3.嵐のような訪問者たち⑦
今回量が多いかもです。すみません(>_<)
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辺境伯爵という肩書を持ち、見た目麗しいとたくさんの御令嬢方を魅了している3つ年の離れた弟。そんな弟の屋敷に新しくメイドが入ったと風の噂で聞いた。嬉しい反面、心配な出来事…。
ちなみに心配なのは弟ではなく、そのメイドの方。愛しい旦那様に「弟に会ってくる」と伝えて出てきたのは、この為。
両親は今でも健在よ。目も当てられないくらい仲良しさんで、「余生を謳歌したい」なんて理由でジルを辺境伯爵にすると、2人でどこかに旅行しに行ったのよね。
「あら、ただいまルド。」
「お帰りなさいませ、メイお嬢様。そろそろ来る頃かと思っておりました。」
「ふふ。さぁルド、案内してちょうだい。」
「ジル様は執務室ですが…先に新しいメイドを紹介いたしましょう。」
「えぇ。ジルは後よ。」
ルドに案内されるなり、すぐ彼女を見つける。声を掛けようかと思った矢先に可愛い鼻歌が聴こえ、思わず笑ってしまった。
「ご無沙汰しております。メイ様。」
私に気がついたらしく挨拶をしてくれた。忘れられてなくて良かったわ。
彼女のことは小さい頃から知っていたし、何よりあの弟の想い人。見た目と肩書きに寄せられてくる、どこぞこ令嬢たちとは違いニーナちゃんは昔から知っているぶん、安心して弟に近づけられる。
ふふ。今日も可愛い。いつものように抱き着く。
抱き着くこと数十秒。ようやく私の来訪に気が付いたらしい弟がやってきた。
「どうせいつも通りの、こちらが胸焼けを起こしそうなほどの甘い視線をニーナちゃんに向けるんでしょう?」と思っていたのに、2人の醸し出す雰囲気は重い。
「さぁ、ジル。少し話しましょう?」
執務室へ案内され、席に着くとすぐさま問いただす。
「ジル?まさか、何かやらかしたの?」
「‥‥っ。それはどういう意味ですか‥‥。」
図星だったらしい。思い浮かぶ要因はいくつがあるが、一番可能性の高いものを言ってみる。
「ニーナちゃんに怒っちゃったの?」
「・・・」
多分当たりだ。気まずそうに目を逸らした弟の代わりにルドが「その通りだ」と言わんばかりに深く頷く。やっぱりねぇ。
「何が原因かは聞かないわ。でもね、仲直りは早めにしなさいね。」
「そんなこと分かっていますよ‥‥。」
不貞腐れながら言い返してくるが、今にも死にそうな顔をしている。ジルの自業自得ね。
弟の本当の顔というか素はこっち。他の人にならまだしも、彼女にまでその素の方を隠す必要はないと思う。素直になればいいのにとつくづく考える。
「私はなんとなくだけど、原因を察する。けれどニーナちゃんは違うと思う。きっとジルが何故怒ったのか分からずにいると思うわ。」
「‥はい。もう二度とあんな顔させたくはないです。」
「分かればよろしい。早く仲直り、しなさいよ?こういう時にこそライバルは現れやすいのよ」
ここまで言えば、多少なり焦りが出るであろう。まずは彼女に素直にななればいいのよ。
弟は深いため息をすると、とぼとぼとどこかへ行ってしまった。
「ルド。あの子ったらぐずぐずと‥‥何をしているのかしら。」
「ジル様なりに頑張っていらっしゃるのだと思いますよ。」
「むぅ。早く可愛い義妹が欲しいわ。」
「わたくしは早くジル様のお子にお会いしとうございます。」
「あら。あ、しばらくはここに滞在する予定なの。荷物頼んだわよ。」
「承知いたしました。」
お姉様ターンでした。
このタイプのお姉様好きですね




