プロローグ
この作品はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。
早朝、日が昇る前のうっすらとしたなかで、少女が剣を振る。
細身だが鋼鉄の剣の重さを感じさせない鋭い振りだ。
姿勢を整え、ゆっくりと中段に構え、踏み込み剣を振るう。
それは本来、少女の国では見られない剣の型で、空気を切り裂く鋭さがあった。
汗が滴り落ちるも、少女は何度も同じように剣を振るう。
まだ寒さの残る時期だが、少女の身体からは、うっすらと湯気が出ている。
すると動きを止め、ふぅーと、長く息を吐き出し、再び空気を吸う。
そして、今までにない速度で、袈裟斬り、逆袈裟、横薙ぎ、そして斜めに剣を構えて、くるりと反転し唐竹割りと連続して繰り出す。
パチパチパチと、拍手がされた。
「お見事でございますな」
少女は、額の汗を服で拭うと、拍手をした人物を見る。
「騎士団長どのか」
「はい、異国の剣術とはいえ、素晴らしい腕前。堪能させてもらいました」
「お主には面白く見えるだろうが、我が国の一般的な剣の型だ。面白いとなど言われるとはな」
「確かに、表現を間違えたようです」
「それで?」
少女は、騎士団長に尋ねる。
わざわざ早朝に稽古を見学をしにきただけではあるまい。と。
騎士団長は深々と頭を下げて言う。
「貴族学園に向かうための、ご準備が整いました」
少女は皮肉げに笑うと、騎士団長に言う。
「わざわざ騎士団長自ら使いっ走りか、お主も酔狂な男よな」
騎士団長も笑った。
「お嬢様の剣に惚れた男ですから」
少女は今年、王都の貴族学園に入る公爵令嬢である。
しかし、その中身は違う。彼は少女の中に入り込んだ異国、いや異世界人。
彼は、自分のことを幕臣、名を榊原 直之と言った。
◇
俺は死んだのか?
反幕の浪士を2人斬って捨てたあと、そうだ。新式鉄砲で撃たれた…。奴は刀すら持っていなかった。
くそう、卑怯者め…。
しかし、時代か…日ノ本はどうなってしまうのだろう。我ら侍は不要とされるならば、時代と共に消えゆくのも道理。
しかし、ここはどこだろうか?
黄泉比良坂か、三途の川か?それにしては何もなし。鬼もおらんし、天女もおらん。
まだ俺は死んではおらんのか?
「いいえ、あなたは死にました」
突然、声が聞こえてきて、腰の刀に手をかけようとするが、
「何奴!?…あ?…ない!俺の……身体がない」
「はい、あなたは亡くなり、身体はもう消滅しております」
「そうか、俺はやはり死んだのか…」
そうすると、この声の主は…。
「も、もしや、貴方様は阿弥陀様でございますか?ははぁ」
心持ちは平伏しているのだが、身体がないため、声だけで平伏する。
「いえ、阿弥陀様ではないのですがね。女神の一種と思ってください」
「はぁ」
阿弥陀様ではないとしたら、観音様か、菩薩様か、はたまた土地神なのか?とりあえず、神様であるならば、姿勢を正して、話を聞かねばならんな。
「本来、輪廻の輪に加わり、転生する予定でしたが、貴方に頼みたいことがあり、ここに招きました」
「はぁ、よう言うてることがわかりませんが、まずお話をお聞きしましょう」
「私の管轄する世界のひとつで、ある少女が呪われました。彼女は世界から嫌われ、認められず、天寿を全うすることなく死を迎えます。しかし、彼女の呪いが時を戻します。そうして何度も生き、そして殺されます」
「そりゃあ、難儀なことですな」
「肉体は無事でも、彼女の精神は壊れてしまいました。しかし、肉体も含め天寿を迎えなければ、輪廻の輪に迎えられないのです」
「ふむ、ふむ」
「そこで榊原殿。あなたは彼女の身体に入ってもらい、天寿を全うしてもらいたいのです」
「ふむふむ…は?」
聞いておったのだが、なんかとんでもない事を言いなさった。
「俺に女子になれと?」
「はい」
「いやいや、無茶をおっしゃられるな。俺は侍の生き様しか知らん。女子の身体に入るのならば、女子に頼めばよかろう」
「何度か他の方にお願いしましたが、駄目でした。なので強靭な心を持った貴方にお願いしたいのです」
「しかしですなぁ」
「お願いします。あなたが希望なのです」
「いやぁ、しかしですなぁ」
「もし、彼女が天寿を全うできたならば、貴方の死後、残された家族に守護を与えましょう」
「なんと!!むむ、それは…我が一族、御家のためとなれば、致し方あるまい」
「承知していただけますか」
「やってみましょう。御家のこと、何卒お忘れなきよう」
こうして異世界の侍は、少女の世界へと旅立ったのであった。
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本作はAI(Gemini)を利用し、作者が文章を書き・AIに校正を行ってもらい・それを再度見直し、修正・削除を行っています。
基本お話は完全に手作りですが、描写等のもサポートしてもらっています。




