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20 当然希里も見ている
翌日の昼休み。
紳士クンと撫子は、図書館の裏庭へとやって来た。
ここにある一番大きな木の根元に返事のラブレターを忍ばせる為だが、
一人で行くのは心細いと撫子が言うので、紳士クンも付き添う事になったのだ。
ちなみにこの裏庭で一番大きな木というのは、
いつも希里が上に登って昼寝をしている木で、
今日も希里はその木の上から、二人の様子を興味津津に見下ろしていた。
その事に紳士クンは当然気付いていたが、
撫子に勘付かれては困るので、木の上には目もくれず、
その根元を見下ろしながら撫子に声をかける。
「裏庭で一番大きな木っていうのはこれじゃない?」
それに対して撫子は、返事の手紙を入れた封筒を大切に両手で持ち、
「そうね」と返す。
表面上は落ち着き払っているが、
緊張してソワソワしたオーラが、撫子の背中からにじみ出ている。
ちなみに夕べ、紳士クンのアドバイスを受けながら、
撫子が書き上げた返事は次のような内容である。




