2026/10/21 三木幹男はウルフ・オブ・ウォールストリートをみる。
ヤニねこを教えてくれた親切な方が
「刺激が強いと思いますが『ヤニねこ』を乗り越えた三木さんなら大丈夫でしょう。」
と言いながら、スッ……と差し出してたのが、
「ウルフ・オブ・ウォールストリート」
ほ…本当に?笑
俺のこと過信してない?
ヤニねこって、乗り越えたら一つの基準になるのかよ。
「R15」ならぬ「Rヤニねこ」か?
あれは猫耳補正かかっていたおかげで完走できたとも言えるが、えーと、主演はレオナルド・ディカプリオか、レオナルド・ディカプリオには猫耳ついてないやろう。
ついてても困るんだけどさ。
紹介文には
「セック◯、金、権力、ドラッグ。現実とは思えない衝撃的な実話を……」
とか書いてあるし、Rは18+やし、危険なニオイしかしない。
が、もうすぐ配信が終わるらしいし、俺の「Rヤニねこ」耐性が幾分のものかが気にもなるのも事実なので、勧められるがままに俺はウルフオブウォールストリートの視聴を開始した。
信じるで!!!ヤニねこの人!!!
初っ端から挟まれる所謂エロ描写のレベルが高くて逆にわからん。
お尻にストローをさして吸う?ような描写なのだが、頭にハテナが3つ位は浮かんだ。
その次に薬物の描写も出るのだが、待ってくれよ、これもレベルが高くて逆にわからん。そしてフランク過ぎて意味もわからん。
絶対やっちゃダメなことはわかる。
まぁ、ここまでは主人公のキャラクターを語る上での単なる要素に過ぎない。
ここからが本筋。
女も薬物も金も大好きな野心たぎる主人公がウォール街で成り上がる話だ。
合法も違法もちゃんぽんにしてイケイケどんどんで突き進んでいく。
その成り上がりから行く末までのどんちゃん騒ぎを、生温かい目で、時には、眉を顰めながらも観客席で見守るのがこの映画だ。
悪運尽きていつか死ぬで、と心で呟きながら後半を観ることになるが、ここだけネタバレしよう、死なない。俄然生きよる。憎まれっ子世に憚りよる。
主人公は、人間性でいえば絶対的クズに分類されてしまうと思うが、「行き過ぎた陽キャな仕事できるサイコパスは魅力的だよな」が俺の印象だ。
特に「クズな株をクズな客に売りつける」というクズofクズなシーンが出てくるが、喋りが一級品だ。
自信のある語り口調、人の心理を掌で転がる流暢さ、生まれ持った人たらしの天性に、タフネスとチャーミングさを添えて。
魅力的なフルセットだ。男として尊敬と憧れを持つに決まってる。
ただ致命的に倫理がスコンと抜けている。
ありとあらゆる倫理を全て差し出してその能力を得る悪魔の取引でもしたんかという位、露ほどもない。
やばい。金を抱えながら死に急ぎよる。
個人的にはクソなカイジだ。
カイジは、困難を突破したり成功するのに爽快さがある。
かなり悲痛な状況でも、そこまでねちねちした悲壮感はなく、何とか切り拓こうと前進し苦難を跳ね除ける痛快さがある。
観てるこっちは爽快で小気味がいい。
但しカイジは正義側なのでいいのだが、こちらの主人公が成功することは、それ即ち悪事を無事成したことにもなるので、やはりクソである。
観客側も、爽快である、とかいいながら、クズめ!!と罵らなければならない。
とは言え、主人公、全ての全てが嘘でもなく、人や仲間を愛してる気持ちも偽りなき事実なのであろう。
愛してるや信じてるというその口で、その人達を地獄においやるのも、本人にとっては矛盾は無く、そこがナチュラルサイコパスの怖いところだ。
本人の自語りが所々挟まれながら進行するのだが、軽快な小説を読んでるが如くの語り口調で、それがかなり好きだった。
さて、「Rヤニねこ」要素だ。
裸体が「ヤニねこ」のタバコ並みに、あっちからこっちからもどんどん惜しみなく出てくる。
そんなにいらんて。
でも、そう。
慣れるんだな、これが。ヤニねこの部屋のように。
裸体もモブや背景のように見えてくるから、気にならなくなる。
ちなみに「地面師」の暴力・性描写には脱落してる俺なので、この違いは何なのかをいつか検討してみたいところだ。
ということで、俺は「Rヤニねこ」の称号を受けるに相応しい人間であることは判明した。
よきことだ笑
おめでとう。
主人公は去り時に去らずにバカみたいに突き進んで、紙吹雪のように散っていった。
株という紙の上での幻の夢を口八丁で売りながら、成り上がったんだ。
いい散り様じゃないか。
でも、憎まれっ子世に憚かる、は最後まで有効だったりするので、はは、全くやってらんねぇな。




