第6節 平凡な日々
少年と少女たちは休日の日に共に出かける。
そこに確かな友情を感じながら。
「さすがにまだ少しきついわね」
いつもより少し遅めの時間に私は学校にたどり着いた。
昨日は急に熱が出たから学校を休んだけど、今日はある程度下がったから学校にきた。
けれども体の疲れは抜け切れてなくて、今日まで休めば良かったかしら?
そんなことを思いながら教室のドアを開けた私は、視界に映った光景に驚愕した。
いつもより少し遅かったとはいえ
普段の雪が学校に来る時間じゃない。
それなのに雪はもう学校に来てて、しかも真と二人で話をしているのだから。
真から話しかけたのならわかるけど、
真が席に座ってて雪が立ってるってことは、雪の方から話しかけたとしか考えられない。
私がいない間に随分と大胆になったじゃない。
私は親友の成長に少しだけ笑顔になって自分の席に向かう。
「おはよう雪、真も」
「あ、朝美。もう熱は大丈夫なの?」
「ええ。見ての通り元気よ」
「それは良かった。雪もずっと心配してたから安心したよ」
ふ~ん。ちゃんと名前で呼ばせるようにしたのね。
「心配かけたわね。あと真、私のことも朝美で良いわよ」
「分かった。そう呼ばせてもらうよ」
私のその態度に雪が疑うような目線を向けてくる。
はぁ、心配しなくてもあんたの男を取ったりしないわよ。
「お前ら席に着け。出席を取るぞ」
そこで先生が教室に入ってきて、私たちはいったん分かれた。
「あ!いけない、忘れるところだった!」
学校が終わっての帰り道、私と雪それから真の三人で歩いていると突然雪が叫び始めた。
「どうしたのよ雪、課題なら来週よ?」
「え、来週だっけ!?って違うよ!私が言いたかったのはこれ、じゃーん!!」
わざわざ口で効果音を言いながら雪がカバンから取り出したのは何かのチケットだった。
三枚あるうちの一枚を受け取ってみてみると、
電車で少し行ったところにある遊園地の割引チケットだった。
「これがどうかしたの?」
「明日三人で行かない?ちょうど三枚あるし」
「遊園地か。距離も近いし、僕は構わないよ」
はぁ・・・。
私はため息をつくとそっと雪に耳打ちをする。
「あんたがバカなのは知ってたけど、まさかここまでとはね。
そこは真と二人で行きなさいよ。どうして私まで誘うわけ?」
「む、無理だよ真君と二人きりなんて!こうやって誘うのだって頑張ったんだから。それに・・・」
雪はそこで一度言葉を切ると、いつも通りの笑顔を浮かべた。
「朝美とも一緒に行きたいもん。確かに真君も大事だけど、朝美も同じくらい大切な親友だから」
そんなセリフをまっすぐ言う雪に、私は一瞬だけど息が詰まった。
ほんと、この子は何があっても変わらないわね。
「そういうことなら、私も一緒に行ってあげるわ。サポートは任せなさい」
「うん!頼りにしてるね、朝美」
私は雪の恋を全力で応援しよう。
そのことを、この時改めて誓った。
果たして雪は、真との距離を縮めることが出来るのだろうか?
次回を乞うご期待。




