ベトナム人女性にあなたはニートだよと言った結果(笑)
ある日のこと。ベトナム人女性のトゥイが「いろいろやることあって忙しい」と言ってきたので、日本人男性の私はすかさずツッコミを入れた。
「トゥイはニートなのに、そんなに忙しいの?」
「ニート? 意味は何?」
「ニート=無職で働かない人ってこと」
「えー!」
トゥイは自分が分からない日本語があると、よく意味を聞いてくる。私も聞かれたら正直に答えることにしている。
当時のトゥイは日本で言うところのニート状態だった。家事手伝いと言ったほうが正しいかも。
「ニートなのに忙しいの?」
「ニートでも、やることいっぱいあって忙しいよ!」
どうやら、ニートでも忙しいらしい。私は面白半分で、忙しいニートのトゥイのためにニート風の画像をわざわざ検索して送ってやった。
トゥイはニートと呼ばれるのが随分と嫌だったようだ。まあ、さすがに私もニートと連呼されたらちょっと嫌だ。
けれども、私のツッコミ精神が騒いでしまったのだから仕方がない。私とトゥイはニート戦争ならぬ不毛なニートトークを繰り広げた。しかも、時計の針はもうすぐ午前5時を回ろうとしている深夜(というか早朝)テンションでの出来事である。
ここで少し、彼女の名誉のためにフォローしておこう。
トゥイは決して怠けているわけではない。普段は叔父(母親の弟)の子供である4歳と1歳の面倒を見たり、おばあちゃんをお寺までバイクで送迎したりと、大家族のために家事全般をこなし、フル稼働で働いているのだ。
ただ、私が面白がってニートと連呼してイジっただけの話である。
ここで、ベトナム人女性にニートと言った結果を発表しよう。
相手がニートの意味を知らない場合はキョトンとされるが、意味を知るとめちゃくちゃ嫌がるである。
少しイジりすぎたかなと思った私は、自称・フォローの達人としての本領を発揮し、ニートなベトナム人彼女をこれでもかと褒めちぎる作戦に出た。
「トゥイは料理が上手だよね! 美味しいベトナム料理を作れるんだからすごいよ!」
しかし、ここで私はある重大な事実に気がついてしまった。
ベトナム人は辛い料理が大好きで、日常的にスパイスの効いた激辛料理をたくさん食べる。
対する私は、辛い料理が大の苦手だ。少し食べただけで、目から滝のように涙が出るほどである。
マイルドで辛くない料理がいいに決まっている。
寿司は未だにわさび抜きだ。
「あれ? もしかして結婚したら、毎日の食卓に火を噴くような激辛料理が並ぶ日が来るのでは?」
彼女をニートとからかって面白がっていた私に、思わぬ強烈なカウンターが待っていたのである。




