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魔王様は足止めたい 番外編  作者: たっつん
海王との出会い
12/13

決着

騒がしかった会場の音がどんどん遠のいていく。

両手を足で踏んで押さえつけられ、肩も手で押さえられて満足に暴れることもできない。

「ご…ぽぽ…」

「貴様はよくやった。だがこの勝負、私の勝ちだ」

あー…ダメだ、手も抑えられたら魔法もちゃんと出せない。

これ以上はもう…負けか。

そうだね、私はよく頑張ったよ。

ごめん、リッチーさん。

ごめん、アーサーちゃん。

ごめん、みんな…。

そうして意識を手放す直前、アーサーちゃんとリッチーさんの姿が見えた。

多分失望したような顔を…。……?

なんで二人、そんな目で私を見てるの?

笑ってる?

勝負はここからだとでも?

まるで私が勝つって信じてるような…。

そしてアーサーの口が動いているのが見えた。


「…!!」


ふふっ、わかったよ。

大丈夫、ギリギリだけどこんな状況でも入れる保険はある。

落ち着け、大丈夫。

魔力を増大させて…!


「なんだこれは?」

ウォーターボールの水がどんどん膨れ上がっていく。

その水は私の全身を包み、海王さえも包んでいく。

「…なるほど、私の魔力を増大させて自爆覚悟の我慢比べか。しかし残念だったな。私は水の中でも呼吸が可能だ」

「(半分正解。でも…ここからだよ!)」

そうして私は別の魔法を唱える。

「な!?まさか貴様!」

「(サンダーランス!)」

バチバチと水の中で雷が発生する。

「ぐご…!」

「がはっ!!ごほっ…!!はぁ…はぁ…」

バシャーン!!という音が鳴りウォーターボールが解除される。

「なんという無茶を…!」

「手段なんて…選んでいられなかったからね」

睨めつけながら言う。

ダメージは私の方が大きい。

もう少し回復したいけど待ってはくれなさそうだ。

くっ…動いて、私の体!


「見せてやる。魔法とは…アースウォールとは…こう使うのだ!」

「え?うわっ!」

海王が立ち上がり、宣言すると私の周りの地面が上へ上へと動き始める。

そうして5メートルほど私ごと上昇して柱を形成したと同時に、その上部に硬い土の牢屋が出来上がり、その中に私は閉じ込められた。

「え…!?出られない!」

牢屋をどうにかしようとガシャガシャと動かすがビクともしない。

「はぁ…はぁ…手間を取らせたな」

そうして海王は私の陣地へと移動してアースウォールで守られたぬいぐるみを崩し始める。


ダメだ、このままじゃ負ける!

どうにかしなきゃ…!

「だったら…一か八か!」

これに賭けよう!

そうして私は魔力を集中させる。


「くっ…これは固いな。だが、もう見えたぞ」

そうしてぬいぐるみの一部が見えた瞬間、

「メテオ!」

魔王特有魔法、隕石を降らした。

リッチーさんにならった魔法だ!

「な…!?シールド!!」

ガキィン!!という音がするがメテオの勢いは止まらない。

「ぐおおおお!!!」

ピシピシとシールドにヒビが入っていく。

「うああああああ!!」

私は魔力をどんどん込めて威力を増していく。

ドカアァァン!!!という音と風圧でフィールドが土煙にまみれた。


10秒か20秒か、土煙にまみれたフィールドがゆっくりと晴れていく。

「私…どうなって…地面っ!」

地面だ!風圧で檻が壊れて地面へ転がったんだ。

「ぐ…」

海王さんも無事だ!ぬいぐるみは…!?

キョロキョロと探し回ると私と海王の中央に鎮座しているのが見えた。

「む、あそこか!」

「取られるわけには…!」

両者が同時に走り出す。

速度に差はない。

両者半分の距離まで来たとき、

「あっ!!」

私はくるりと振り返り、反対側へと走っていく。

「勝負をあきらめたか!?しかし、私の…勝ちだ!」

海王がぬいぐるみを取った。


その時、ガコオォン!!という音がする。

「なんだ!?」

海王が立てた檻の柱が倒れた音だ。

倒れた先には私、リッチーがシールドを張っていて、アーサーが座り込んでいる。

「これは…」

「大丈夫!?アーサーちゃん!!」

「は…はい…」

「あぁ、よかった、間に合った!」

「あの、でも勝負が…」

「…あ」


振り返ると海王がぬいぐるみを持って立っている。

しかし、すぐさまぽいっと私の方にぬいぐるみを渡してきた。

「え?」

「守るべきものをちゃんと守ったじゃないか。勝負に固執せず、本当に大事なものを守りに行った」

「え?え?」

「喜べ。この勝負、魔王、貴様の勝ちだ」


「「「わあぁぁぁぁ!!」」」

会場が沸き立つ。

正直何が起こったかわからない。

でも。


「なんか…認められたみたいだね」

海王が笑い、私も笑った。

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