↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
一般通過おっさん三木幹男の日記 2026年10月  作者: 三木幹男


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
13/28

2026/10/12 三木幹男は藤袴を愛でる。

 朝から眠気まなこをこすりながら書類仕事をしていた。


 連日人ごみの中楽しく過ごしたから、今日はこのままゆっくりしようか。


 仕事が終わる頃には、さっぱりとした青色の空には、太陽が横からオレンジの光を届けていた。


 直に夕暮れになる。きっと、花を愛でながら夕涼みをすると気持ちがいい。


梅小路公園

朱雀の庭 藤袴と和の花展


ここで休もう。


 和歌に出てきそうな里山を小さくしたようなお庭だ。

 水のせせらぎがさらさらと気持ちよく、派手さはないが落ち着きがある。


 藤袴は源氏物語の30帖に出てくる、という知識だけ携えて、藤袴自体を存じ上げずやってきた。


 丁度京都では、「源氏物語 王朝のかがやき」展をやっているので、丁度いいなぁなんて思っていた。


 藤袴があるお池は夕陽が照り付けていたので、暫くはアカマツが茂る日陰で涼んでいた。


 そこには俺史上最高のもこもこのケイトウがいて、赤くて花が丸くうねうねしているから脳みそみたいだった。


挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)


 脳みそだなんて可愛くない名前をつけたくない位、もこもこに可愛くて、それでもどうしようもなく脳みそに似ている。


 超かわいい脳みそが、ぐんと伸びた茎の上にぽこんと生えている。


 おお、なんとも不思議な絵面だ…



 散策している内に、夕陽は優しい陰を落とし始めたので、俺はお池の方に降りてきた。


 藤袴は、お池の中からすぅーと上に伸び、ふんわりとした小さなお花でふわふわと頭を覆っていた。風にさやさやと身を委ね、気持ちよさようにしている。


挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)


 よくお花を見ると、ちらちら舞う雪みたいに、お上品な薄紫のふわふわの小花が集まっていた。


 可愛いなぁ。


 夕暮れが深まると、蝶々もお池に降りてきた。


挿絵(By みてみん)


 アサギマダラという渡り蝶らしく、遠くは台湾の方まで旅をするらしい。


 藤袴に強く惹かれ、この広い広い大地から藤袴を探して訪問しにくるそうだ。しかも藤袴自体、自然の自生はかなり希少となっている。


 俺なら迷子になりそうなのに、この花を求めて旅をするなんて、なんて健気で一途なてふてふであろうか。


 アサギマダラは、ふわふわの花の中をもぞもぞしながら、ちゅうちゅうと密を吸うのに夢中だった。


 俺が近くに寄ってもあまり気にしない。


 じぃっ……とみると、なんとかわいいもふもふの身体である!ちょっとまるっこい茶色のもふもふだ。


 えぇ…すごく可愛い…


 さっきのケイトウといい、藤袴といい、アサギマダラといい、もこもこのふわふわのもふもふで、俺をどうする気だろうか。


 なでなでして愛でてみたいが、相手方にダメージが残るので、それは出来ない。しちゃいけない。すごく可愛い。


 柔らかい「もこふわもふ」たちに囲まれて、目も癒されゆったりと涼んでいた。

あぁ、とてもよい夕涼みとなったなぁ。


 藤袴は、女郎花に対する男郎花といった感じで、野性味や男性的なイメージを表してきた歴史があるようだ。


 こんなに愛らしいのに、令和なら、というか俺なら、清楚で柔らかい女の子に擬人化するけれど。


 ちょっと源氏物語時代の古代の都人と感想がずれてしまったななどと考えながら、藤袴を心ゆくまで愛でていた。


 後から聞いたら、俺が愛でた蝶はアサギマダラではなかった、すまんと言われた。


 ええよ、もふもふで可愛かったから。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。