第46話 悪の将軍は塗り替えられて尻敷かれ将軍となる運命であった
翌日、とりあえず代表してモッコス将軍ことサイモン将軍が、
悪の将軍未遂となったダルアン将軍にゲームのストーリーについて話す、
又聞き状態だが15歳のテイクが話すよりしっかり伝えられている。
(そしてダルアン将軍の腕には聖女テラー様が絡みついている)
いやほんとこの妙齢聖女、
すっかり悪女の表情で頼もしい、
って『妙齢』の使い方、これで合ってるよね? まあいっか異世界だし。
「なるほど、天啓については良くわかった、してサイモン殿、協力出来る事は」
「闇の森、その祭壇で魔物の幹部が『砂の魔道士』その長をたぶらかすそうだ」
「いったいどうやって」「テイク殿」「はい、確か『まだ見ぬ魔法を習得してみないか』まあ魔物魔法なんですけどね」
そう、結局は魔道士の上層部、
みんな魔物に変えられちゃう、使い捨てで。
「それは魔法使い、魔道士にとっては抗えぬ誘惑だな」
「私との夜みたいに? ふふっ」「テラー、今夜が待ちきれない」
「ウッホン、それでダルアン将軍、何とか出来るか」「……正直、厳しいな」
砂漠の国に流れてくるオアシスは、
闇の森に流れ込む水を経由してやってくる、
それに植物系の豊富な資源は全て森から、もちろん森の動物という食材も。
(逆にタラマスカス国が闇の森にしてやれるのは、ドラゴンで人や物資を運ぶことくらいだ)
森の道って最低限しかも危ないからね、
空を飛んで移動できるのはとてもありがたい、
そういった持ちつ持たれつの関係でこの二国は上手く行っていた、はず。
(ただ、魔法使いが食い込み過ぎてるんだよなあ)
そこで今後、
どうするかだ。
「天啓によると、砂漠の国をも従えさせて魔王になると」
正確には魔物の幹部に操られてるだけだけど!
「その状況はおそらく担ぎ上げられているだけだ、
あちらもこちらも魔物と手を組んでの行動ならどちらが上とか無い、
むしろ魔物の下だ、今から『砂の魔道士』を説得するべきか」「して下さいますよね?」
出た、聖女テラーの『目の奥が笑っていない笑顔』だ。
「努力はする、が」「成し遂げて下さい」
「しかし、『砂の魔道士』というのはわざわざ砂漠の国に住んでくれている者達で」
「でも、そこの将軍なのでしょう」「うう」「して下さい」「うっ」「しなさい」「はいっ」
うわーお、完全に悪女が板についている、
本当に平和のためなら何にでもなるんだな、
おそらく夜のベッドでは恐ろしい淫魔になっていることだろう。
(アイスだけじゃなく甘いパイも贈らなきゃ)
だとしたら、
あのお店だなっ!!
「テイク殿」「はい尻敷かれ将軍いえダルアン将軍」
「天啓として良い解決方法は振っては来ないのであろうか」
「ええっとですね、個人的な考えはあるっぽいです」「して、それは」
これは土間幸一だったらどうするって話なんだけど。
「まずやれる事は2つあると思うんです、自国と隣国」
「自国の方は」「オアシスを閉められても当分は大丈夫な水の確保、
これに関してはそちらの兵士さんも働いて貰わないと」「シヴァールを使ってくれ」
えっ、僕にくれたんじゃ?!
いやまだそれは気が早いか。
「それはまあ良いとして、魔法使いさんの方ですが、
先に魔物魔法を憶えさせてしまえば良いのですよ」
「そんなことが可能なのか?!」「ええ、ウチに来れば」
ただ問題は、
オシシ仮面っぽい魔物がいつ連絡してくるかなんだよなあ、
例えば明日、来られたら対処が面倒くさいことになってしまう。
(あいつら、変な通信手段使うから、直接会って倒すのがこっちからは無理なんだよなあ)
ただし魔物を味方にすれば!
それはまた、後のお話だけれども。
「ウチというのは」「修行場ですが秘密です」
「ふふ、素敵な所よ、私はこちらに移住するから当分行けないけれども」
「移住してくれるのか?!」「だって昨夜、あんなに……もう後戻りは出来ないわ、私も、貴方も」
わっるううううい顔きたあああああ!!
悪女マニアの俺としては御飯3杯はイケちゃうね!!!
とりあえず俺が話を締めないと、色々と進めるためにも。
「とりあえずこちらの兵士選抜と魔法使いの幹部上位6人くらい貸して下さい、
物凄く強くして、ポイント、まあこっちのお金みたいなものですね、それで色々」
「興味あるな」「では将軍、私との新婚旅行で」「も、もうそのような話を」「ふふふふふ」
うん、悪女沼にどっぷり使って貰おう、この尻敷かれ将軍様にはねっ!
(それよりも、第四の悪女をさっさと確保したい)
それこそ魔物魔法と引き換えだって取引しようかな。
「テイク様」「あっはいテラー様、って僕に様って!」
「例の約束、心待ちにしておりますわ」「あっはい、だいじょうぶ、まーかして!」
「ダルアン将軍も、一緒にいただきましょう、きっと美味しいわ」「そうか、楽しみだ」
帰ったら、
色々と忙しくなるなコレは。
あっ、忘れないうちに念押しでお願いしておこう。
「じゃあそれはそれとして、『砂の魔道士』のリーダーに会わせて下さい!」
出来れば今すぐで!!




