診察まで。ぐったりした話。
私はこの病院で二ヶ月に一度採血と診察、薬をもらっています。
長年薬を飲み続けますと肝機能とかに影響があるからです。
いまのところは大丈夫ですが。
で、その血液検査は来週の頭でした。
今日採血はついでにしてもらえないか。来週も回復しているとは言いがたい。血圧のお薬も切れそうだし。
などなど考えていました。
…ん?
また中に入ろうとしているのか、このおばさまは。
「ねえ、もういいでしょ。」
「すみません、予約の人が終わってから。」
「さっきから、予約予約ってそればっかり!!訳わかんない!」
――――訳がわからないのはオマエだ。
頭にギャンギャン声が響きます。ああ。
「もう!!こんな病院、二度と来るもんですかっ!!帰るわ!」
おや、帰るのかい。
「お帰りになるのですか。風邪なんですよね?」
受付の人が確認します。そして声はあくまでも冷静で穏やかです。
(クレームが来ないようにですか。大変だよ。)
「ええ!今から市立病院に行くからいいです!」
「…市立病院は今から行っても…急に行っても診てくれませんよ。」
その通りです。
そしておばさまはエレベーターを呼ぶ時。
それから乗り込もうとする時もチラチラと振り向きました。
受付の人の方を見ています。
引き留めて欲しいのですね。
「…こんなに騒げば先生が出てきて、診てくれると思ったのに。」
げえ。オマエはモンスターか!!
おボケ老人では無かったのか。
未練たっぷりに何度も振り向き、おばさまは退場しました。
それだけ元気なら緊急性は無いと思われる。
帰れ。
でもな。家族はこのおばさまの文句を信じ込んで、口コミとかに
「老母が診察に行って冷たい対応をされました。」
とか書くんじゃなかろうな。
するとすぐに、
「雷鳥文庫さん。インフルエンザと後、一応コロナの検査をします。検査ご希望でいいですよね?こちらへ。」
「はい。」
本当に丁寧です。
検査受けるよね?とファイナルアンサーの意思確認をしてくれます。
…インフルエンザなんだろうなあ。
実は三日後にマンションの自治会の集まりがあるのです。ウチの棟のお当番は私。
キッチリと検査をしてもらわなくては。
なあなあまあまあで検査せずに帰宅し、他人にうつすといけません。
そっと隔離された部屋に案内されます。
(まだ院内にはお会計待ちの人がいるみたいです。)
そこで待つことしばし。
「こんにちは」
いつもの先生が来られました。
「綿棒を鼻の奥に挿しますねー、我慢してねー。」
以前の手術の時、コロナの検査では唾液を溜めたものです。
うーん、そうか。インフルエンザの検査と同じやり方か、
というか、インフルエンザの検査もするのだからね。
ぐいぐい。
「うう。」
涙目になりながら耐えます。
そして結果を待つのでした。




