4.里親候補者
「ルドアさん。初めて自分で出迎えるからか、ドキドキします。」
「そんなに緊張しなくて大丈夫ですよ。ニーナ様ならきちんと仕事がこなせ・・・あぁ、いらっしゃいました。」
「え、もうですか?!」
玄関に現れたのは男の人。ジェイルーン様よりも少し若そうで、爽やかそうな印象を受けた。
「初めまして。アドゥイ王太子様の紹介で参りました、王宮騎士団所属のサハルトです。」
「ようこそお越しくださいました。本日ジェイルーン様は仕事で留守にしておりますが、こちらにいらっしゃるニーナ様が担当の者でございます。」
「ニーナと申します。早速ですがネコたちの所へ案内いたします。」
私を先頭に歩いていき、ネコたちのいる部屋へサハルトさまを案内する。
「わぁ、噂に聞いていましたがこんなにネコがいるんですね。」
「はい。これからネコを紹介していきますが、何か条件や好みなどはございますか?」
「そうですね‥。白いネコがいいです。条件は気性が荒くないほうが嬉しいです。」
「わかりました。数匹見繕って、ご紹介いたします。」
その後、サハルト様の条件にあった子を紹介すると、気に入った子がいたらしく特に悩むことなく決まった。
「ニーナさんのネコに対する思いと、それぞれのネコのことを正確に教えてくれるので決めやすかったです。」
「そんなことないですよ。サハルト様に気に入ってもらえる子がいて良かったです。」
「様はいらないですよ。そんなに年も離れているわけじゃないですし、ねっ?」
「では、サハルトさんで。こちらに必要事項を書いてもらうので確認と記入をお願いします。」
サハルトさんが記入している間に、里親の決まった子の準備を整える。必要になるであろう物やこの子のことをまとめたメモも一緒につける。
少し話をしたあと、サハルトさんとネコを見送りに再び玄関に戻る
「今日はありがとうございました。名前をつけて家族のように可愛がってあげてくださいね。」
「はい。あの、実はネコを飼うことが初めてで、分からないことだらけだと思うんです‥‥‥。」
「大丈夫ですよ。いつでも聞きにいらしてください。お待ちしておりますので。」
「良かった。では、ありがとうございました。」
サハルトさんとネコが見えなくなるまで立っているとルドアさんに声を掛けられた。
「お疲れ様でございます。良いご縁ができましたね。」
「はい。」
別れは悲しいけれど、あの子が元気で幸せに暮らしていけるように、とそう思った。




