19 このラブレターを書いた者の気持ちが死ぬほど分かる紳士クン
「と、とにかく、その手紙の人の事が気になるなら、
お返事を書いてみたらいいんじゃないかな?
あ、でも、相手の顔も名前も分からないんだよね?」
「ええ。でも、もし返事をくれるのなら、
図書館の裏庭の、一番大きな木の下に、
誰にも見つからないように手紙を忍ばせて欲しいって、書いてあったわ」
「そ、それなら、まずはお返事を書いてみればいいと思うよ?」
「そ、そうね。で、でも、一体どんな返事を書けばいいの?」
「そうだなぁ、この手紙をもらってどんな気持ちになったかを、
素直に書いてみたらいいんじゃない?」
「それって、何か凄く恥ずかしいんだけど・・・・・・」
「ラブレターって、そういうものだよ。
きっとこのラブレターの差出人も、
そういう恥ずかしい気持ちを素直に書いたんだと思う」
「な、何か凄く実感こもってるわね。
もしかしてあんたも、今まで誰かにラブレターを書いた事があるの?」
「えぇっ⁉な、ないよ!ないない!あくまでこれは僕の想像の話!」
自ら恥ずかしい手紙を書き、
更にその手紙に対して恥ずかしいアドバイスをした紳士クンは、
必死に両手をブンブン横に振ってそう言った。
そしてこの後紳士クンは、撫子に手紙の返事をどんな風に書けばいいのか、
色々アドバイスしてあげたのだった。
自分が書いたラブレターに対する返事をどう書けばいいのかアドバイスするというのは、
かなりシュールな状況だったが、これも撫子を助ける為だと思い、
紳士クンは一生懸命撫子が手紙の返事を書くのを手伝ったのだった。
とにかく、このラブレターで撫子の心を射止める事に成功した紳士クン。
果たして撫子の恋の行方はどうなるのであろうか?
その事を思うと、ただただ複雑な気持ちになる紳士クンだった。
(うぅ、これから、どうなっちゃうの?)
それは作者にも分からない。




