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特殊スキル「美」を持つ令息は、道端の石になりたい。  作者: をち。
ウィル17歳

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36/40

ゼオライト6

「そこまで全部俺たちに言ってしまっていいのか?」


 様式美として聞いてみた俺に、ゼオは困った顔で苦笑い。


「良くはないが、今さら取り繕っても意味がないでしょう? なら、正直に言うことで私に絆されてくれないかと思って」


 確かに、最初の態度と比べれば雲泥の差だ。

 出会ったときの彼にとって、俺は「獲物」だった。

 だが、今は逆に彼のほうが俺の獲物、いや……飼い犬?

 こんな風に思っている時点で、俺は絆されかかっているのかもしれない。


 アイスはそんな俺の甘えを許さなかった。

 ゼオとの間にきっちりと線を引く。


「確かに取り繕っても意味がないね。だが……ウィルは絆されても私はそんなに甘くはありませんよ? ご自身に対する過大評価には、聞いているこちらの方が恥ずかしくなってしまう。ジルべリアの皆さんはみな自信家のようだ」


「アイス、言いすぎだ! 俺が規格外なだけで、ゼオだって()()()()()()()()()()()()整った容貌なんだって! でなきゃこの俺に色時掛が通用するだなんて()()()()()()()()はしないさ。 ()()()()()()()()()()()()()だろう? ゼオの知る世界ではゼオが一番だったんだよ。寛大な心で許してやってくれ」


「それなりに……勘違い……」


 ショックを受けたような表情でゼオが深く反省している。

 頭をガクリと前に倒し「は、はは……私は……そうだな、とんだ勘違い……」と繰り返しているから、きっと同じ間違いは侵さないに違いない。


 そんなゼオを見て、アイスとメルが口元を覆って震えだした。


「ふ、ふふ。そうだね、確かに。でなければ……っ、ふはっ! ()()()()()()()()()()()は、しないだろうからね。うん。私も寛容な心でゼオライトに接することにするよ」

「それなりに……ですか。ええ、ウィル様と比べれば誰であろうと()()()()ですよね。ゼオライト様も()()()()()()()()()()()()()()()()ことでしょうし。そうして差し上げてください」





「あの、そ、それ以上は……!」


 意を決したようにまた口を挟んで来たゼオの側近。

 測らずしも俺の顔を直視してしまう形となり、あんぐりと口を開けたままぼうっと俺の顔に魅入ってしまった。


 メルがスッとそいつの方に向かい、その目の前でパンと手を鳴らす。


「はい。正気に戻ってください。ウィル様を見てしまったら、すぐに目を逸らすようにしてくださいね」


 ハッと正気に戻った側近が、慌ててゼオの横にしゃがみ、そっとその背に触れた。


「……ゼオライト様、諦めましょう。さすがは女神様の愛し子。我々にどうにかできるような方ではございません」

「……は、はは……自意識過剰か……恥ずかしい勘違いか……。ふふふ。そんなことを言われたのは初めてだ……」


 ゼオはまだまだ反省し続けているようだ。


 俺の顔を見ないように微妙に視線をそらしながら、側近が初めて名乗った。


「アイスリード殿下、バークレー様、我が主人が大変失礼を致しました。おくらばせながら、どうか名乗ることをお許しください」

「うん。遅いね。だが許すよ」


 しれっと嫌味を言うアイス。

 こら。可哀そうな中間管理職をイジメるなよ。


「まあ、そう言ってやるな。話がすすまないじゃないか。いいよ、名乗って」


「は!」と側近が深々と腰を折った。


「私はジルベルト国、タガー公爵家が次男、ハインツ・タガーと申します。我々にバークレー様を害する意志はございません! どうかお許しください」




読んでくださいましてありがとうございます♡

少しでもいいねと思っていただけましたら、ぜひ☆をポチっと……|ω・)チラリ


作者のモチベーションが爆上がりして踊り狂います。



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