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第2章「パパは帰らない」

2028年2月23日 01:17 ワルシャワ


天井は白かった。


アガタはそれを知っていた。もう二時間、ずっと見つめていたから。暗闇の中では灰色に近かった――通りの街灯の光がカーテンを透かして滲み込み、壁に白い帯を作っていた。帯は動かなかった。何も動かなかった。


彼女は服を着たまま、毛布の上に仰向けに寝ていた。セーター、ジーンズ、靴下。寒くも暑くもなかった。何も感じなかった。


昨夜、ママが部屋に入ってきてベッドの端に座った。アガタはすぐにわかった――いつもと違う座り方だった。まるでベッドが壊れるかのように、ゆっくりと。ママはスマホを両手で持ったまま、アガタを見ずにそれを見ていた。


それから顔を上げた。


「アガタ。」


一言だけ。でもその中に全部あった。


公式通知は昼間に届いた、アガタが学校にいる間に。ママはすぐには電話しなかった。夜まで待った。アガタはあとで思った――ママもどう言えばいいかわからなくて、言葉が来るのを待っていたのかもしれない。言葉は来なかった。来たのは「アガタ」だけで、長い沈黙があって、それから短い文がいくつか続いた。アガタには水の中で聞いているみたいに届いた。


戦死。ザポリージャ近郊で。即死だった。


アガタはママの前では泣かなかった。「わかった」と言った。その知らせにしては変な言葉だったけど、他に見つからなかった。それから立ち上がって自分の部屋へ行き、ドアを閉めた。


一時間後、ママがノックした。アガタは眠たいと言った。ママはドアの前に一分立っていた――アガタには息遣いが聞こえた――それから去った。


今は夜中の一時半近かった。


アガタは枕からスマホを取った。画面が点いて目に刺さった。目を細めてフィードを開いた。親指が勝手に動いた――下へ、下へ、下へ。誰かのパーティーの写真。猫の動画。正しく見れば人生は素晴らしいという誰かの投稿。スニーカーの広告。また動画。また写真。


世界は続いていた。みんな大丈夫だった。誰も何も知らなかった。


投稿の間に見出しが流れた。


「インドで原因不明の感染症が拡大。感染者数が千人を超える。」


アガタは三秒ほど見つめた。それからスクロールした。


親指は動き続けた。目は画面を見て何も見ていなかった。どこか窓の外で車が通り過ぎ、ヘッドライトが天井を走って消えた。


アガタはパパのことを考えた。


最近のパパのことではなかった――生きていて近くにいたころのことはもうほとんど覚えていなかった、それは戦争の前、ポーランドの前、全部の前の話だった。もっと前のパパのことを考えた。自分の冗談で大声で笑うパパ。仕事から帰るたびにチョコレートを買ってきてくれたパパ――高いものじゃなくて、近所のスーパーの普通のやつ、でも毎回。アガタをアガトカと呼んで、彼女はそれが鬱陶しいふりをしていた。


スマホが胸の上に落ちた。


天井は白かった。または灰色だった。どちらでもよかった。


目が閉じた――眠りたいからじゃなく、もう暗闇を見つめる力が残っていなかったから。


暗闇が向こうからやってきた。


2028年2月23日 07:04 ワルシャワ


目覚ましが七時に鳴った。


アガタは目を開けて、数秒どこにいるかわからなかった。天井は白かった。窓からの光は灰色だった。彼女はセーターとスカートと黒いタイツのまま毛布の上に寝ていて、スマホは胸の上にあった。


それから思い出した。


アガタはもう一分寝たままでいた。目覚ましは自然に止まった。窓の外ではワルシャワが目を覚ましていた――車のざわめき、通りの誰かの声、遠くで路面電車。何も知らない普通の街の、普通の朝。


彼女は起き上がった。


洗面所の鏡には、赤い目とよれたセーターを着た少女が映っていた。アガタは十秒ほどそれを見た。それから冷たい水で顔を洗った。髪を梳かした。ポニーテールにまとめた。


マシにはならなかった。でもいい。


台所ではママがコンロの前に背を向けて立っていた。肩が強張っていた。アガタはすぐにわかった――ママがいつも落ち着いて見せようとするとき、肩をこうする。


アガタはテーブルについた。


ママは黙って目玉焼きとパンの皿を置いた。紅茶のカップも。それからマグカップを両手で包みながら向かいに座った。


二人は互いを見なかった。


アガタはフォークを取った。目玉焼きは熱かった。機械的に食べた――パンを噛んで、咀嚼して、飲み込んだ。味はしなかった。


ママが小さな声で言った。「大丈夫?」


アガタはすぐに答えなかった。噛み終えた。フォークを置いた。


「大丈夫。」


ママはマグカップを見た。指が少し強く締まった。「今日、学校休んでもいいよ。電話して……」


「いい。」アガタはフォークを取り戻した。「行く。」


ママは答えなかった。アガタは目玉焼きを食べ終えて立ち上がった。


皿を洗いながら、後ろでママがゆっくりと、ほとんど聞こえないくらいに息を吐くのが聞こえた。アガタは振り向かなかった。


廊下でコートを羽織ってひもを結んでいると、ママが台所から出てきてドアのそばに立った。


「アガトカ。」


アガタは一瞬止まった。それから立ち上がってリュックを取った。


「バスに遅れる。」


ママは彼女を見て立っていた。アガタはそれを視界の端で感じた。ドアを開けた。


「気をつけて」とママが言った。


「うん」とアガタは言って出た。


外は寒かった。そんなに寒くはない――今年のワルシャワの二月は穏やかで、雪はほとんど溶けていたけれど、じっとりと、湿って、灰色だった。空があまりにも低くて、手が届きそうだった。


アガタはバス停まで下を向いて歩いた。水たまり。灰色のアスファルト。誰かがゴミ箱のそばに空のタバコの箱を捨てていた――外れたか、かがむのが面倒だったか。


バス停には数人いた。誰も誰も見ていなかった。アガタは端に立って時刻表を見つめた、暗記しているのに。


バスは四分後に来た。中は混んでいて、濡れた服と誰かの水筒のコーヒーのにおいがした。アガタは窓際の席を見つけた。冷たいガラスに額を押しつけた。


ワルシャワが流れていった――灰色の建物、灰色の通り、灰色の空。歩道の人たちは下を向いて歩いていた。みんなどこかへ急いでいた。みんな行くところがあった。


アガタはパパのことを考えた。


わざとじゃなかった。ただそこにいた――頭の中に、すべての思考の後ろに。歩道でコートを着た男の人が青信号を待っているのを見て、パパもコートを着ていたと思った。濃い紺色で、大きなボタンがついていた。子供のころ、寒いとき、彼のポケットに手を突っ込んでいたのを覚えていた。


バスが止まった。乗客の半分が降りた。新しい半分が乗り込んだ。


アガタは窓から顔を離して、前の座席の背もたれをじっと見た。


学校は普通のポーランドの学校だった――灰色の建物、広い廊下、チョークと古いリノリウムのにおい。アガタは七時五十五分に入った。チャイムまで五分あった。


廊下は騒がしかった。クラスメートたちが輪になって立って、笑って、何か話していた。誰かが廊下の向こうから名前を叫んだ。誰かが本を落とした。


アガタはそれら全部の中を歩いて、まっすぐ前を見た。


誰も特に気づかなかった。彼女はいつもそうだった――静かで、一人で。一年前に来た転校生で、馴染めずにいた。いじめられているわけじゃない――ただ気づかれなかった。それはほとんど同じことだった。


教室に入って後ろの列の窓側の自分の席についた。ノートを出した。ペンを置いた。


チャイムが鳴った。


先生が話し始めた。アガタは黒板を見て機械的に書いた、文字ずつ、単語ずつ。手が動いた。頭はどこか別のところにあった。


大きなボタンのコートのことを考えていた。


近所のスーパーのチョコレートのことを。


アガトカと呼んでくれたことを。


ペンは書き続けた。黒板は緑だった。窓の外のワルシャワは灰色だった。


全部いつも通り続いていた。


2028年2月23日 13:12 ワルシャワ


食堂がざわめいていた。


アガタはトレーを持って列に並び、食べ物のケースを見つめた。スープ。コトレットとポテト。キャベツのサラダ。コンポート。いつも通り、全部同じで、全部同じにおいがした――煮たものとほんの少し酸っぱいもの。


スープとパンだけ取った。それ以上食べたくなかった。


食堂はいっぱいだった。クラスメートたちが輪になってテーブルを占め――笑って、食べ物を投げ合って、大声で大事そうに何か話していた。誰かのスマホから音楽。誰かの笑い声が大きすぎた。普通の日の普通の学校の昼食。


アガタは隅の窓際に空いた席を見つけた。トレーを置いた。座った。


窓の外は学校の中庭だった――灰色のアスファルト、葉のない木、二月には誰も座らないベンチ。空は白くて平らで、紙の一枚みたいだった。


スプーンを取ってスープを食べ始めた。


スープは温かかった。それだけが言えることだった。食べながら皿を見て、パパのことを考えた。


去年の三月、パパが来た――数日間、ローテーションの合間に。ママがサプライズだと言って、アガタが学校から出たら校門に彼がいた、普通の服で――ジーンズ、あの紺色のジャケット――最初は彼だとわからなかった。痩せていた。なんとなく小さくなっていた。


家の近くのカフェに行った。パパは長いことメニューを見てから、ポーランド語で何かを注文しようとした。ウェイターには伝わらなかった。もう一度試みた。やっぱり伝わらなかった。結局アガタが通訳して、その夜ずっとそのことで笑った。


三日後、彼は去った。


アガタはそれが最後だとは知らなかった。


スカートのポケットでスマホが振動した。取り出して画面を見た。


ママ。


アガタは数秒名前を見た。それからスマホをポケットに戻した。


考えている間にスープが冷めた。冷めたまま食べた。パンは固かった。それも食べた。


隣のテーブルで二人の女の子が何かのドラマについて話していた――大声で、お互いに割り込みながら、アガタには聞こえない何かで笑っていた。一人がスマホで何かを見せていた。もう一人が声を上げて画面を指さした。


アガタは一瞬彼女たちを見た。それから窓に顔を向けた。


中庭の葉のない木が動かずに立っていた。風がなかった。何もかもが動かなかった――木も、空も、灰色のアスファルトも。まるで世界が息を止めて、いつ吐けばいいかわからないでいるみたいだった。


アガタは立ち上がった。トレーを持った。返却口へ運んだ。


歩いている間にタイツが少しずれた。壁のそばで止まって直した。それからそでのボタンを留め直した――いつの間にか外れていて、気づかなかった。


次の授業まで七分。


アガタは廊下を歩いた。クラスメートの輪の横を。誰かの会話の横を。全部の横を。


誰も彼女の方を見なかった。


2028年2月23日 17:43 ワルシャワ


チャイムは三時半に鳴った。


アガタはトイレから出なかった。


洗面台の前に立って鏡の中の自分を見ていた。鏡の中の少女が見返した――濃い栗色の髪をまとめて、制服のスカート、白いブラウス、タイツ。全部きちんと。全部整っていた。顔は落ち着いていた。


アガタはその顔を知らなかった。


三分ほどそうしていた。隣の個室から誰かが出てきて、手を洗って、こちらを見ずに去った。ドアが閉まった。静かになった。


アガタは両手で洗面台を掴んだ。


泣くつもりはなかった。学校では泣かないと朝に決めていた。意識して下した、固い決断だった。


肩が震えた。


目をつぶった。洗面台の縁をもっと強く握った。自分の呼吸が聞こえた――不均一で、速すぎた。


ここじゃない。


でも体は朝に下した決断を聞かなかった。涙は静かに来た――すすり泣きじゃなく、号泣でもなく、ただ彼女が動かずに立って洗面台を見つめている間に、勝手に流れ落ちる涙だった。


ザポリージャ近郊で。即死。


それが本当は何を意味するのかわからなかった。即死。まるでそれが慰めになるかのように。まるでそれが何かを変えるかのように。


アガタは空っぽの学校のトイレで静かに泣いた、ドアの外で廊下が騒いで、クラスメートたちが家へ帰って、世界がいつも通り許可なく続いていく中で。


それから止まった。


蛇口を開けた。冷たい水で顔を洗った。一回。二回。鏡を見た。


目が赤かった。どうしようもなかった。もう五分待って、鏡を見ながら赤みが少し引くのを待った。髪を整えた。スカートを引っ張った。タイツを直した。


出た。


廊下はほとんど空だった。ロッカーのそばに数人。モップを持った清掃員。誰も彼女を見なかった。


アガタは教室からリュックを取って出口へ向かった。


バス停は寒かった。アガタは立って道を見ていた。ポケットの中の指がスマホを握っていた。トイレにいる間にママがもう一度かけてきていた。アガタは折り返さなかった。


バスは八分後に来た。


窓際の席を見つけた。外ではワルシャワが夜の灯りをともしていた――店のショーウィンドウ、街灯、車のヘッドライト。人々が仕事帰りに袋や鞄を持って歩いていた。誰かがレストランの入口で笑っていた。カップルが信号のそばで手をつないでいた。


アガタはそれら全部を見て、何も見なかった。


バスが揺れた。外に灯りが流れた。彼女はパパのことを考えた、そしてパパはもう三月には来ないこと、ポーランド語の言葉が言えなくて二人で笑うことも二度とないこと、会ったときに紺色のジャケットで抱きしめてくれる感触も二度と感じられないことを。


もう二度と。


不思議な言葉だった。アガタは心の中で何度か繰り返した。もう二度と。もう二度と。繰り返しても理解できるようにはならなかった。


家に帰るとキャベツの煮物のにおいがした。


ママはコンロの前に背を向けて立っていた、肩が強張って、朝と同じ姿勢で。ドアの音に気づいて振り向いた。


アガタを見た。


ママには赤い目が見えているとわかった。ママは何も言わなかった。


「夕食、十分後よ」とママが言ってコンロに向き直った。


アガタは靴を脱いだ。コートをかけた。部屋に行ってリュックを机のそばに置いた。着替えた――制服を脱いで、ジャージとパーカーを着た。髪を結び直した。少し楽になった。ほんの少しだけ。


二人は台所のテーブルで黙って食べた。キャベツと肉の煮物。パン。お茶。


隅のテレビでアナウンサーが話していた。


「……インドの感染者数は増え続けています。インド保健省の最新情報によると、ウッタル・プラデーシュ州での感染確認数は二千件を超えました。WHOは……」


ママがリモコンに手を伸ばして音を下げた。


二人は黙って食べ続けた。


ママが聞いた。「今日はどうだった?」


アガタはパンを取った。「普通。」


ママは頷いた。それ以上聞かなかった。


アガタが皿を洗い、ママが台所を片づけた。二人は台所の中で気をつけて動いた――お互いをよけて、触れないで、邪魔しないで。まるで二人の間に何か壊れやすいものがあって、不注意な動きで割ってしまいそうだった。


部屋でアガタはベッドに横になって天井を見上げた。


同じ天井。同じ街灯の帯。八時間が経って、何も変わっていなくて、全部が永遠に変わっていた。


ドアが静かに開いた。


ママが入ってきてベッドの端に座った。いつも通り丁重に――ベッドが壊れるかのように。何も言わなかった。ただ座っていた。


アガタは天井を見ていた。


ママは頭の上に手を置いた。髪を一度なでた。ゆっくりと。アガタが小さくて眠れないとき、そうしてくれた。


一分か二分、黙っていた。アガタは数えなかった。


それからママが立ち上がった。


「おやすみ」とママは小さく言った。


「おやすみ」とアガタが言った。


ママが出た。ドアが柔らかく閉まった。


アガタは暗闇の中に寝ていた。窓の外でワルシャワが静かに遠くざわめいていた。スマホは枕のそばにあった。手を伸ばさなかった。


目が閉じた。


パパのことを考えた――紺色のジャケット、言えなかったポーランド語の言葉、近所のスーパーのチョコレート、大声で笑うパパのこと。


アガトカ。


暗闇は静かに来て、アガタはいつ眠りに落ちたかわからなかった。

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