第32話 慈悲深さ
火の手が上がる中央聖堂へ向かう僕たち5人。聖誕祭の夜だけあってそこへ続く道にも人集りができていて、パニックが凄まじい。
「うわ……人が多すぎる」
「なんという試練だ!我々を中央聖堂に近づけまいとする、これは神の怒りだ!」
「そんな大げさに叫んでる場合かよマズルカ...ってうわ!?」
突然、地鳴りとともに大きく地面が揺れる。火柱が中央聖堂の周りにも出始め、広場は混乱を極めていた。
「な……なんだ!?」
「あ、あれを見ろ!」
マズルカが指差す先、中央聖堂の入口である巨大な門の上には巨大な炎が乗っていた。それはまるで、翼の生えた人間のようにも見え、暫く見ていると意思を持っているかのように飛び上がり、建物目掛けて火を放つ。
「こ、これは……」
「あの火の化け物をなんとかしないと、聖堂は天に召されるってか」
「でもどうやって……!?」
「そんなん知るかよ!今、武器を持ってるのはルナリアぐらいしかいない。だから俺らは近くにいた人たちを避難させるしかない」
ルナリアは気だるそうな表情でこちらを見る。彼女は基本的に行動する際杖を手放さない。シェナやアルフレッドから注意を幾度となく受けても平然と拒否していたらしい。
「僕だよりなのか...?冗談じゃない。ああいう実体があるのかないのかわからない奴を相手どるのは骨が折れる」
「そんなこと言ってる場合じゃないだろうルナリア!俺らが戦わない限り……」
ルナリアは深くため息をついた。確かにあれと戦うはきついけど……中央聖堂で何が起こったのか調べられないし人命救助もできない。まぁでも今間違いなくこの中で一番戦力になるのはルナリアだから彼女には戦ってもらわないとダメだ。
「私があれの注意を引きます」
シェナが僕らの前に出ながら言う。握られた拳に力が入っているのがわかる。覚悟がその顔色に映っていた。
「僕のスキルであいつを殺すなら、少々派手に使わないといけないからお前巻き込まれるよ?」
「それでもいいです」
「……お前僕を舐めてるみたいだな。一度や二度僕を倒したことで僕が弱い奴だと思ってんなら大間違いだから」
「そうは思っていません。それぐらいの覚悟で望まなければ対処できそうにないってだけですから」
火の手が徐々に広がっていく中、ルナリアとシェナの間に不穏な緊張感が漂う。
「とにかく行ってくれるのか?行かないのか?」
「……いいよ」
「よし頑張ってくれ!マズルカ、ちょっと色黒になるかもしれんが俺についてきてくれるな!?」
「も、もちろんです隊長!この燃え盛る火に囲われた試練に苦しむ皆を救いましょう!」
僕の役割は何も決まってないが....まぁシェナとルナリアを援護すればいいか。
「じゃあ、行ってきます!」
まず正門へ向けてシェナが飛び出した。そこらへんで拾った石ころを炎の化け物に向かって投げる。ストレートで炎に直撃する軌道であったにもかかわらず、石は炎をすり抜けてしまった。化け物はこちらの存在に気がついたようで、大きな唸り声のような音を発しながらシェナの近くへ飛んできた。その勢いは凄まじく、風圧だけで常人なら皮膚が爛れてしまいそう。
「さぁここからだぞルナリア」
「言われなくてもわかってる....だがレジクをぶつけてもしょうがない以上。攻撃方法は少々面倒くさい。準備も」
ルナリアの杖が光を放つ。化け物とシェナが丁度正門に背を向けて対峙している周囲を、地面から生成した土、石の壁が覆う。
「タイミングもね」
アース・ヴェスカルーンで壁の外側に階段を作り、上へと僕らは登った。グウェインとマズルカは中央聖堂へ向けて移動し始めたらしい。もうそこにはいなかった。壁内では炎の化け物が飛び上がろうとしたタイミングでシェナが目を光らせ思い切り蹴り上げる。実体が炎なのに今度は命中。化け物は怯み、身体が崩れかけるが直ぐに立ち直ってしまった。ルナリアの口角がさがる。
「チッ、まだだな」
化け物は自分をひるませたシェナが許せなくなったのか逃げるのを止め、目いっぱいエネルギーを溜め込むように膨張。そして周囲を吹き飛ばさんばかりの熱気を放ち始めた。やばい。普通なら壁の中のシェナは消し炭なのだが彼女のステータスは常人の域を超えているのだろう。原形をとどめており必死に耐えているのが見える。とはいえこのままではまずいので早急にルナリアの判断に委ねなければならないのだが……
「ルナリア....このままだとシェナが死ぬぞ!?早くなんとかやってくれ!」
「いや……今壁を倒してもあいつは消せない。お前がなんとかしろ」
「は!?じゃあ……!ボッカス・ポーカス!」
スキルを発動すると、突然壁の中の地面からシェナと化け物を取り囲むようにして20人の人影が現れた。みんな一様にオタクみたいな格好をさせられている。1人はメガネをつけ、1人はモニターを持ち、1人は白衣を着用し、1人はデスクを模倣する。一瞬、何が起こったのか理解できない光景だが、彼らがただの人間ではないことはすぐに分かった。なぜなら依然として放たれている熱気を全く意に介していない様子だったから。
「ご覧ください皆さん、三つ編みの女の子が絶え間ない熱気に耐えております!この光景、萌えますか?」
1人のオタクがマイクで周囲のオタクに語りかける。すると他の連中はそれに従って、何やらボードのようなものを取り出し、そこに書き込んでいた。しばらくすると再び別のオタクがマイクを持って叫んだ。
「萌えるか?萌えないか?判定をくだそうではないですか……それではどうぞ!」
オタクたちがボードを掲げる。そこには「萌え」「燃え」「萌燃」の3つの単語が書かれていた。しかし、その文字列は奇妙に歪んでおり、どれが正しいものなのか判別するのが難しい。中には全く関係のない言葉まで書かれているボードもあるようだ。
「.....萌える、萌えない、燃える!えーということで判定の結果このバルフレイムの熱気にさらされる少女は萌えないことがわかりました。消させて頂きます」
その言葉と同時に、オタクたちが次々と床に消え、バルフレイムとやらの熱気も消えた。当の本人はなぜ消えたのかわかっていない様子で未だに熱気を出そうとしている最中だ。
「なにこれ?」
「どうもこうもない。ルナリア今だ!」
ルナリアはアース・レジクでバルフレイムの背後に立っていた壁を倒した。奴は対処することなく、潰されていき、壁の下敷きになった後動くことはなかった。シェナは汗をかきながら息を切らせていたが、無事生きていたことに安堵した。
「なんとか……やりましたね……なんかよくわからないけど」
「あのキモイ連中は誰だったんだ?」
「さぁ……とにかく、僕らも中央聖堂へ」
ルナリアとシェナと共に正門から大きな火の手が上がっている中央聖堂へと足を踏み入れた。中に入ると、逃げ遅れた人がぽつぽつといる。せき込みながら外へ出ようとしている人。火に囲まれ立ち尽くして動けなくなっている人。グウェインやマズルカは煙を吸い込んで倒れた人の救助にあたっていた。
「大変だなこりゃ.....」
ルナリアが悪態を付く傍で、シェナはすかさずグウェインの元へ駆け寄って尋ねる。
「あの...ライゲル先生や子供達を見ませんでしたか?」
グウェインは煙で充血した目をこすりながら答えた。
「ここには居なかった。面談はたしか地下でやるって聞いてたから今から行くのは厳しいなぁ.....教祖様も一緒なんだ多分神官だったり異端審問官だったりが全力で救出してくるから大丈夫だと思うんだが……」
グウェインの声は少し震えていた。その様子をみて、シェナも不安になる。
「....私、地下に行ってきます」
「えぇ!?腕とかそんなパンパンに腫れた状態じゃ危険だ。すっかり火が回って瓦礫の下敷きになりかねない。自殺行為だ。ここは一旦聖光教団本部へ戻り、応援を呼ぶべきだ」
その言葉を聞き冷静になったシェナは、目の前の状況を改めて認識する。空間全体を包む炎の轟音と、焦げ付いた木と布の匂いが鼻腔を突く。辺りには焼け焦げた梁や天井の破片が散乱し、既に奥への通路は瓦礫で塞がれつつある。先程までそこにあったはずの日常は、一瞬にして崩れ去ったのだ。
「……分かりました」
シェナは目を伏せ、絞り出すように言った。そう、まだここに取り残されていると決まったわけではない。彼らの身の安全を考えればこそ、迂闊に動くわけにはいかない。
「周辺の避難誘導試練は果たせました。我々も戻りましょう、隊長」
「そうだな.....よしじゃあ」
入口近くのまだ助かりそうな人をなんとか救助し、僕らも中央聖堂を後にしようとした時、奥から鎖が一本、近くの柱へと伸びてきた。驚きの余りグウェインは腰を抜かしてしまう。
「こんな時になんだよ!」
「新手か?」
ルナリアは慌てることなく鎖が来た奥の方を見ていた。鎖が柱に巻き付いた直後、奥からそれに引っ張られるように人影が一つ、こちらへ飛んできた。直前まで火に飲まれていたせいか火だるまと化しており、地面に転がった後、煙を吐きながらの立ち回る。
「あ、熱い熱い熱い!!火を消してくれ!!!」
その人物は咳き込みながら叫ぶ。すぐさまマズルカとグウェインが火を消すために脱いでいた上着をかけて消火する。しかし、どうも彼の姿は奇妙だ。頭から足まで鎖を巻きつけている。中央聖堂の神官では無いことが明らか。
「変態か?お前……」
「あ.....いや違う!」
その人物が立ち上がると、増々奇妙さがました。腕二本と股間から鎖が垂れているのに加え、よくよく見れば中に服を着ていないことが分かる。ハッキリ言って、変態にしか見えない。男性は僕らの怪訝な表情に気がついたのだろう。弁解を始める。
「ちょ、誤解なんだ……襲撃者から身を守るために必要な格好なんだよ……い、一旦その目つきやめてもらえないかな」
彼の外見は確かに不審者そのものだが、何か事情があるのかもしれない。しかし、今の状況で信用するのは難しい。
「襲撃者って誰だ?そもそもあんたは誰なんだ?ここで何をしている?」
グウェインの問いかけに対して、男性は口ごもり、目線を泳がせる。明らかに動揺している様子だ。
「そ、それは……」
彼が答えようとした時、再び奥から大きな音が響いた。音の方へ振り返ると、彼が飛んできた奥の廊下から、大きな影が現れる。全身赤銅色の甲冑に身を包み、大きなランスを持つ一つ目の巨人のような存在が歩いてくる。サイクロプスというやつなんだろうか。
「あ、あれが襲撃者だ!」
男性が叫ぶ。その声に反応したのか、巨人はその眼をこちらに向け、ゆっくりと歩み寄ってくる。その迫力に、全員が息を呑む。
「話はあとだ!今はコイツを止めないと……!」
「わかったわかった。シェナ、ラック、この人を連れて外に出ろ。こいつは3人で止める」
「え?僕も出ちゃダメか?」
ルナリアはちらっとグウェインを見て睨む。
「君も行ったら俺たち二人じゃ足止めにもならんだろ。ここは大人しく従ってくれ」
「隊長!これほどない試練に支援など不要です!我々二人のみで任務遂行しましょう!」
「バカ言うなよ!気合いだけであの化け物倒せるなら一人で……」
「バカと言いましたね!?ならばこの私が一人で試練を乗り越えるべく力を示しますとも!」
マズルカはそう言ってゆっくりと近づいてくる巨人に向けて駆け出した。体の大きさはざっと僕らの4倍ほどか?聖堂の天井がこんなに高くなかったら歩けるのもままならないんじゃないだろうか。その見た目通りスピードは遅いが、体の大きさを活かした攻撃だけで脅威になり得る。
「おいマズルカ!待て!」
グウェインは止めたがマズルカの耳には届かなかったらしい。彼は躊躇なく、巨人に飛び掛かった。宙で体を回転させることでランスの突きはギリギリ回避したようだが、頭突きで強制的に地面に叩きつけられてしまう。砂埃が舞う。さらに一発蹴り飛ばされ、僕らの元へ戻ってきた。
「大丈夫か!?」
「こ、この程度.....あばらの骨が二三本折れたみたいなので多少痛みますが……」
「そりゃ重症だ」
ルナリアはその隣でアース・レジクを発動し拳ぐらいの石を二三個サイクロプス目掛けて放つ。奴は直撃してもびくともしない。
「硬いな」
見た目通りの硬さ。ルナリアは少し考えた後、僕らの前に壁を並べサイクロプスの進行を一時的に妨害する。それから僕の方を見て、小さく頷く。やれってことか。まぁそうだよね。僕ぐらいしか傷つけられるイメージないもんなぁ。
「よし、ボッカス・ポーカス!」
すると突然、目の前に立て看板が一つ出てきた。そこには手書きで「ハズレ」と書かれている。なるほど、こんなに分かりやすいハズレは初めてだ。
「ありゃ……これは困った」
巨人の咆哮が響き渡る。壁はランス一撃で崩れ、そのままサイクロプスは僕らのところへ突撃して来た。僕らは左右に跳んだり走ったりして避ける。このまま挟み撃ちとばかりにグウェインとシェナは左右から蹴りかかるが効いている様子はない。このままだとこっちがやられる一方だ。
「ボッカス・ポーカス!!」
再び同じスキルを唱える。今度はあたりにゲームとかでたまにあるノイズが出始めた。画面越しでみると綺麗なものだが、生で見ると脳の奥がゾワゾワして気持ち悪い。
「おいなんだ....火にあたりすぎて目がおかしくなっちまったのか?変なものが見えるんだが」
「私も見えています....なんなんですかこれ?」
ノイズ混じりの視野になったのは僕だけでなく、周りにいる人たち全員らしい。運が悪い……いやー。これはちょっと怖くなってきた。
「なにこれ……」
僕が呆然としていると、突如としてサイクロプスがこちらにランスで狙いを定め始める。
「……!危ない!!」
シェナの声でようやく自分が狙われてることに気づいた愚鈍な僕は、ただうずくまる。刹那、僕のすぐそばの地面にランスが突き立てられる。うへぇこんなの食らったらひとたまりもない。
しかしまぁ、なんで外したんだろうか....。ひょっとしてこいつの視界にもノイズが出てるんだろうか。
「今です!弱点は、あの目玉らへん!」
シェナが叫んだ。ルナリアのアース・レジクと鎖男の攻撃がそれぞれ目に向けて放たれた。当たってるのか当たってないのか、ノイズがちらついたせいでよく見えなかったが、直後、サイクロプスは大きく呻いて頭を抱え込む。
「おお!?」
マズルカが期待に満ちた声を上げる。それにしてもシェナはなんで奴の弱点を知ってたんだ?
「よし、今のうちにとっとといくぞ」
グウェインが真剣な声で僕らに言った。奴がもだえ苦しむ今こそ外に出るチャンスだ。鎖男を筆頭に、みんな逃げ始めている。僕も逃げようと立ち上がった途端、シェナが奥をみて立ち止まっていることに気が付いた。その様子に違和感を感じ、僕は駆け寄った。
「どうしたんですか?」
彼女の視線の先、ゆらりゆらめく一つの炎。それはただの火ではなかった。煌びやかな衣装を身にまとい、男性的なシルエットを持つ幻影のような炎。
「ライゲル……先生」
小さな声で彼女はつぶやく。その目には涙が浮かんでいるように見えた。グウェインもその様子に気づき、声をかけようとした。
「ライゲル?そこにライゲルがいるのか?」
しかし彼女の耳にはその声は届かない。彼女の意識は完全にその炎へと向けられている。彼の姿は以前のような弱弱しいものではなく、自信と威厳に満ち溢れた印象を与えた。いや、それだけじゃない。彼の目には怒りの炎が灯っているように感じた。シェナが一歩、彼の元へ歩みだす。
「....ダメだ!」
僕は咄嗟に彼女の肩を掴む。しかし、彼女はその手を払い除け、炎の方へさらに進もうとする。僕は必死に彼女を引き留めようとするが、彼女の意志は固く、グウェインが手助けしてくれてようやくトントンぐらいだ。
「先生!まさか先生がここを燃やしたんじゃないですよね!?」
シェナはそう問いかけた。彼女の瞳には信じたくないという思いと、確信が入り混じっていた。しかし、ライゲルらしき男は答えない。代わりに彼はゆっくりと手を伸ばした。その仕草に、グウェインが警戒心を高める。
「何をする気だ....?」
突如として、火球が一発、遠くへ向けて放たれる。火球は一直線に空を切り裂き、外でこちらに背を向けて走っていた鎖男に吸いついた。
「ああああああああああああああ!!」
その瞬間、彼の姿は火の中に溶けていった。火球が飛んだ方向を見つめながら、シェナは立ち尽くす。その目に宿るものは、混乱と悲しみ、そして失望。
「先生……やっぱり……」
シェナがそう呟いた瞬間、突然彼女は崩れ落ちるように倒れ込んだ。慌ててグウェインと二人で支える。ショックが大きすぎて気絶してしまったらしい。シェナを抱えながら、僕とグウェインは再度逃げることにした。だが背後にはサイクロプスが立ちふさがっていた。
「おいおい……まだやる気かよ!?」
絶望的な状況。一番の戦力であるシェナを支えながら戦うなんて、常識的に考えて無理だ。せめてボッカス・ポーカスを使って時間稼ぎをしたいところだけど、そんな隙なんてないだろう。
「まずいなぁ....」
奴はランスを構え、僕らに狙いを定めゆっくり引いていく。恐怖と焦燥感が心の中で高まっていく。入り口付近でルナリアとマズルカがこちらの様子を伺っているのが見える。しかしこちらに来る様子はない。まぁしょうがないか、ライゲルもサイクロプスも、今の彼女らではどうしようもない。このままではランスの餌食になってしまう。
「待ちなさい」
ライゲルの声が響くと、サイクロプスの動きがピタッと止まる。構えを解き、一つ目でもわかる不満げな表情でライゲルの方をみた。そしてゆっくりと頭を下げた。ライゲルは優雅にその横を通り過ぎると、僕らに笑顔を向ける。
「どうぞお行きなさい。グウェインさん。シェナをよろしくお願いします」
その笑顔にはどこか恐ろしさが潜んでいた。僕らはその様子に警戒しつつも、慎重にサイクロプスの横を通り過ぎていく。僕も続いてシェナを抱えて進む。
「……ご丁寧にどうも、ありがとうございます」
礼を述べたが、ライゲルからの返事はなかった。出口で待っていたルナリアとマズルカと共に、中央聖堂を後にする。異世界にきて、あそこまで慈悲を持った人間を見たのは初めてだと感じるほどに彼からは優しさを感じた。だからこそ、なぜこのようなことをしたのか僕にはわからない。一体何があったんだろうか。どうしてあの優しかったライゲル先生があんな過激な行為に走ったのか。僕は大きな煙を上げ燃え盛る中央聖堂を見ながら、不安を抱えるのだった。




