表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

48/215

48,パーティを分ける。

 

 何はともあれ、これで目指すポイントが二つあることが分かった。


 まず大ホールには、敵の指揮官であり〈天路歴程〉の一人でもある男(尋問で性別までは判明)が、いる。

 そしてクック少将たち、自勢力の捕まった者たちは、地下牢に収容されている。


「えーと。まず〈天路歴程〉の人を倒せばいいのかな? そうしたら、もうクック少将たちも救出したも同然だよねー」


「いえお姉さま。この侵略軍を率いる〈天路歴程〉は、かなり底意地が悪いようです。地下牢の見張りに、王国軍の不意の襲撃があったら、捕虜を皆殺しにしろ──くらいの命令はしているかもしれません。つまりわたくし達が、〈天路歴程〉を攻撃することで、クック少将たちを早死にさせることになるかもしれません。それは避けたいところでしょう」


「うん避けたい、避けたい。だけどユリシアちゃん、クック少将たちの身を心配するなんて、いい子に育ったねぇ」


「お姉さま以外の人間がいくら死んでも困りませんが、まだクック少将には利用価値があります。それにお姉さまがダードン要塞から侵略軍を駆逐し、解放したとき、『助けだした味方の将兵』がいるのといないのとでは、お姉さまの名声の高まりが違ってきますので」


「……さすが実利主義のユリシアちゃん」


「お褒めいただき、光栄ですわ」


「……で、どうするの? 先にクック少将たちを助ける?」


「それでは確実に、〈天路歴程〉にこちらの侵入が気取られてしまいます。ここは同時攻撃でいきましょう。」


「このパーティを二つに分ける、ということ?」


「はい。確かに戦力分散のリスクもありますが、このメンバーでしたら、二つに分けても問題はないでしょう。お姉さまには、いざとなったら骸骨魔導士スケルトンメイジもいますし。ではこの骸骨魔導士スケルトンメイジも含めて、戦力が均等になるよう分けます。まずお姉さまのパーティで、〈天路歴程〉の一人を潰しにいきます。すなわち打倒〈天路歴程〉パーティです」


 ローレライが遠慮深く挙手して、


「あ、あの~。〈天路歴程〉ということは、サラ・シュタン格の敵、ですよね?? それだとライラ様の御身が、あのー、危ないのではないですか???」


「確かにリスクはありますが、やはり〈古き者たち〉の幹部が相手です。その者が死ぬときは、お姉さまを視界に収めたまま、己が誰と敵対し、そのために早死にすることになったのか、それを理解しながら死んでいただきたいのです。お姉さま、問題ありませんわね?」


「うーん。私、そんな意地の悪いことは考えたことがないけど。まぁ私だって、最前線に出るよ。とくにやることはないけども、みんなを応援しちゃう」


 ドラゴが拳をかためて、「うぉぉぉ!!」と声を上げた。


「姐さんにじかに応援してもらえるなんて、そいつは最高ですぜ! 力も百倍、いや千倍、いやいや一億倍ですぜ!!!」


 しかしユリシアが冷ややかに、


「残念ですが、ドラゴ。あなたは地下牢への救出パーティです」


「はぁぁぁぁ!! 俺がいなくて、誰が〈天路歴程〉を倒せるってんだよぉぉ!!」


「初代剣聖がいれば充分です。ドラゴ。あなたはいい加減、『アタッカーとしては、リスダンの次点』という現実を受け入れなさい」


 ドラゴ、リングに崩れ落ちたボクサーのように、がっくしする。


「どんまい、ドラゴ。リスダンじゃ、ちょっと相手が悪かったよ」


「姐さん………おれは、おれは──姐さんのために、世界一の強い男になりますっっっ!!」


「いや、そういう暑苦しいのはいいから」


 ユリシアは、淡々と続けた。


「改めてまして、打倒〈天路歴程〉パーティは、お姉さま、わたくし、リスダン、アンジェラ、チキータです。これにいざバトルとなれば、骸骨魔導士スケルトンメイジが加わることでしょう。一応、説明しておきますと。チキータは偵察要員、アンジェラはお姉さまの回復要員です。リスダンと骸骨魔導士スケルトンメイジが前衛として戦い、ローレライは後衛より支援しつつ、お姉さまのガード役です」


「人魚族の王女にガード役をやらせるとは、なんか恐れ多い」


 と私。

 するとローレライが、


「あ、心配しないでください、ライラ様! お母さまも、『冥王陛下のため半死半生の身になるくらいのガッツをみせなさい』と言っていまたから!!! 頑張りますっっ!」


「気持ちだけ受け取っておくから、ほどほどにね! プリンセスなんだからね!」


 ユリシアは続けた。


「残りが、救出パーティです。ガリーナ、あなたが指揮を執ってください。ほかの者は、ガリーナがパーティリーダーですので指示に従うように。ドラゴ、あなたが前衛で戦うのですよ。ビリーロストは支援しなさい。ヨーナス、功績をたてたければ、前に出すぎないようにしなさい。

 では任務開始といたしましょう。お姉さま、出発前にお言葉を」


「よーし、がんばろっ~」


ブクマ登録、高評価、お願いいたしますー!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ