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銀髪碧眼の美少女暗殺者から「拒否したら心中する」と激重求婚されたので、ひとまず結婚を確定で同棲することになりました。  作者: 虎柄トラ


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第05話 暗殺者は未成年

「私、今日誕生日だったんです」

「おめでとう……」

「ありがとうございます。私十六歳になったんです」


 話の脈絡がまったく掴めない。ただ必死に何かを伝えようとしていることだけは分かる。

 再会を切望していたのか理由を訊ねようと博希が口を開く。が、それを遮るように真白は喋り出した。


「えっとそれで――」

「これでやっと結婚できますね、博希」

「…………うん? 結婚? 誰と誰が?」

「私と博希に決まってるじゃないですか」


 青天の霹靂とはまさにこのこと。


 倉持博希、彼女いない歴イコール年齢の彼は、九歳年下の暗殺者から求婚された。

 ひとまず真白から詳しく話を聞く必要がありそうだ。未成年だし倫理的にも色々と危うい。


「急展開すぎて理解できない。説明を願う」

「話してもいいけど、その前に博希の家行っていい?」

「なんでそうなる……一応確認。もし嫌だと言ったら?」

「その時は私があなたを運んで、私たちの愛の巣(博希ん家)へ連れて行く」

「ふむ……どっちを選んでも、結局俺ん家には来るんだな」

「つまりはそういうこと」

「そっかー、わかった」


 博希は降りしきる雪のなか年下求婚者と帰路に就いた。


 終始恋人のように腕を組みながらの帰りはなかなかクルものがあった。ただ拒んだら何をされるか分からない以上、黙って従うほか選択肢はなかった。人畜無害な雰囲気を醸し出しているけど、彼女が暗殺者であることには変わりがない。

 彼女の真意がどうであれ、結婚する流れに至った理由を知らなければならない。そのためなら未成年を部屋に連れ込むのも止む無し。


 五階建てマンションの五階角部屋。博希が大学に進学する際に借りた部屋で、かれこれもう六年近く住んでいる。周辺の相場に比べて三割、四割ほど安い。ただその代わり、エレベーターやオートロックなどはない。

 また上に行けば行くほど家賃も安く設定されている。五階の角部屋で南向き10畳1K風呂トイレ別。WiFiも無料で使い放題でなんと家賃は破格の四万円。絶対に何か裏がありそうなのだが、知ったら終わりな気がして、いまだに大家に訊けずにいる。

 あと配達員から超絶嫌われていることでも有名なマンションである。


 異性を部屋に入れたのはこれが記念すべき初回だったりするのだが、博希の胸中はそれどころではかった。別人かってぐらいに性格が一変した彼女と、どう接するべきか悩んでいた。腕組帰宅中に方向性はある程度決めはしていたが、いざ自宅にたどり着くとその決意がかすかに揺らぐ。


「どうぞ……適当に座ってくれ」

「お邪魔します……ごほん、ただいま!」

「あ~なるほど、そういう感じね?」


 施錠し靴を脱ごうと足元を見やると真白のスニーカーが揃っていた。子供が玄関で脱ぎ捨てるような動作で部屋に入ったはずなのに、キッチリ踵を揃えて右端に置かれていた。


 漫画やゲームに出てくる能力者と対峙した一般人ってこんな気持ちなんかな。


 そんな小並感を抱いたあたりで、博希は真白との接し方についての方向性を確定する。

 いつもどおり普段どおりの倉持博希の姿を見せればいい。それで結婚相手として相応しいか判断してもらおう。どうせ生殺与奪の権利は、あちらにあるんだしその方がこっちも気が楽ってもんだ。


 居間に向かう真白を横目に博希は、玄関横の棚に鞄や鍵を置いていく。所持品を所定の位置に戻し終えて居間に入ると、行儀よく真白が正座していた。ただ首から上だけは、フクロウのように縦横無尽に動いている。


 これから暮らすことになる部屋ということもあってか、興味津々なご様子だ。そんな真白に対して博希は常勝の軍師のように冷静沈着。

 それもそのはずちょうど昨日掃除したところだった。めずらしく翌日を迎えるよりも先に帰宅できた。普段なら、その貴重な時間をスマホに費やしているのだが、その日に限ってはなぜか無性に掃除がしたくなった。謎の使命感に突き動かされて隅々まで念入りに掃除した。その確固たる自信があったから博希は、臆すことなく真白を部屋に上げることができた。


 大事な物を隠す必要もなかった。


 なぜなら博希は現物派ではなくて電子派だからである。

最後まで読んでくれてありがとうございます。


面白いな続きが気になるなと思っていただけましたら、是非ともブックマーク、評価、いいねの方よろしくお願いします。作者の励みになります。

特に★★★★★とかついた日には作者のやる気が天元突破します。


他にも色々と書いておりますので、もしよろしければそちらも一読していただけますと幸いです。

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