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銀髪碧眼の美少女暗殺者から「拒否したら心中する」と激重求婚されたので、ひとまず結婚を確定で同棲することになりました。  作者: 虎柄トラ


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第61話 従妹との再会

 倉持瑞希(くらもちみずき)、今年で十六歳になる父方の従妹。博希が十四歳の時に、彼女の両親に引き取られたことで一年間だけ一緒に暮らしていた。一人っ子ということもあり瑞希は、すぐに博希のことを本当の兄のように接し始める。博希もまた本当の妹のように可愛がるようになる。近所でも有名な仲睦まじい兄妹と認識されるほど、どこに行くにも常に一緒だった。


 博希が十五歳になると、彼女の両親が豹変する。中学校卒業と同時に博希は、いきなり家から追い出されてしまう。博希が手紙を書こうとも彼女には届かず、会いに行こうとしても瑞希の両親がそれを許さなかった。


 書置きもなく急に音信不通となった博希に一時は憎悪した瑞希だったが、それ以上に彼女は兄として慕っていた。それからこの十年間、瑞希はただひたすらに博希のことを想って生きていた。学生寮のある高校に進学するという大義名分を掲げて、実家から飛び出し博希を探し回っていた。


 そしてある時、SNSで“博希らしき人物”が目に留まる。


 十年という月日が経っていても、その出で立ちや雰囲気から何かを悟った瑞希は行動に出る。隣にいた少女が同年代だと気づいた彼女はまず、来宮未来が主催する試着会のモデルとして参加することを決意する。そこならあの少女のために、面倒見の良い博希(兄)なら必ず来ると確信していたからだ。


 モデルにならずとも試着会の付近で待ち伏せするだけでも目的は完遂できる。が、そこはお年頃な乙女ということで、諸々と費用がかさむためお小遣い稼ぎも兼ねている。

 未来とは旧知の仲ということもあり、その伝手を使い当日参加にもかかわらず、見事にモデルの座を射止める。


 ランウェイを歩いていると見上げる一人の男性と目が合った。


 あの頃に比べて別人のように大人びた顔立ちで背も随分と伸びている。でもあの優しい目だけは昔のまま何一つ変わっていない。今すぐにでもステージから飛び降りて、全身で兄を感じたいところだが、その燃え盛る想いをぐっと抑えてモデルに徹する。


 耐えに耐えてやっと仕事が終わる。念願の兄を肉眼で捉えている、もう数メートルで味わえる。そう思った時、十年もの兄不在な空白期間により、甘え方が分からなくなっていた。ステージ上では高揚感もあって、いけると思っていたが平時だと難しかった。


 唯一、できたこと、それが名前を呼ぶことだった。そこからの記憶はあまりない。気がついたら兄の腕の中にいた。やっといつもの場所に戻ってきた。もう離れない、死ぬまで一緒、ずっと永遠に。


 愛の深さなら真白と同格なお兄ちゃんっ子(ブラコン)、それが倉持瑞希である。




 十年という歳月により瑞希が途轍もない進化を遂げていることを知らない博希は、再会を喜びつつ彼女のことを仲間に紹介していく。ひと通り挨拶を済ませたところで今度は、真白のことを瑞希に教える。それが事件の発端となる。


 瑞希にとって、博希の“妹”は彼女ひとりのみであり例外は存在しない。たとえそれが遠縁だろうが関係ない、決して存在してはいけないのだ。実際は遠縁どころか赤の他人なわけだが、彼女はそのことを知らない。従妹同士仲良くやる気なんて端から無い。真に博希の妹として相応しいのは、どちらかシロクロつける。


 決戦の火蓋は切られた――。


「――ということで、はじまりました! 博希の心と胃袋を射止めるのは誰だ! ドキドキワクワク料理対決ぅ!! 司会は私、刺賀実弥が務めさせていただきます。実況には刺賀辰爾、解説は倉持博希でお送りします」


 ローテンションから繰り出される毒舌が売りのはずの実弥さんが、小指を立ててマイクを握りテンションMAXに咆哮を上げている。暴走する実姉に冷たい視線を送る辰爾と、状況を飲み込めず頭を抱える博希。二人の席前には、それぞれ実況、解説と手書きのプレートが置かれている。


 正面奥には、それぞれ勝負服を身に纏った参加者が、開戦の時を今か今かと待ちわびている。


「どうしてこうなった……?」


 博希は事の発端を回想する。


 はじまりは夕食の誘いからだった。


 試着会も無事終わったことで、未来から謝礼も兼ねて夕飯を奢ってくれることになった。


 その流れで各々何が食べたいのかと話になり、そこで実弥が『真白ちゃんの料理が食べたい』とぽろっと言ってしまう。水と油な姉弟なのに、この時ばかりは辰爾も『あたしも食べたい』と賛同してきた。二人に言った記憶がない博希だったが、実は無意識のうちに自慢していたのだ。気の置けない仲だからこその油断だった。


 博希が絶賛するほどの料理、しかもこんな美少女の手料理ともなれば、可愛い女の子が大好きな未来が飛びつかないわけがない。先の話を撤回し材料費全額負担するから、料理をしてほしいと懇願し出した。最初は困惑していた真白だったが、三人の説得により料理を作ることを承諾する。あれこれと無料券やらをドカのせされたのも大きい。


 そんな話を聞かされて瑞希が黙っているはずがない。自分も料理をすると言い出したのだ。そこからは、あれよあれよと話が飛躍していく。わずか一時間足らずで、食材の買い込み、会場も決まりルールも制定された。

最後まで読んでくれてありがとうございます。


面白いな続きが気になるなと思っていただけましたら、是非ともブックマーク、評価、いいねの方よろしくお願いします。作者の励みになります。

特に★★★★★とかついた日には作者のやる気が天元突破します。


他にも色々と書いておりますので、もしよろしければそちらも一読していただけますと幸いです。

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