あるべき未来に戻すため
本日分投稿できてませんでした。
遅くなりましたが、よろしくお願いします。
その後もショーンはドールハウスを訪れることをやめなかった。
ソルもドールハウスを閉めることはしなかった。
そんな日々が日常へと変わったある日のこと。
ソルが何者かの囁きに取り憑かれてから約半年、満月の夜がやってくるまであと十日を切っていた。
『ようやく、ようやくだ!マリア……君の器となる人形は、君自身じゃないとと思っていたんだ。
月日が経てば経つほど愛した者の姿が薄れるなんて聞いていたけど、それは迷信さ。
なぜなら俺の記憶は、時間が経つほどに鮮明になっているんだから。』
『マリア、もう直ぐ会えるよ。君のことだけを考えて生きてきたんだ。
君さえいてくれたなら、それだけでいいんだ。』
そこには呟きながら優しく人形ーマリアーの頬を撫でるソルがいた。
マリアが完成してからのソルは、日に日に顔色を悪くしていった。
『師匠、最近ちゃんと眠れていますか?顔色がよくないですよ』
『大丈夫だ。少し気を張っていたことが落ち着いて、反動がきただけさ』
ソルの不調の原因はそれだけではなかった。
既に頭の中に浮かんでいるマリア復活のために必要な陣。これを描くために必要な血を抜いていたからだ。
しかも、ソルはマリア復活に必要なものは全て自分が賄うと決めていた。
たとえイレギュラーが起こって自分だけではどうしようもなくなったとしても、生き血だけは他人のものが混ざることが許せなかった。
『ショーン。今日も店は早く閉める』
『またですか?最近多いですね』
『どうせ客も来ないから問題ないだろう』
『なら、今日は一緒に食事でもどうですか?美味しい魚の店があるんです』
『すまないがやることがあるんだ。また今度にしよう』
マリアが戻ってきたら、この少年を紹介しよう。
子ども好きなマリアのことだ、きっと我が子のように可愛がるだろう。
我が子……か。
もしあの厄災と呼べるものが起きずに、マリアと一緒になる未来が続いていたのなら。
私達にも、愛すべき子どもができていたのだろうか……。
そうだとしたら、成長してショーンくらいにはなっていたのかな。
全て今となっては“たられば”の世界。
この先取り戻さなければならない過去で未来だ。




