表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『辺境伯令嬢と竜の子』 ―滅び行く者たちと未来に向かう者たち―  作者: 鶴見 日向子


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

37/38

最終話 ―伝説とそれぞれの未来へ―

この話で終わりです

この話の後に「エピローグ」をつけたしました。

「ええっ!? 人間が竜になった??」


リュカが目を見開いた。


「そうなんです。あの屑石を集めた耳飾りです。

ほとんど魔力がないので、平民の富裕層向けに販売できないかと思ったのですが……駄目ですね」


セレシアが言った。


「普通、食べないだろう?」


フィンが言う。


「いや、小さい子供が間違って口に入れることはあるぞ」


ヴァルドが真顔で言った。


「屑石でそうなるのであれば、大きい石なら、人間が竜になってしまうかもしれませんね」


フィンが深刻そうに言う。


4人は顔を見合わせた。


「試したくない!」


4人の声が揃った。


「あ、留守中、アーチャをありがとうございました」


セレシアが礼を言う。


「いや、問題なかった。あの子は大人しい。全然手がかからない」


ヴァルドが、どこか含みのある言い方をする。


その時のセレシアは、その意味を深く考えなかった。


そして、1年半が経過した。


「ああ、やっと話せるようになった。まだ少し話しづらいけど」


いきなり、歩き始めたばかりのアーチャが言葉を発した。


セレシアは空耳かと思った。


だが、アーチャはにこりと笑う。


慌てて、リュカの元へ連れて行く。

ヴァルドも呼ばれた。


「人間化成功だよ。

最初は赤ん坊だから、何も話せなかったけど。


たぶんだけど、人間の体液があればいいんだと思う。

量じゃない」


たどたどしく話すアーチャに、セレシアは呆然とした。


「わざと、私が指を切るように仕向けたの?」


セレシアが聞く。


「うん、ごめんね。どうしても試したかったんだ。

でも、これで証明できた。


あの竜になってしまった女の子も、同じ現象が起こったんだと思う。


量じゃなくて、『質』なんだ」


「そうか……」


ヴァルドは、そのまま黙り込んだ。


四兄竜が姿を現す。


「私にも試してみてもらえませんか?

人間になれるのなら、なりたい」


「かまわないが……妻の承諾を取りたい」


リュカが竜に言った。


「それから、2人の子として育てよう。

後の事は、その後考えればいい」


「わかりました」


あれから、グレースとリュカは結婚していた。


2人は、アストレア国内に新しい領地『エルドラン』を与えられ、領主となっていた。


技術力に優れた土地として発展し、後にアストレアに属する国となる。


辺境伯領は長兄が継ぐ事になった。


次兄は長兄を補佐し、三兄は相変わらず食料生産に力を注いでいた。


それぞれに妻もいる。


フィンとセレシアはグランヴェル国へ移り住み、魔法の指導をするようになっていた。


ヴァルドは辺境伯領の城を出て、妻と長男、そしてアーチャを連れ、元いた城へ戻っていた。


「他の竜達にも、どうしたいか希望を聞こう。

そして順番に人間化をしていく。


一度には不可能だ。

何しろ、赤ん坊から育てなければならぬ。


一か所に留まる生活は終わりだ。


アーチャ、もう少し体がしっかりしたら、我々と行こう」


「うん、わかったよ」


数年後――


ヴァルド達は、竜のいる場所を求め、大陸の各地を移動する生活を送るようになる。


そして、月日は流れていった。


国々の姿も、時代と共に変わっていく。


竜の存在は、やがて伝説となった。


数百年後――


それぞれの国の城には、竜の銅像が必ず祀られるようになっていた。


これからも、世界は変わり続けていくのであろう――



いままでお読みいただき、ありがとうございました。

もう一話、、「エピローグ」がありますので、そちらもお読みいただけますと幸いです


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ