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銀髪碧眼の美少女暗殺者から「拒否したら心中する」と激重求婚されたので、ひとまず結婚を確定で同棲することになりました。  作者: 虎柄トラ


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第41話 元旦イベント

 ウェアハウスランドに入場するやいなや、真白は実弥さんに手を引かれながら奥地へと消えていった。ゲートを抜けて十秒も経たずに、男二人と女二人という組み合わせで行動することになった。


 アトラクションを遊ぶどころか、パーク内をうろつくこともなく真白と別れる。思っていた感じではないけど、彼女が楽しそうにしているのなら何よりです。ただなぜだろう、右手が少しだけ寂しいや……。


 何もしていないはずなのにどっと疲れた。


(男同士でテーマパークに洒落込む。辰爾と遊ぶのも久々だし、悪い気はしない。だがしかし、今回に限っていえば違くないか……?)


 ゲート近くのベンチに腰を下ろすと、何も言わず辰爾も座ってきた。肩が触れ合うほど真隣なのが妙に気になる。思い返してみると、昔から距離感はこんな感じだったかもしれない。ただそれでもここ最近というか真白を紹介してから、その距離感が前まで以上に近くなったような、気のせいか。


 手が塞がれていたため仕方がないこととはいえど、野郎に内ポケットに手を突っ込まれてまさぐられる。もう二度とあの体験だけはご遠慮願いたい。香水だがなんだか知らないけど、辰爾からふわりといい香りがしたのが余計に腹立たしい。だけど、そんな些細なことよりも聞かなければならないことがある。


「博希と来るのはいつぶり? あたしが……あれ一緒に来た記憶なくね!?」

「ああ一度もねぇよ、思い出してみろよ? あの会社で働いていてそんな余裕が一ミリでもあると思うか?」

「そういやそうだったな……うん? なら今日は何で一緒にいるんだ?」

「記憶喪失かよ!? 真っ黒から真っ白に変わったって、前に説明しただろ? って、そんな話はどうでもいいんだよ。それよりもだな、この年パス通常のやつじゃねぇだろ? あんな離れにゲートがあるのも知らなかったぞ……なんかスタッフの対応も仰々しかったし、この年パスはなんだ?」


 博希は年パスをちらつかせて辰爾に問い詰める。


「一般用とお得意様用の二種類あんのは知ってるよな? で、こっちはそのお得意様ってやつ。ああどうやって手に入れたとか聞くなよ?」

「……これが噂のVIPってやつか……年パス利用者のうちで全体の三パーセントしか持っていないといわれる……あの伝説の!?」

「まあそういうことだから、あんまり見せびらかさない方がいいぞ。まあ盗られたところで、すぐに手元には返ってくるけど、面倒ごとに巻き込まれたくないだろ?」

「だな……」


 その貴重性を知った博希は、左右に目を配りながら内ポケットに仕舞い込む。一度でも警戒心を抱いてしまうと、行き交う人たちが全員怪しく見えてくる。

 こちらを見ては口元を押さえて、ひそひそ話をする女性の姿が特に怪しく映る。


「……おまえとこうやって、だべるのも嫌いじゃねぇけどよ、せっかく来たんだしなんか乗らねぇ?」

「そうだな……って分かったから、いちいち耳元で囁くな!」

「ああわりぃわりぃ。じゃ行こうぜ、博希!」


 辰爾は立ち上がると博希に向かって手を差し伸べる。


『キャアァァァッ!』


 前方から叫び声が聞こえた。その声の主は、ひそひそ話をしていた女性陣だった。ゲート周辺には、絶叫マシンの類もないし、驚く要素など皆無に等しい。


「……よく分からん……っと、ありがとうな」


 辰爾の手を取り起きるとまた例の叫び声があがる。相当怖い目にあったらしく、彼女たちの目には涙が溜まっている。周囲を見回して確認してみるが、特に恐怖演出らしいものは見当たらない。


 謎の現象に首をひねりつつ真白たちが消えたエリアに向かって移動を開始する。


「なあ辰爾、なんかイベントやってんのかな?」

「はあイベントか? そら正月なんだし、何かしらはやってんじゃねぇか? どうした突然、なんか気になることでもあったか?」

「いやさ、あの人たちが絶叫してたから何かあるのかと思ってさ」

「……そうかそうか、博希はまだバカ姉に汚染されてないんだな。良かったよマジで」

「…………なんでそこで実弥さんが出てくんだよ?」

「気にすんな、うなことより急ごうぜ!」


 そう言うと辰爾は俺の腕を掴み走り出した。足がもつれてこけそうになり睨みつけるが、辰爾は我関せずとばかりに無視して速度を上げる。風に揺れる鯉のぼりがごとく、悪友になされるがまま足を動かす。

 その際、また件の叫び声が聞こえたが、今度は合唱のように幾重にも重なっていた。いったいどんなイベントが行われているのか気になって仕方がないが、最後まで確認することなく走り抜けた。

 この走らされている状態で振り向こうものなら確実に転ぶ。そんな醜態を辰爾に見せるわけにはいかん。絶対にあとでそれをネタにして飲み明かすのが目に見えているからだ。

最後まで読んでくれてありがとうございます。


面白いな続きが気になるなと思っていただけましたら、是非ともブックマーク、評価、いいねの方よろしくお願いします。作者の励みになります。

特に★★★★★とかついた日には作者のやる気が天元突破します。


他にも色々と書いておりますので、もしよろしければそちらも一読していただけますと幸いです。

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