本当にあったギャラクシーな話2 ペット禁止物件
本当にあったギャラクシーな話2 ペット禁止物件
「ここはペット禁止なんだから、あんまり猫の姿でうろちょろしないでよ。」
最初はこんな注意から始まった。
「えぇ、そんなー。ミィの事飼うって言ったじゃんかー」
冷蔵庫から牛乳のパックを取り出しながら事実をねじ曲げるようなことを言う。
「そんな事、いつ言ったのよ。あんた、勝手に住み着いただけじゃない」
そうなのだ。メリルとアランの一件以、ミィは来毎日帰ってきてはタダ飯を食らい、隣の部屋でぐーすか眠っているのだ。
「そ~やってすぐにペットを捨てるのよくない」
返すのミィの音量が一つ上がった。
「だから!飼った覚えはないのよ!」
美月のボリュームもミィに合わせて上がる。
「もーいいよ」
そう捨て台詞と着ていた服を残してミィは猫の姿になってトテトテと玄関から出ていってしまった。
(うーん、買い物にでも行くか。晩ご飯どうしよう?」
ミィが出て行ったキッチンで、美月はそんな事を考えつつでかける仕度をする。
今日は駅前のスーパーまでくりだすかー。駅前とは徒歩40分でお馴染みの駅前である。
家への帰り道、マンションの下でご近所のおばさんと立ち話をするお隣のおばさんにあったのでご挨拶をしたのだが、なぜだろう。ちょっと余所余所しい雰囲気に戸惑う。
会釈してその場を立ち去ろうとしたのだが、ひそひそと話すおばさんたちの会話の中に「全裸」という単語が聞こえた気がして更に戸惑う。
どうにも恥ずかしくなってしまい逃げるようにしてその場を立ち去りながら考える。
「なにか素っ裸を晒すようなコトしたっけ?着替えるときはもちろんカーテン閉めているし、酔っぱらって記憶をなくすような事態もなかったよね」全くもって心当たりがない。それでも確実に、お隣さんのほうには心当たりがあったとしか思えない。
考え込みながら歩いていると、不意に知った声に呼び止められた。気が付くと、もうマンションのエントランスの前だった。
「あ、美月。帰ってきたね、行き違いにならなくてよかったよ。ずいぶん待ってたんだぞ」
よく知った声の主、ミィがエントランスから駆け寄ってきた。全裸で。
「もー。家に入れなくてドアの前で体育座りなんて子供かっての」
けらけらとミィが笑う。もちろん全裸で。
「えーと、今何ておっしゃいました??その格好でずっと??」
「そーだよ、だってこの建物はペット禁止って言ってたじゃん」
あー、そう来たか。
美月は額を抑えた。我慢の限界は近いようだ。
「ミィはいい子で待ってたよ」
この一言が美月の忍耐にとどめを刺した。
「全裸はもっと禁止なの!」
なんで後先考えずに猫の姿で飛び出すの?なんで服持ってこないの?なんで?なんで。。。
ミィへの愚痴が頭の中をぐるぐるとまわる。
ミィの耳を引っ張って、無言で逃げ帰るように自分の部屋へ飛び込む。
もちろん、このあと常識と羞恥心についての説教をたっぷりとして差し上げたのは言うまでも無い。
毎度馬鹿馬鹿しい小咄を一席。。。
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