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第 99 章 信頼の試練

その夜遅く、リリーは誰もいないアパートに帰宅した。

ネイサン自身も仕事で忙しかったが、後ほど会いに来る約束をしていた。

久しぶりに、本当の自分に正直な決断を下せたことで、不思議な安らぎに包まれていた。

思考を遮るようにスマホが震えた。

ネイサンからのメッセージだ。

「今向かってるよ。早く会いたい」

リリーは微笑み、すぐに返信した。

「私もだよ。話したいことがたくさんあるの」

ネイサンが到着し、ドアから足を踏み入れた瞬間、ここ数週間ずっと抱えていた緊張感がついに和らぎ始めたのを感じた。

彼は彼女の元へ歩み寄り、優しく腕を抱きしめた。

「取締役会はどうだった?」

ネイサンは少し体を離し、彼女の顔を見つめて尋ねた。

「順調だったわ」

リリーは唇を引き上げて微笑んだ。

「ついに、私の理念に賛同してもらえたと思う。簡単な道じゃないけど、このために闘う覚悟はできている」

ネイサンは誇らしげな瞳でにっこり笑った。

「君ならできると分かってた。君の心の中には、いつも諦めない強さが宿っているから」

リリーは彼にもたれ、その存在がもたらす安らぎを感じた。

長い間ぶりに、すべてが整い始めていくような気がした。

「ありがとう」

彼女は囁いた。

「あなたがいなければ、ここまで踏ん張れなかったと思う」

ネイサンは抱きしめる腕を強めた。

「一人で頑張る必要なんてないよ、リリー。二人で共に乗り越えていこう」

日々が過ぎ、リリーはカーター社の新たな経営プラン作成に没頭した。

会社の規模を拡大しながらも、唯一無二の魅力を生み出す根本の価値観を守り続けることが可能だと、自ら証明しようと決意した。

決して容易な道ではないが、新たな使命感に燃えていた。

机に座り、プランの最終原稿に目を通していると、長い間欠けていた充実感が心に満ちてきた。

自分の会社だけでなく、自分の人生の主導権も、ついに取り戻しつつあった。

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