↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
銀髪碧眼の美少女暗殺者から「拒否したら心中する」と激重求婚されたので、ひとまず結婚を確定で同棲することになりました。  作者: 虎柄トラ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
45/73

第45話 天国への車輪

 夕飯もウェアハウスランド(ここ)で済ませようということになり、博希は先導する辰爾のあとについて行っていた。右隣では真白がぶんぶん腕を振り回している。連動して左手が自分の意志とは関係なく動いている。

 さらにその右隣では実弥さんが困惑した様子で腕を動かしている。正確には腕を動かされているといったところか。


 よほど楽しかったらしく、真白はそれだけには止まらずステップまで踏んでいる。


 同棲することになり買い出しにいった日のことを思い出す。あの時は父と娘って感じだったけど、今度は両親とその子供のように感じる。そうなると、実弥さんが奥さんということになるのだが、何とも複雑な心境だ。そうなると辰爾は義弟となるのか。考えるだけで気分が悪くなってきた。


 そのことは実弥さんも勘付いているようで、俺の顔を見るなり鋭い眼光を向けてきた。言葉にしたら《《命はないぞ》》と言わんばかりの威圧。


 博希はゆっくりと目蓋を閉じて首を縦に振る。


 そんなことなど露知らず、と熱狂冷めやらぬ真白は玩具をねだる子供のように顔を見上げながら問いかけてきた。


「ああ面白かった! 次は私もやっていい?」

「……いいけど、服はどうするんだ。辰爾んとこで揃えるか?」

「それなら大丈夫。あの程度の腕で当たるとかないから」

「俺も当たるとは思ってないけど、万が一ってのがあるだろ? フレンドリーファイアの可能性もあるんだしさ」

「それでも当たんないとは思うけど、仕方ないな。心配性な博希のために、一応それ用の服を買っとこうかな」

「ああそうしてくれ、つうことで辰爾また頼むわ!」


 了承した合図として辰爾は背中越しにサムズアップしてみせた。仲良し家族状態になってから沈黙を貫いていた実弥さんだったが、この時ばかりは「チッ……」とまた投げキッスの練習を行っていた。




 ◇◇◇◇◇◇




 夕飯を終えた一同は本日の締めとして、観覧車に乗るため少し静けさを取り戻したパーク内を歩いていた。観覧車があるのはゲートとは真逆の場所、強いていえば死屍累々と化していたドゥームコースター周辺に設置されている。


 室内の暖房と温かな食事で火照った体を夜風をきって歩くのが何とも心地がいい。気の置けないやつらと一緒だからというのもあるかもしれないが、たまにはこうやって朝から晩まで遊び倒すのも悪くはない。が、調子にのって食べ過ぎた。昼食にほとんで手をつけなかったから空腹だったというのもあるけど、真白と辰爾の食欲に感化されたのが一番の要因かもしれん。


(この間に少しでも消化してくれればいいのだが……)


 そうこうしていると、暗がりのなかで煌々と照らされた観覧車が見えてきた。このエリアに来ようとしたら必然的に視界に入ってしまう。にもかかわらず、真白はこのアトラクションに一切の興味を持たず、最後の最後まで乗ろうとはしなかった。

 今回もきっと刺賀姉弟(二人)が乗りたがっているから、仕方なくついて来ているものだとばかり思っていた。が、どうやらそれは勘違いだったようだ。


 真白は口をポカーンを開けて、まん丸い目でゆるりゆるりと回る観覧車を見つめている。まばたきをするのも忘れるほど、その碧眼は【ヘブンズホイール】に釘付けとなっていた。


 大好物は一番最初に食べる。だから、遊戯でもまず気になったものから遊ぶ、と勝手にそう思い込んでいた。が、遊園地に限っていえばその逆、気になったものは最後までとっておく派らしい。


 直径三百メートルの巨大な観覧車。その巨大さからゴンドラが一周するのに一時間を要し、乗車前にはスタッフから『おトイレはお済でしょうか?』と質問される。景色を堪能するのに最適、夜景ともなると別格だろう。

 観覧車自体が人気というのもあるが、それ以上に人気を博しているのが、担当スタッフのお姉さんだ。お姉さんに質問をされたいがために、観覧車をリピートするゲストまでもが現れる始末だ。


(参ったな……)


 高所恐怖症ではないのに見ているだけで自然と足が震えてくる。高さうんぬんではなくて、あの前後に揺れ動くゴンドラに戦慄を覚える。博希の目にはロマンチックではなくホラーとして映っていた。


「……どういう組み合わせで乗る? あれなら四人までいけるらしいし、全員一緒に乗るか?」


 人数が多いほうが怖さは減少する。乗らないという選択肢は存在しないのなら、紛らわせる方法を見出すほかない。一時間という途方もない時間をあの閉鎖空間の中で過ごすことになるんだから、これぐらいの我儘は許されるのではないか。


 謎理論を脳内で繰り広げていると、それらの無に帰す冷徹な言葉が辰爾の口から放たれる。

最後まで読んでくれてありがとうございます。


面白いな続きが気になるなと思っていただけましたら、是非ともブックマーク、評価、いいねの方よろしくお願いします。作者の励みになります。

特に★★★★★とかついた日には作者のやる気が天元突破します。


他にも色々と書いておりますので、もしよろしければそちらも一読していただけますと幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。