか」


「はい。ただし感染した木だけです。健康な木は残します。加えて、魔力の乱れを抑える結界を設置することで、再発を防ぎます」


「我々の森を、人間が切る」


 カルフは言った。

 感情の読みにくい口調だった。


「切るのは私たちです。しかし、どの木を切るかの判断に、カルフさんたちにも立ち会ってもらいたい。森を最もよく知っているのは、長年ここで暮らしてきた皆さんです」


「それだけか。他に何かあるか」


「あります」


 エーリカは正直に言った。


「伐採した木材を、国で使わせてほしい。建築材として必要としています。木材の対価として、皇国から提供できるものがあれば、話し合いたい」


「取引か」


「取引です。押しつけではありません。断られれば引き下がります」


 カルフが若い狼人たちを見渡した。部族の若者が数人、エーリカとカルフの会話を離れた場所で聞いていた。


「一日待て」


 カルフは言った。


「部族で話し合う」



 翌日、カルフが答えを持ってきた。


「条件がある」


「聞きます」


「一つ、伐採の際は必ず我々が立ち会う。どの木を切るかの最終決定は我々が行う」


「同意します」


「二つ、伐採後は必ず若木を植える。森を減らすだけではいけない」


「同意します。植樹の費用は皇国が持ちます」


「三つ」


 カルフが少し間を置いた。


「怪我をした時の薬と、医師を使えるようにしてほしい。先月、若者の傷が化膿して、一人が右腕を失った。お前が言っていた、傷の化膿を止める薬があれば」


「抗生物質です」


 エーリカはすぐに答えた。


「用意します。加えて、使い方を説明できる医療指導員を派遣します。ただし、来てほしくなければ来ません。薬だけでも結構です」


 カルフが少し眉を上げた。


「……人間の役人は、もっと押しつけてくることが多かった」


「私は押しつけたくないと思っています」


 エーリカは言った。


「ただ、役に立てることがあれば、そうしたい」


「なぜだ」


 エーリカは少し考えた。


「あなたたちが困っているのを見て、放っておけないからです。それ以上の理由は、正直言って上手く説明できません」


 カルフがしばらくエーリカを見た。


「……正直な人間だな」


「それだけが取り柄です」


 カルフが、低く笑った。

 初めて見せた表情だった。


「取引成立だ」



 契約が結ばれ、伐採と植樹が始まった。


 皇国の木こりと、狼人族の若者が並んで山に入った。

 最初は互いに距離があったが、作業を共にするうちに、少しずつ言葉を交わすようになった。


 木こりの頭、ゲオルクは最初、獣人と並んで働くことに戸惑いがあった。

 しかし狼人族の若者たちの木の知識に、すぐに感心した。


「あそこの木は切るな」


 若い狼人が言った。


「あの根が沢を支えている。切れば崩れる」


「分かった」


 ゲオルクは頷いた。


「じゃあ、その手前の列から始めよう」


「ここは切っていい。感染が深い」


「どこで分かる」


「葉の色と、幹の手触り。触ってみろ」


 ゲオルクが幹に手を当てた。

 確かに、健康な木より柔らかく、微かに温かかった。


「……なるほど」


 狼人の知識と、皇国の工具と技術が組み合わさった伐採は、想定より効率が良かった。


 伐採した木材は、山を下って製材所に運ばれた。

 ランドベルクに新設された製材所で加工された木材は、ベルフストの拡張工事と、新しい都市の建設に使われた。


 木材の対価として、皇国からカルフの部族に提供されたのは三つだった。


 鉄製の農具と狩猟道具。

 抗生物質(ペニシリン)と消毒薬(フェノール)の定期供給。

 そして、山道の整備だった。


 山道の整備は、双方にとって利益があった。

 皇国側は木材の輸送が楽になり、獣人側は魔獣の侵入を監視しやすい道が整備された。


 道が通ると、自然に人の往来が増えた。



 カルフの部族との取引が軌道に乗ると、エーリカは東の森の兎人族と狐人族にも接触を始めた。

 こちらはより慎重だった。


 兎人族は人間に警戒心が強く、最初の1ヶ月は会うことすらできなかった。


 エーリカはランドベルクの市場で薬草を売りに来る兎人族の女性に少しずつ顔を覚えてもらうことから始めた。

 挨拶だけを繰り返し、要求は何も言わず、薬草の買い取り価格を公平に払い続けた。


 それから2ヶ月後に、女性が自分から声をかけてきた。


「あなた、何が欲しいの」


「今は何も欲しくありません」


 エーリカは答えた。


「ただ、困ったことがあれば力になれることがあるかもしれないと思って」


「……正直だね」


 女性は言った。


「人間はたいてい、うまいことを言って何かを取ろうとする」


「そういう人間がいることは知っています。私もそう見えるかもしれません」


「見える」


 女性は言った。


「でも、2ヶ月間何も言わなかった。それだけが違う」



 南西部の馬人族の遊牧地については、また別の方法を取った。


 馬人族は広大な平原を季節ごとに移動する遊牧民で、固定した村を持たない。

 接触の機会が掴みにくかった。


 賢が考えたのは、交易所の設置だった。

 移動ルートの要所に、皇国が交易所を設けた。


 常駐の商人と医療指導員を置き、馬人族が通るタイミングに合わせて物資の交換ができるようにした。


 最初は素通りされた。


 二回目も素通りされた。


 三回目、馬人族の一団が立ち止まった。


 子供の一人が熱を出していた。

 医療指導員が診察し、治療をした。

 三日後、熱が下がった。


 翌月、同じ一団が戻ってきた。

 今度は毛皮と乾燥肉を持って。

 交易所に馬人族が立ち寄るようになるまで、半年かかった。



 北の山を訪れたエーリカが、ある夜カルフと焚き火を囲んで話した。


「最近、枯れ病の広がりが止まりましたね」


 エーリカが言った。


「ああ」


 カルフは焚き火を見ながら言った。


「結界の効果が出ているみたいだな。植えた若木も、少しずつ根付いてきた」


「来年はさらに回復するはずです」


 カルフが少し間を置いた。


「お前たちが来てから、半年が経った」


「そうですね」


「正直、最初は信用していなかった」


 カルフは言った。


「人間は必ず何かを奪う。それが経験だった」


「今は」


「変わっていない部分もある」


 カルフは静かに言った。


「木材は持っていかれた。道ができて、人間が増えた。我々の領域が、少しずつ変わっていく。それは事実だ」


「そうです」


 エーリカは正直に答えた。


「しかし」


 カルフが続けた。


「若者の腕は失われなくなった。薬のおかげで、昨年なら死んでいたかもしれない傷が治った。それも事実だ」


 焚き火が爆ぜた。


「お前の上の人間は、何を考えている」


 カルフが聞いた。


 エーリカは少し考えた。


 正直に言うべきかどうか。

 しかしカルフは正直さを見てきた男だ。


「最終的には、皇国の経済圏の中に獣人の土地も取り込みたいと思っているはずです」


 エーリカは言った。


「それが、あの人《福神賢》の計算だと思います」


「取り込む、というのは」


「あなたたちの文化を消すということではありません。ただ、鉄道が通り、市場が繋がり、医療が届く。そういう形で、人間の文化圏と重なっていくということだと思います」


 カルフが黙った。


「私は」


 エーリカは続けた。


「あなたたちの森と文化が消えてほしくない。それは本心です。ただ、変化を全て止めることはできないとも思っています」


「変化の中で、我々が何を守れるかということか」


「そうだと思います」


 カルフが焚き火を見た。

 炎が揺れていた。


「……正直な人間と話すのは、疲れる」


 カルフはやがて言った。


「しかし、悪くない」


「すみません」


「謝るな」


 カルフは言った。


「疲れる、と言ったが、嫌いではない」



 エーリカがベルフストに戻り、賢に報告した。


「北部山岳の木材は安定した供給が始まっています。東の森の薬草は、定期的な取引が始まりました。南西部の馬人族との交易所は、月に二度の取引が定着しています」


「獣人側の反応は」


「一言で言えば、慎重な受け入れです」


 エーリカは言った。


「警戒は残っていますが、取引を完全に拒絶する部族は減っています。医療支援が最も信頼を得る入口になっています」


「問題は」


「文化の摩擦です」


 エーリカは続けた。


「道が整備されて人の往来が増えると、若い獣人が人間の文化に興味を持ち、逆に人間が獣人の習慣を理解せず失礼なことをする場面が出てきています」


「具体的には」


「狼人族の領域に無断で入る猟師がいました。馬人族の遊牧地を農地に転用しようとした入植者がいました。どちらも私が止めましたが、制度的な保護が必要です」


「法律をいくつか作成します」


 賢は言った。


「獣人の居住域への無断侵入を禁じ、土地の使用については必ず当事者との協議を義務づける。違反者には相応の罰則を設けます」


「獣人の側に、人間の法が適用できますか」


「人間の行動を制限する法です。獣人を縛るのではなく、人間が獣人の領域に踏み込む時のルールを決める。獣人の自律性は守ります」


 エーリカはしばらく考えた。


「……カルフさんに、伝えていいですか」


「どうぞ」


「喜ぶかどうか分かりませんが」


 エーリカは言った。


「少なくとも、信用の証明にはなります」


「それで十分です」


 賢は言った。


「信用は結果が積み上げるものです」


 人と獣人の共存が、緩やかに、しかし着実に始まろうとしていた。

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