表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
倉庫からひきづり出してみた(短編集)  作者: たのみこむこ
25/26

この愛の置きどころがどこか


今日も営業を200件ほどして帰ってきた。


最近は家具などもレンタルする人が増えてきたように思える。


持ち家の人ですらそうなのだから、借住まいの人は尚更引っ越しの手間が省ける。


まぁ、それは建前で、お金を持っていそうな家は高級家具を返却時に難癖つけて買い取らせたりもする。


そのマージンが結構ウマイ。



そういえば、上司にもうまく取り入らないと、もう27歳にもなるんだから、主任から脱却したい。


そういえば部長は茎ワカメが大好きだったハズだ。



僕は。



とびきりの逸品を手に入れて、部長のデスクへ向かった。


部長の頭にはネジ穴があって、手頃なプラスドライバーが無かった。


ちょうどいいマイナスのがあったので、ちょっと失礼して、開ける。


そこへ、おいしいおいしい茎ワカメを入れる。



あれ、なんかおかしいぞ?


あ、そうか。

全然違うじゃないか。


茎ワカメが好きなのは前の彼女だった。



僕はもう無くなってしまった茎ワカメの、逸品。


メーカーを忘れてしまった。


どんな色だったか、


どんな形だったか、


そもそも食べて味を確認したのか、


忘れてしまった。



なんだか、とても仕事をする気にならなくて、


家に帰って、


テレビをつけて、


落ち着かなくて、


ネットで履歴を追って、色んな茎ワカメのページが出てきて。


でも、もうあのメーカーのは生産してなくて。



似たようなのを仕方ないから探して、


注文して、


次の日届いて、


食べて、


僕は別にこれは好きじゃなかったな、と思った。


そして、苦しくなって、泣いた。



これを好きだった人を好きだったんだ。


仕事に逃げていた。


怖かった。


僕は茎ワカメが好きじゃなかったから。



だから、人は、


愛し合えるんだって、


その時は気づかなかった。





キライだよ、こんなもん。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ