2026/10/14 三木幹男は懐か死ぬ。
京都伊勢丹でレトロ&ノスタルジックマーケットなるものをやっていた。
仕事の合間にひょいと覗いたのだが、なかなかもってして懐か死にそうだった。
平成も平成レトロと呼ばれるようになった昨今。
当たり前のように平成のもの、つまりは俺が子供の頃に触れた文化がノスタルジックなものとして並んでいる。
自分にとっての当たり前だったものがレトロになるのが30代でやってくるとは、全く思いもよらなかった。
平成なんてつい最近やんけ。令和なんてまだ8年かそこらの鼻垂れ坊主やないかい。
「平成レトロかわい~」とかきゃっきゃっ言ってるガール達も、平成生まれやんかと突っ込みたいところだが、「そちらは平成一桁生まれですよね?」という華麗なカウンターを返されてしまうので口をつむがざるを得ない。
これでも俺らは、小さい頃は「えー!平成生まれの子がもう小学生!?」とか言われていたのだ。君らが今、そう言われているようにな。
でも確かに、こうやって眺めると、平成には平成らしい何かがこびりついているようにも見えて、懐かしくも複雑な気持ちになる。
俺的にはアフロ犬と少年アシベのゴマちゃんが懐かしい。どちらもぬいぐるみやタオルとかで俺の少年時代に寄り添ってくれていた。
そして何より、当時の「なかよし」と「ちゃお」が並んでいて、不本意ながら懐かしいと感じてしまった。
「りぼん」まであったら、俺は懐か死んで両膝から崩れ落ちたかもしれない。
この戦犯は妹である。
妹はなんと「ちゃお」「なかよし」「りぼん」の3誌をコンプって購読してたのである。
3誌のどれ派か論争が度々勃発する度に、めちゃくちゃ得意気に高みの見物でふんぞり返っている。
俺は大人しく、「小学◯年生」の後は「少年ジャンプ」を高校生まで通読していたのに。
まったく浮気なやつだとは思うが、俺は「なかよし」らを、妹は「ジャンプ」を、それぞれに読み合っていたので、残念ながら共犯である。
ちらりと横を見ると、当時の雑誌の付録のバラ売りがあった。
「東京ミュウミュウ!ぴちぴちぴっち!だぁ!だぁ!だぁ!かみちゃまかりん!明日のナージャ!カードキャプターさくらぁぁ!!!」
はぁはぁ……くそっ………呪文かよ、全部言えるじゃねぇか………
妹に毒されすぎている。
俺がかわいいものが好きなのも、絶対妹のせいだ。受動喫煙が過ぎる。
「なに言ってんの?積極的に読んでるくせに。」
俺が小学校高学年の頃、カードキャプターさくらの知識を無駄に友達にひけらかしてしまったことがある。
当然にイジられ倒され、必死に誤魔化していた俺をよそに、その時同じ部屋にいた妹氏の容赦ない台詞である。
「お兄ちゃん、好きじゃん、普通に。」
おっ前なぁ。男友達間には男友達間なりのテイとか見栄とかがあんのよ。黙っといてくれ。
なんちゅう記憶に飛ぶんじゃ。
……ほんと、恥ずかしくて懐か死ぬわ。




