表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神様の手違いで死んだ社畜おっさん、まずは自由を願い、次に明日を願う!TS転生し美少女に!最強チート《願い》は一日一回だけど万能です!異世界スローライフで世界も人も未来も救ってみせます!  作者: 兎深みどり
第六章《迷宮都市ナユタ編》

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

316/322

第312話《猛者》

 城門前の石畳が、黒い血で濡れている。


 煙。

 瘴気。

 崩れた屋根。


 そこへ、一陣の銀が駆け込んだ。


 馬から飛び降りた女剣士が、街を一望する。


 銀色の長剣。

 翼を模した意匠。

 風を切る立ち姿。


 S級冒険者『銀翼』アシュリー。


「……遅れた、な」


 短く呟く。


 本来は王都滞在中。

 護衛任務で即応不可だったはず。

 だが異変を聞きつけ、強行で駆けてきた。


 目に映るのは、戦場。


 魔物。

 崩落。

 黒い穴。


「これは……」


 言葉を失う。


 その瞬間、城門の外で地鳴りが響いた。


 重い。

 桁違いに重い。


 巨大な黒鉄鎧を纏った馬が止まる。


 そこから降りたのは、大柄な男。


 肩に担ぐのは、異様な特大武器。

 刃にも槌にも見える。

 内部に歯車が覗く、変形機構。


 SS級『雷神』シグ。


「ちっ……」


 息を吐く。


「間に合ってねぇな」


 二人の視線が、同時に空へ向く。


 黒いクジラ。

 広がる穴。

 魔物で埋まる街。


「ヤバいどころじゃない」


 アシュリーが剣を抜く。


 銀の軌跡。


 だが。


 石畳が軋む。


 振動。


 路地の奥から現れたのは――赤。


 赤い毛並み。

 異様に発達した筋肉。

 血走った目。


 赤いフォレストベアー。


 かつてナユが倒した個体を模した強化体。


 一体ではない。


 二体。


 三体。


 四。


 それぞれが通常個体の比ではない威圧感を放つ。


 一匹一匹がA級相当。


 街の冒険者では止めきれない。


 アシュリーが構える。


「分担するぞ、『雷神』」


 シグが武器を地面へ叩きつける。


 内部の歯車が回転する。


 変形。

 刃が展開し、雷のような魔力が走る。


「派手にやるぞぉ!!!」


 赤熊が同時に突進する。


 速度が異様に速い。


 アシュリーが踏み込む。


 銀翼の一閃。


 熊の前足が斬り飛ぶ。


 だが止まらない。


 もう一体が横から襲う。


 剣が弾かれる。


 衝撃。


 石畳が砕ける。


 その横を雷が走る。


 シグの武器が振り抜かれる。


 空気を裂く重撃。


 赤熊の胴体が抉れ、吹き飛ぶ。


 轟音。


 だが。


 まだ二体。


 血と瘴気を撒き散らしながら、再び立ち上がる。


「硬ぇな……!」


 シグが唸る。


 アシュリーの目が鋭くなる。


「A級どころじゃない。限りなくS寄り」


 赤熊が咆哮する。


 街の瓦礫が震える。


 四体が包囲する。


 銀翼と雷神が背中合わせになる。


「背中、預けるぞ」


「好きにしろ」


 赤熊が跳ぶ。


 銀の軌跡と雷の轟音が、同時に炸裂した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ