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願い星が降る夜に(刻まれる咆哮)

世界観はふんわり設定です。

願い星への願いが禁忌となったのは、次かその次で語られることでしょう。

 



 その頃王国では、何か良くないことが起こっているのではと背に良くない寒気を覚えた国王が、姫の安否を臣下に尋ねておりました。臣下たちも、最初は公務で訪れている孤児院の子どもたちが姫様とまだ遊んでいるのだろうと話していましたが、徐々に不穏な空気を感じ取って姫様を迎えに行くことに決めたのです。



 しかし、待てども待てども姫様の帰城の知らせがやってきません。

 迎えに出していた騎士たちがようやく帰ってきたと思ったら、彼らは全員が蒼白となり涙を隠そうにもできぬまま、泣き叫びながら孤児院の様子を伝えたのでした。


 

 『陛下、孤児院が……姫様がご公務をされていた孤児院が』


 『何があった、息をしろ』


 『っっ、ご報告させていただきます。

  私どもは陛下のご命令を賜ったのち、すぐさま孤児院へと向かいました。』


 『しかし、不思議なことに、孤児院までの道中も孤児院付近においても、

  普段であれば可愛い子どもたちの声が聞こえてくるはずなのに……っっ。』


 『何も、誰も、いなかったのでございます。』


 『なんだと!!それは真か!!』


 『はい。生きた人間は、1人もおりませんでした。』


 『いきたにんげん……だと』


 『はい、あの可愛らしかった子どもたちや守り手たちも皆、物言わぬものとなって天の住人に』


 『なんと……』


 『そして、姫様と騎士らの姿はどこにもなく、

  しかし、隣国へと続く林の中を調査したところ手がかりがございました。』


 『林を少し進んだところで、姫様の護衛部隊が全て天の住人となっておりました。

  彼らに抵抗した形跡はみられませんでした。』



 なぜ、なぜ善良な者たちが無惨な姿で天の住人へとならねばならぬのか。

 なぜ、このような真似をされねばならぬのか……。



 『何故だ、何故抵抗しなかった。賊に遅れをとるような者たちではないだろう』


 

 そのような姿となってでも守らねばならぬ者がいたということ。

 


 『そこに、そこに姫はいたのか!』


 『いえ、お姿を探し出すことはできませんでした。

  しかし、国境付近にて姫様護衛筆頭である公爵家嫡男クリストフが発見されました。

  既に天の住人となっておりましたが、先程の騎士らとは違い抵抗した様子が残っておりました。』


 『そこにも姫様のお姿はありませんでしたので、必死に離されまいと足掻いたのでしょう。

  そして、最後の力を振り絞って、血でこれを記したようです。』



 ーーアリアさま おうたいし つれさ ーー



 『なんと!!隣国の、それも王太子が連れ去ったというのか!!』


 『現在、隣国は政変の只中とも聞きます。

  とにかく、一刻を争いましょう。姫様の御身を確かめねば!』


 (ここまでのことをして、戦にならぬと思うたか!

 いや、それとも……早計か。大国の国王が許すはずもない。ならば、独断か)



 国王は城の精鋭たちをすぐさま集め、姫の居場所を特定するべく動き出しました。


 姫の居場所はすぐに判明しましたが、やはり相手は大国。

 王太子の独断であったとしても、兵力ではどうしても負けてしまいます。



 その時、隣国の王宮に執事として潜入させていた同胞より鳩が届きました。

 大層慌てていたのでしょう。文字は歪み、所々にシミができたその手紙は、悲惨な事実を伝えてきました。



 ーー 姫君、王太子より打たれる ーー



 国王は怒りと悲しみで膝を折り天に向かって叫び続けました。

 その叫びを聞いた城の者たちから国全土へと姫様の訃報が伝わるのに、そう時間はかかりませんでした。

読み返してはいますが、誤字脱字などあったらすみません。

完結目指してゆるりと更新頑張ります。


他作品と並行して進めるか、優先させるかは迷い中です。

よろしくお願いいたします。

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