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ある日突然。コロナはやって来た。  作者: 雷鳥文庫


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4/5

診察まで。ぐったりした話。

 私はこの病院で二ヶ月に一度採血と診察、薬をもらっています。

長年薬を飲み続けますと肝機能とかに影響があるからです。

いまのところは大丈夫ですが。


で、その血液検査は来週の頭でした。

今日採血はついでにしてもらえないか。来週も回復しているとは言いがたい。血圧のお薬も切れそうだし。


などなど考えていました。


…ん?


また中に入ろうとしているのか、このおばさまは。


「ねえ、もういいでしょ。」

「すみません、予約の人が終わってから。」

「さっきから、予約予約ってそればっかり!!訳わかんない!」




――――訳がわからないのはオマエだ。




頭にギャンギャン声が響きます。ああ。


「もう!!こんな病院、二度と来るもんですかっ!!帰るわ!」


おや、帰るのかい。


「お帰りになるのですか。風邪なんですよね?」

受付の人が確認します。そして声はあくまでも冷静で穏やかです。

(クレームが来ないようにですか。大変だよ。)


「ええ!今から市立病院に行くからいいです!」

「…市立病院は今から行っても…急に行っても診てくれませんよ。」


その通りです。


 そしておばさまはエレベーターを呼ぶ時。

それから乗り込もうとする時もチラチラと振り向きました。

受付の人の方を見ています。


引き留めて欲しいのですね。


「…こんなに騒げば先生が出てきて、診てくれると思ったのに。」


げえ。オマエはモンスターか!!

おボケ老人では無かったのか。


未練たっぷりに何度も振り向き、おばさまは退場しました。

それだけ元気なら緊急性は無いと思われる。


帰れ。


でもな。家族はこのおばさまの文句を信じ込んで、口コミとかに

「老母が診察に行って冷たい対応をされました。」

とか書くんじゃなかろうな。



するとすぐに、

「雷鳥文庫さん。インフルエンザと後、一応コロナの検査をします。検査ご希望でいいですよね?こちらへ。」

「はい。」


本当に丁寧です。

検査受けるよね?とファイナルアンサーの意思確認をしてくれます。


…インフルエンザなんだろうなあ。


実は三日後にマンションの自治会の集まりがあるのです。ウチの棟のお当番は私。

キッチリと検査をしてもらわなくては。

なあなあまあまあで検査せずに帰宅し、他人にうつすといけません。


そっと隔離された部屋に案内されます。

(まだ院内にはお会計待ちの人がいるみたいです。)




そこで待つことしばし。


「こんにちは」

いつもの先生が来られました。


「綿棒を鼻の奥に挿しますねー、我慢してねー。」


以前の手術の時、コロナの検査では唾液を溜めたものです。

うーん、そうか。インフルエンザの検査と同じやり方か、

というか、インフルエンザの検査もするのだからね。


ぐいぐい。


「うう。」

涙目になりながら耐えます。


そして結果を待つのでした。




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