厄災の訪れ
シリアスだけど、世界観はふわっと設定です。
『やぁ、マリア!今日もいい天気だね!』
『ソル!ごきげんよう!今夜の満月もよく見えそうね』
今日は満月。昨日ほどではないけれど、人々が夜を待ち望んでいる日だった。
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『今日はお客さんもたくさんいて忙しかったけど、とってもいい一日だったわ!
ソルはどうだった?』
『うちはしがないドールハウス店だからね。いつも通り見物人ばかりだったさ』
『でも、今みたいなイベントの時は大活躍じゃない!!』
『って言っても、毎回依頼が入るわけじゃないからね。修理はあるけどさ。
まぁ、長く愛してもらえるのは、ドールたちの主人としてありがたいかぎりだよ』
『そうね!あの子たちは、あなたの子どもたちだものね』
『まぁな』
『いつか、そこに私たちの子どもも……ね?』
夜空が再び黄金に明るく輝きだした。
そこに一点、昨日とは異なる大きな赤い星が現れた。
『ねぇ、ソル。あれ何かしら……』
『綺麗だが、ちょっとこわいな』
徐々に勢いをつけて近づく赤い影は今にも街を覆い尽くそうとしていた。
赤い星が二人の頭上にきたとき、大地が大きく揺れた。
『マリア!』 『ソル……』
揺れた大地はマリアの足元を割り、ソルの支えも虚しく、二人の手のひらが遂に離れた。
『待って、嘘だろ……、うわぁあああ』
((ソル……どうかあなたは無事でいて……愛しているわ))
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この災害によって街は滅び、少数の生き残った者たちは愛する人を失い悲しみに暮れていた。
そんな時だった。
アレスティナ王国王都から漸く使者がやってきた。
常であれば、災害があった街へはすぐに人が派遣されるはずだった。
しかし、王国の豊かさを欲した帝国が戦を仕掛けてきたそうだ。
おかげで愛するものたちの捜索は難航していた。
ずっと住民たちが探し続けていたにも関わらず、不思議なことに誰一人として見つかることはなかった。
王国は、今回の災害の調査は戦いが終わった後に必ず行うと約束をしてくれたが、その後すぐに帝国との戦も激しさを増していったため、調査に派遣するための人員が確保できなくなってしまったようだ。
『マリア……っどこに行ってしまったんだい……』
『マリア……俺は一体どうしたらっ』
愛する人々を失った生き残ったデスターの住民たちは、これからについて話し合うことにした。
その結果、災害と戦。種類は違えど、これ以上この国に悲しみの涙を流す人が増えないように、この国の幸福が続くようにと願いを込めて、帝国との戦いに身を投じていくことにしたのであった。
『マリア……俺は戦うよ。マリアがいたこの国を守るために』




