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4/9 面会

4/9


 10日間も会っていないと、母が居ない生活が当たり前になってくる。

 それでも、これはいるかな、これは使えるかな、これなら食べられるかな、と考えている。

 最後に家に帰ってきたいと言ったらどうしようか、とも。少なくともベッド生活を受け入れてくれなければ無理だし、24時間看護が必要になるから、仕事を休む+訪問系サービスを入れられるだけ入れなければ無理だし、やはり病院が良いんじゃないのかと説得するか? などと考えながら庭の芝の草を抜く日々を送っている。


 夕方、主治医との面談。施設に移送の話の前に「もう意識もほとんどない状態です」。「先週までは看護士相手に陽気に話すタイプのせん妄だったけれど、今週入ってから急激に反応が無くなってきた」。「食事も取れなくなって」「この状態だと、もう何日ももたないかな」。なので移送はナシで、このまま病院で面倒を見ていただくこととなった。私も面会もしていいですよと。

「声を掛ければ目は開くけれど、会話は出来ない状態です」「もうせん妄とかも覚えてないと思いますよ」


 というので、そのまま面会へ。主治医の声掛けに目を開けたけれど、主治医を認識しているのかもわからない。私が横から声を掛けても目線が来ない。補聴器を付けていないので聞こえていないのかもしれないが。両足には包帯を巻いてもらっていた。浮腫み防止なのか、リンパの漏れが酷くなったのか。


 とりあえず慎重に声を掛け続けたが、暴れる様な事はなかった(先生曰く『娘さんだと認識して暴れるくらいのほうがいい』)。こんな状態だとは知らないから、一応差し入れや着替えなどを持ってきたが、食べられる状態でもなさそうだ。

 汚れ物を受け取り、新しい肌着とタオル類を差し入れ、不要なものを持ち帰る準備をしているとウゴウゴ動いてはいたが、目線は合わないし、会話は出来そうになかった。


 酸素吸入もしていたが、そのマスクが嫌らしく、しきりに外そうとする。

「これをしていた方が楽だよ」と声を掛けると顔をしかめる。「マスクが顔に当たるのが嫌?」と聞くとかすかにうなずく。手を握っても握り返してはこない。

 浮腫みが酷く、腕もタポタポ。ちょっと見せてもらったおなかもタポタポ。


 3/30の入院は、本人に意思がある中でのギリギリの入院だったようだ。本人的にも、兄にも会え、不穏ながらもまだまだいろいろ認識できる状態で、家族の時間を過ごせた。

 あの後、もし殺人肯定がなかったとしても、もう家での介護は無理だっただろう。その時にすんなり入院してくれたかどうか。せん妄が酷くなっていたら、病院を病院と認識できたかも怪しくなる。

 やはりあれは完璧なタイミングでの入院だったと言わざるを得ない。そして、穏便に入院していたら、私は毎日面会に行かなければいけなかったから、忙しい毎日になっていただろう。それは全く構わないが、今は面会を2~3日に一回にしていたおかげでのんびりと過ごせたし、私の心も落ち着くことが出来た。


 来週の土曜日にずっとお世話になっていた循環器内科の予約があるから、そこまでなんとか・・・と思っていたが、残念ながら無理そうだ。


 とりあえず明日も母の面会に行く。嫌がられても今更しらないww


 何度か耳元で問いかけをした。面会に来たよ。来てほしくなかった? 帰ったほうが良い?


 明確に「帰ったほうが良い?」には首を横に振った。

「まだいていい?」

 頷く。

「また明日も来ても良い?」

 頷く。

 

 反応がないわけではないようだ。だが口は開くが、声は小さくて聞こえない。こんなになる前に教えてくれよと心から思う。荷物を持って行った時にも一応どうですか、と聞いているし、差し入れに食べ物なども(許可を取りながら)持って行っているのに、こんな状態だとは言われていなかった。


 そして今日、帰る時にまた明日来るよ」と耳元で言ったら、それまで何事か、フガフガ言っていたのに(多分一度、うるさい、とも言われたw)、明確にうなずいてうん、と答えたので、何となくはわかったのだろう。


 とうとう、秒読み段階に入ってきた。


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