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紳士クンの、割と不本意な日々Ⅳ  作者: 椎家 友妻
第五話 紳士クンと、撫子の恋
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24 お兄ちゃんの暴走

 色雄は、生まれて初めてというような衝撃を受け、

飛び出さんばかりに目を大きく見開いて叫んだ。

そして撫子の表情をマジマジと見詰める。

その撫子の頬は熟した桃のようにピンク色に染まり、

瞳は澄んだ湖の水面(みなも)のように潤んでいる。

それはまさしく誰かに恋焦がれる乙女の表情であったが、

その感情が自分ではなく、別の人物に向けられたものだという事を、

数多(あまた)の女の子を恋の虜にしてきた色雄は敏感に感じ取った。

 (ま、まさか撫子さんは、本当に僕以外の男に恋をしたというのかっ⁉)

 世の中の女の子は、全て自分の魅力の虜となるのが当然だと思っていた色雄は、

その事実が信じられなかった。

撫子は、今でこそ自分の好意をはねつけているが、

それは照れくさいからであって、

いずれは自分の魅力の虜になる日が必ず来ると本気で信じていた。

なのに、いきなり現れたどこの馬か魚の骨とも分からない男に、

撫子は心を奪われてしまった。

それが誰であろうと、色雄はその事実を受け入れる事ができなかった。

なので色雄は再び撫子の両肩を掴み、乱暴な口調で言った。

 「目を覚ますんだ!その感情は本来、俺に向けるべきものなんだ!

それが何かの間違いで、訳の分からない男に心を奪われてしまった!

それは完全に一時の気の迷いだ!今ならまだ遅くはない!

早くその気の迷いから覚めて、運命の相手であるこの僕の愛を受け入れるんだ!」

 「誰が運命の相手よ!それが私の運命なら、いっそ死んだ方がマシだわ!」

 色雄の言葉に再び怒りの感情を取り戻した撫子はそう叫んだが、

色雄はそれにひるむ様子もなくこう叫ぶ。

 「それが気の迷いと言うんだ!こうなったら力ずくで目を覚まさせてあげるよ!」


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