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22 お返事ズ・ハイと、その副作用
この手紙を書き上げた時、撫子と紳士クンは夜中独特のハイテンションの為、
それはそれは素晴らしい内容のお返事が書けたと喜んだ。
そして二人でそのままベッドに転がりこんで眠ってしまい、
朝になって改めてその手紙を読み返した時、その手紙の内容の恥ずかしさに、
二人して両手で頭をかかえ、奇声を上げながらもだえ苦しんだのであった。
しまいに撫子は、
「この手紙を燃やして私も死ぬ」
とまで言いだしたが、紳士クンが何とか説得してそれを思いとどまらせ、
その恥ずかしいお返事の手紙を丁寧に折りたたんで封筒の中に入れ、
こうして図書館の裏へ持って来たのである。
そして撫子は手紙を持ったまま木の根元を見下ろし、
ポツリとつぶやくように言った。
「ねぇ、乙子。
もし、この手紙を相手の男の子が読んだら、どう、思うかしら?
そして私とその男の子はこれから、どうなっていくのかしら?」
その問いかけが、弁護士になる為の試験問題よりも難しいと感じた紳士クンは、
頭をかきながらこう答えるのが精一杯だった。
「それは、神様だけが知ってるんじゃないかな?」
と、その時だった。
紳士クンの背後から、
「何が、神様だけが知っているって?」
と、いかにもキザっぽい口調の声がした。




