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014 レベリング

一週間後。


シュウたちの魔法の鍋の炊き出し、俺がノームたちと丹精込めて作った農産物、リンの鮮やかな采配のおかげで、跳ね上がっていた王都の市場価格はすっかり落ち着きを取り戻していた。


俺は出荷量を調整し、王都に転移したプレイヤー分だけの生産へと切り替えることにした。ここで大量生産を続けて現地の農家さんたちの生活を脅かし、路頭に迷わせてしまっては元も子もない。


そこで俺たちはプレイヤー向けの『産直市場』を立ち上げた。テツが手際よく立派な店舗を建て、シュウはその一角で念願のラーメン屋を開業した。連日、噂を聞きつけたプレイヤーたちで長蛇の列ができている。


ちなみにテツは今、王都の住宅問題を解決すべく、建築クラン主催の『日本人街建設プロジェクト』の会議に出席している。

本人は、都市計画なんて現場監督の俺に聞いてどうするんだって、ボヤいていたが資料をしっかり準備して、かなりやる気になっている。






で、俺はというと、その日本人街の建設で今後大量に必要となる木材を確保するため、王都の外に広がる森へとやってきていた。


「ねえゲン、本当にレベル上げするの?」

「まあ見てろって」


少しでもレベルを上げておいた方がいいだろうと思い、リンとパーティーを組み、俺のテイムモンスターである『レッドホース』の背に二人で跨がっている(二人乗り用の鞍使用)。燃えるような赤毛と豊かな体躯を持つ馬の背中は、見晴らしも乗り心地も抜群だ。


森に近づくと、森の奥からギィギィと下品な声を上げてゴブリンの集団が飛び出してきた。


「出た! ゲン、どうするの!?」

「まあ、慌てるな。行け、野郎ども!」


俺が合図を送ると、周囲を固めていた『レッドホース軍団』が一斉に駆け出した。


ドゴォッ! バキバキッ! という重苦しい音とともに、突進したレッドホースたちが蹄でゴブリンたちを容赦なく踏み潰していく。踏みつけられたゴブリンたちは一瞬で光の粒子となって宙に散っていった。


「うわ……グロ!!」


後ろでレッドホースたちの活躍を見たリンが、ドン引きした声を上げる。レッドホース軍団の圧殺劇は、彼女には刺激が強すぎたらしい。






ピンコーン! ピンコーン! ピンコーン!


リンの頭上で、レベルアップのエフェクトと効果音が連続して鳴り響いた。


「えっ、うそ!? 待って、一気に3レベルも上がったんだけど!?」

「レッドホースたちには、周囲を駆け回ってもらうからまだまだ上がるぞ」

「えげつないわね……でもありがたいわ!」


目を輝かせるリンを横目に、俺は周囲の巨木を見上げた。


「よし、安全も確保できたし、本題の伐採作業に入るとするか」


俺はモンスターボックスを開放し、新たなテイムモンスターを呼び出した。


「出てこい、ホワイトビーバー!」


姿を現したのは、体長一メートルほどの真っ白で可愛らしいビーバーたちだ。それを一気に十体、呼び出す。


「みんな、あの大きな木を頼むぞ」


俺が指をさすと、十体のホワイトビーバーたちは「キュキュッ!」と元気に鳴き、ものすごい勢いで大木に群がった。カツカツカツ!とノミで削るような咀嚼音が響き渡り、あっという間に巨大な木がグラリと傾き始める。


ドシーン! と激しい音を立てて大木が倒れると、ホワイトビーバーたちは素早く枝を払い、丸太へと整えていった。


「な、なにあの木こり集団……」


呆然と口を開けるリンをよそに、俺は次々転がってくる丸太を回収した。




ここまで読んでいただき、ありがとうございます!

もしよろしければ、『ブックマーク』と『星評価』をしていただけると、ものすごく嬉しいです。

これからも頑張って更新しますので、引き続きよろしくお願いいたします!


7:00・12:00・18:00に投稿予定。

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