夢見る魔法使いは知らぬ間に勝つ
[前回のあらすじ]
奴隷市場で全てを諦めたりおが買われたのはルイスという名の男、彼には不思議な力があるようで、そしてまた、彼女にも不思議な力があるという。そのためならまず、魔法の知識を知りなさいと、渡された本を読んでいると、妖精がやってきて、そのまま出かけることになってしまった。いったいりおはどうなってしまうのか。
そうして、りおが家を出てメアリーと一緒に森に入る。そこはルイスと歩いてきた森の中と違って少し薄気味悪く誰かから見られているような気がした。街よりも少し肌寒く、薄気味悪い墓場のような気がした。
どれくらい歩いたのだろうか。30分?いや、1時間。どれくらいかわからないが、とても長い時間歩いた気がする。すると、とても大きな木の根元に出た。
さっきまでこんな大きな木見えなかったのに…
ついたよ。りお。ここが大精霊が眠る巨大樹だよ。
大精霊の木…。
そうそう。私たちのお母様みたいなものだね。
するとメアリーは大きく息を吸って。
お母さまぁぁーー!!人間の子を連れてきましたよぉぉーー!
メアリーが巨大樹の上の方に向かって叫んだ。
するとグラグラと揺れるような地震が起きた、木の上から下半身は蛇のような、そして大きな翼が生え、髪は蛇の頭がついている、にわかにも精霊とは思えないものがものすごいスピードで降りてくる。
あれは…何…?
りおが恐怖を感じ少しあとずさりしていると急に地面から蔦のようなものが生えりおの足をキツく縛った。
イタッ…、これはなんなの…メアリー…
ごめんね。痛いげな人間さん。
りおの顔が急にこわばった。今までは鮮やかな肌をしていて可愛げがあった妖精が今ではどす黒く、そして羽も翼へと豹変していた。
私たちはね人間の心をぐちゃぐちゃに犯すことでした。養分を得れないの。だから君は私たちの大事な養分になってね。どうせ、あの変な魔物に食われるだけなんだから、私たちに食われたって何も変わらないよね?
「あの変なって、ルイスのこと?、それより、これをなんとかしないと。うぅ、この蔦鎖みたいにとんでもないくらいかたいぃ。」
無理だよ、この蔦はねこの木と共に成長するのだから500年以上前からある木の蔦なんてあんたに壊せるわけないでしょ。
一方その頃。
ただいま、りお。君にとっていいものを持って帰ってきた……。あれ、居ないのかな。ん?
妖精の鱗粉が、くそ、あの悪魔どもめどこから知ったんだ。
そう言うと、ルイスは家を飛び出し鱗粉を追って猛スピードで追いかけた。
どすん、と大きな音を立て大精霊が木から降りてきた。
さあぁ、私くしのかわいい娘たちぃ、今日は私に何を連れてきてくれたのかしらぁ。
大精霊が喋るたびに口からとてつもないほどの冷気を感じる。そして、うっすら何かが聞こえる気がする。
た…す…け…て…おかあ…さん。
多分今までこの化け物に食べられてきた子供たちなんだろう。
今から自分が食べられるというのに、りおは今まで子供を食ってきた、化け物に怒りすら覚えた。
何を怒っているのかしら…このかわいいお嬢さんは。
ねっとりした顔で蛇の長い舌をこちらに向かわせてくる。
まぁいいわ、いただきまぁぁす。
大精霊の舌が私の胸を通り越して心のような場所を抉っている気がする。りおの生気が吸い取られているのか。意識が遠のいていく。
あの時はもう…命なんて…どうでもいいと思っていたのに…まだ…まだ…死にたくない。
そうしてぷつりと意識が途切れる。
あぁやっぱり人間の心っておいしぃぃねぇ。
お母さまが喜んでくれてメアリーも嬉しいです。
突然周りの空気が重くなった。
うあああぁぁぁぁ。
メアリー?!どうした。
急にものすごい魔力がりおの心から解き放たれた。
なに、なんだこの魔力は。
大精霊が後退りし、メアリーは少し遠くまで吹き飛ばされた。
??「お前は余の支配領域に手を出したな。」
誰だ貴様は。何者だ。
りおの心から紅く鋭い眼光ののようなものが見える。
??「余を知らんとわな。愚かな。」
??「ちっぽけな愚者よ、余は寛大である。」
??「今引くというのなら、楽に殺してやろうではないか。」
戯言を、お前がやる前に私くしがその女を…
大精霊が何かやろうとした時、突然大精霊のお腹あたりを大きな手が掴み半分にちぎれた。
いたああああああああぁぁぁぁぁぁい"い"いぃぃぃ。
大精霊がもがき苦しみ地面には大量の血が流れている。
??「もうよい。」
今度は大精霊の頭を大きな手が握ると。
??「貴様なかなか面白い能力を持っているではないか。それは、もらっていくぞ。」
そう言い残して、大精霊は握り潰された。
まるで軟体動物のように骨があったとは思えないほどぐちゃぐちゃになっていた。
??「さぁ、起きたまえ。お前はまだこの程度で死んでいいものではない。」
そう言い残して、鋭いオーラはたちまち消え、
うぅう…
目を覚まして周りを見るとさっきいた大精霊が散り散りになっているのを見る。
なに…あれ…。
「でもとりあえず、ここを離れなきゃ。」
立ち上がって蔦を解こうとすると、つたに触れた瞬間、その木の記憶に入った。
ここは…?
そこには木が苗の時に持った記憶が映し出された。
ねぇねぇ、おばあちゃん、この木大きくなるかなぁ?
そうだねぇ。大切に育てる気持ちがあれば大きくなるものだよぉ。
うん!!大切に育てるね。
そして、それから毎日少年が大切に水をやる映像を見た。空から時が加速し少年がお爺さんになっていた。
もう、わしも死ぬ。お前と生きてきた時間を今でも大切に覚えている。どうかこれからも長生きするんじゃぞ。
そう言い残して、爺さんは咳き込み、その場に倒れた。すると、蔦が地面から生え爺さんを覆った、その後この木はとても大きな木へと成長した。
お前さんがこの木を救ってくれたのか。
さっきのお爺さん…?!
そうさえ。私はずっとここから世界を見てきた。長い長い夜を超え今日まで生きてきた。ある日突然変な妖精が来るまではな…
あいつらがきてからここの生気は食われ貪られていた。だから、ありがとう。お前さんが救ってくれたおかげでまた明るい世界を見ることができる。本当にありがとう。これは礼じゃ。
真っ暗な空間から蔦が生え私の方に向かってくる。手を出すとそこに少し大きな種をもらった。
この種は。君が危ないと思った時に地面に撒いてあげてそうすれば一時的かもしれないけど優しさがあなたを守ってくれるから。
それじゃあお行きなさい。あなたはここにいるべきじゃない。
そう言うと、たちまち視界が戻り、いつのまにか蔦が解けていた。
その手の中には大きな種があった。
りおぉぉーー!!
後ろから大きな声が聞こえる。なんだろうっと思って振り返ると。急に抱きしめられた。
まったく、心配したじゃないか。あの、妖精たちに何かされなかったかい?
ううん、大丈夫です…
ふーーん、ん?
これは大精霊の死骸?
君がやったのかい?
わからない…気がついたらそうなっていた…
なるほど。
「やはり彼女には何かとてつもない秘密がある」
「初めて見た時から何か不思議なオーラを彼女の奥底から感じる、やはり、彼女なら……」
わかった。今日はきっと君の才能が目をだしたんだろう。
才能…
りおは少し笑顔になった。
だが、こんな危険なことなどとしちゃダメだよ。もし、才能が芽吹かなかったら君は死んでたんだぞ。
はいぃ……
まぁ今日のことはいい、さぁ帰ろうか。
りおは改めて帰る家があることを思い出して泣きそうだった。でもなんだろうか。この気持ちはいつかの私が持っていたような気がする。昔のことを考えるとまた頭が痛い。
「今日は帰ろう。だって今は帰る家があるんだから。」
そうして夕陽を掴むように、拳を握った。
その頃、世界のどこかの静かな森で太陽の日の下で木にもたれかかりながら寝ている女性がいた。手には原初の魔法書と書かれた本をもち、数滴の涙が頬を流れながら言った。
また、命が失われる音がする。
登場人物
名前 夢見 理愛 (ゆめみ りお)
ルイスの弟子。怖いことも何故か楽しめるタイプ。
使える魔法
心の念写 心の思いを写し出す魔法。
使える禁術
メモリーピックアップ 本人も忘れてしまうような記憶を呼び起こさせる魔法。第二級禁術
ソウルイーター 対象の心を奪う。全てを奪われると、対象は虚無として生きることしかできない。 特急禁術
名前 ルイス=デモス
りおの師匠。何千と生きてきたから大精霊よりもずっと長生き、てことはめちゃくちゃ強いんじゃね?!?!
嫌いなもの 悪魔のくせに犬が怖いらしい、でも怖いのは記憶を持ち始めてから思うようになったらしい。
最後までご精読ありがとうございます。
やる気がてんこ盛りなので投稿ペースなかなかいい感じです。これからもよろしくお願いします!!




