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天才料理人は異世界でも料理を続けるそうです  作者: 巨大林檎
第一章

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4/7

王都までの道のり①

「王都まで歩いてどのくらいかかるんだ?」

迅は皿と鍋の片付けをしながら口を開いた


「歩きだと……8時間くらいですかね」


 迅は空を見上げた。木々の隙間から見える光が、完全に落ちかけている。


「今夜は野営か」


「そうなります。あっそうだ!ジンさんさえよければ、明日一緒に王都まで行きませんか?一人より二人の方が安全ですし!」


 迅は少し間を置いた。


「わかった。世話になる」

 リアがぱっと顔を明るくした。


 焚き火が小さくなった頃、リアが膝を抱えながら口を開いた。


「それにしても……本当に美味しかったです。さっきのスープ、同じ食材なのに、どうしてあんなに変わるんですか」


「扱い方だな」


 迅は短く答えて、焚き火を見つめた。


「あの、一つ聞いてもいいですか」


「なんだ」


「さっき使ってたじゃがいもとにんじんの事知ってたんですか?ニホン?という所から来たと言ってたので知らないと思ってました。随分迷わず使ってたので」


 迅は少し止まった。


「じゃがいも、にんじん……俺がいた場所でも同じ名前で呼んでいた」


「どこの国でも同じ名前なんですかね」


「どうだろうな、ただ、味も見た目もほぼ同じだった」

 リアが不思議そうな顔をしながらも、特に深く追わなかった。


「グランツ王国というのは、どういう国だ」


「どういう、というと?」


「大きな市場はあるか。食材は集まるか」


「あります! 王都の市場は大陸でも一番大きいと言われてて、遠くの国からも食材が集まるんです。料理が盛んな国なので、料理人も多くて」


「冒険者も多いと言っていたな」


「はい。森や街道に魔物が出るので討伐依頼が絶えなくて。危険といえば危険ですけど、冒険者がちゃんと対処できる程度なので街が壊滅するとかはないです」


「街に直接来ることはないのか」


「たまに迷い込む程度ですね。そのくらいなら衛兵でも対処できます」


 なるほど、食材が集まる市場がある。それだけわかれば十分だ。


「さっきの魔法だが」


「ファイアですか?」


「あれはどこまでできる」


 リアが少し考える顔をした。


「生活魔法なら大体の人が使えます。火を起こすとか、水を出すとか、汚れを落とすとか。料理や掃除に使う程度のものですね」


「戦いには使えないのか」


「生活魔法じゃ無理です。戦闘に使えるくらいの魔法を使える人は、この国でもほとんどいないですよ。上位の魔法使いでやっと魔物と戦えるくらいで」


「つまりほとんどの人間は生活魔法しか使えない」


「そうですね。私もファイアとクリーンくらいしか使えないです」


 迅は黙って聞いていた。魔法で無双できる世界ではない。ただの火起こしと掃除だ。料理への影響は限定的だ。


「クリーンというのは」


「食材の汚れを落としたりできます。料理人にはすごい便利ですよ!王立料理学校でも最初に習う魔法ですよ」

 迅は少し考えた。


(衛生管理に使えるか)


「わかった」

 それだけ言って、迅は横になった。


「もう寝るんですか?」


「明日早く出よう」


「え、何時に——」


「目が覚めたらだ」

 リアはしばらく焚き火を見つめてから、小さく笑った。


 変な人だ。でも、料理の腕は本物だった。

 王都まで、歩いて8時間。この人と一緒に歩けば、また何か食べさせてもらえるだろうか。そんなことを考えながら、リアも目を閉じた。

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