第二話「奢られ上手?」
ifです。マジで描くの時間かかりました。いろいろ矛盾しないように設定書くの大変。あとやる気くれ。
「……寒っ。」
俺は刺すような冷気で目を覚ました。のそのそと起き上がった俺は周りを見てみると、そこは石畳とレンガ造りの建物に囲まれた路地裏だった。
「あのクソガキ、人の話もよく聞かないで勝手に転生させやがって…」
これからどーすんだよ。俺は頭を抱えようとした。手が視界の端に入った瞬間、俺はフリーズした。そこには関節のしわも爪の境界も一切書かれていない、まるで一筆書きしたかのような手がそこにはあった。嫌な予感がしてすぐ近くにあった水たまりを覗き込み自分の顔を確認した。そこに写っていたのは目も鼻も口も簡略化された見るからに
「モブ」の顔だった。
「あのクソガキ流石にキャラクリ適当すぎんだろ…」
思わずそう漏らした。顔だけ徹底的にモブ。そこまでやるか普通。でも大丈夫。こういう時はチート魔法で無双すればいい。
「インベントリ!」
「ステータス!」
「スキル鑑定!」
「チート!」
…何も起こらない。名前呼ぶだけじゃ出ねえか。まだだ。まだチートアイテムで無双するという線が残っている。持ち物を確認する。出てきたのはライター、スマホ、タバコの空箱。そして二万円の入った財布。……以上。俺は女神がサービスだのなんだのほざいてたので何かあるんじゃないかと結構期待していたんだが、見事にその希望は打ち砕かれた。あいつ、サービスの意味辞書で調べ直してこい。
「これからどうすりゃいいんだよ…」
とりあえず歩くか。路地裏を抜けると、人の話し声が一気に耳へ飛び込んできた。角の生えた獣人が魔石屋の主人と値段でもめていた。……本当に来ちまったのか、異世界に。そしてここは多分市場だ。ふと気になって周りの顔を見てみるとほぼ全員、目と口が点みたいな顔だった。安心した。俺だけじゃなかった。ところが、一人だけ髪にハイライトが入っていた。作画担当、途中で変わった?そんなことはどうでもいい、まずは情報だ。商店街のなかを歩き回ってこの世界の常識を学ぶつもりだった。だが二、三軒見て回っただけでその計画は破綻した。酒場らしきものを見つけてしまったからだ。酒場の中でも情報収集はできる。……そういうことにしておこう。肉を焼く香ばしい匂いに負け、店に入り、ワインとステーキを注文した。真昼間から飲むワインは控えめに言って最高だった。異世界、案外悪くない。しばらくワインを嗜んでいるとステーキが運ばれてきた。正直言ってそんなにいい肉ではなかったが今の俺にはご馳走だった。食べ終えて席を立った──が、すぐ座り直した。俺は気がついてしまった。この世界の通貨が円なわけがないことに。腹が減っていてよく見てなかったメニュー表をもう一度見た。なんとそこにはステーキ2500セルと書いてあった。当然だ。異世界の通貨が円な訳がない。かなり詰みだが、今俺には選択肢が三つある。食い逃げするか自首するか奢ってもらうかだ。実質一つだ。奢ってもらうしか俺には選択肢はない。周囲を見渡すと一人だけモブ顔じゃないイケメンがいた。作画の書き込みが濃すぎる。背景まで描き込まれている。あれがモブなわけない。ああいう顔のやつ、困ってる奴を放っておけないタイプだ。うまく取り入って仲良くなって奢らせる!
「すみません。」
イケメンが振り向く。キラッ。うわ、エフェクトまで付いてる。
「……困っているようだね。」
やっぱ主人公だ、こいつ。
「金ないから奢ってくれん?」
「……は?」
読み終わったら評価や感想くれるとめっちゃ嬉しいです。次はもっと書くの時間かかりそう…




