第 148 章 ソウル進出
カーター企業の世界展開における次の拠点は、韓国・ソウルとなった。この街は成長の盛んなIT産業と、革新的な商品への旺盛な需要で知られている。だが市場に参入するのは容易ではない。ソウルの競争環境は熾烈で、地元ブランドも海外ブランドも、市場シェアを争ってしのぎを削っていた。
リリーは高層ビルの会議室に立ち、広がるソウルの街並みを眺めながら、サラが作成した戦略資料に目を通し、思考を巡らせていた。チームは現地の消費者動向、インフルエンサーマーケティング、小売提携について徹底的に調査を行ってきた。自社ブランドの強みである環境配慮型テクノロジーを軸に十分な根拠を固めたが、成功するには優れた商品だけでは不十分——現地の文化とのつながりを築くことが不可欠だった。
「発売イベントの準備はすべて整いました」
サラの声がリリーの思考を遮った。
「でもメディアの注目を引くため、大掛かりなPR展開が必要です。彼らは常に最新のイノベーションに目を向けており、私たちもその潮流の一員だと認知させなければなりません」
リリーは頷き、市場データをちらりと見た。
「同意するわ。だけど技術だけに頼るわけにはいかない。私たちの価値観がソウル市場に通じるものであることを示す必要がある。ここで持続可能性は一時的な流行ではなく、定着した運動なの。そのメessageを伝えられなければ、多くの競合の中に埋もれてしまうだけよ」
「既に有力な現地テクノ系インフルエンサー数名と提携を結んでいます。彼らも当社の環境重視の姿勢に賛同し、ブランド支援に意欲的です。あとはイ'veントを実施するだけです」
サラが続けた。
リリーの肩には重圧がのしかかってきた。ソウル市場の成否が、アジア展開全体の行方を左右する。すべてを完璧に進めなければならない。
「明日、私がメディア記者陣と会談する」
リリーは固い決意を込めて言った。
「商品だけでなく、私たちが目指す大きなビジョンと信念を、しっかり理解してもらわなくちゃ」




