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神様の手違いで死んだ社畜おっさん、まずは自由を願い、次に明日を願う!TS転生し美少女に!最強チート《願い》は一日一回だけど万能です!異世界スローライフで世界も人も未来も救ってみせます!  作者: 兎深みどり
第六章《迷宮都市ナユタ編》

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第302話《再会》

 冒険者ギルドのシェルターは、夜でも明るかった。

 簡易ベッドが並び、治療班が忙しく動いている。

 薬草の匂いと、かすかな消毒の香りが混ざっていた。


 ナユは入口で足を止める。


「……ここなのです」


 ヴァイスが短く言う。


「全員この中だ」


 ナユは小さく頷き、静かに中へ入った。


 職員が気づく。


「あ、討伐の……!」


「静かにお願いなのです」


 ナユが小声で言うと、職員はすぐに頷いた。


「奥の区画です。もう意識も戻っています」


 その一言で、ナユの胸が少し軽くなる。


 足を早める。


 仕切りを一つ越え、

 二つ越え。


 そして。


 見えた。


 ベッドの並ぶ区画。

 その中央に。


「……」


 リカリーネが座っていた。


 包帯は巻かれているが、ちゃんと起きている。

 周囲にはガイ、ロゥリィ、ウルト、そしてバルドランもいた。


 全員、生きている。


 ナユは一歩、踏み出した。


「……リカちゃん」


 リカリーネが振り向く。


 一瞬。


 ぽかん、とした顔になり。


 次の瞬間。


「ナユ!!」


 立ち上がる。


 止める間もなく、駆け寄ってきた。


 そして。


 ぎゅっと抱きつく。


「……っ」


 ナユは少し目を丸くしたが、すぐに優しく抱き返した。


「無事でよかったのです」


 リカリーネの肩が震えていた。


「……来てくれて……本当に……」


「当然なのです」


 ナユはいつもの調子で答える。


「リカちゃん達を置いて帰るわけないのです」


 少し間。


 リカリーネは顔を上げる。


 目が少し赤い。


「……強くなったね、ナユ」


 ナユは首を傾げる。


「リカちゃんもなのです」


 そう言って、周囲を見る。


 ガイが苦笑する。


「正直、助かった。あれは俺達じゃ止められなかった」


 ロゥリィも頷く。


「最後、ほんとに終わりだと思った……」


 ウルトが小さく笑う。


「お前が来た瞬間、空気変わったぞ」


 バルドランがゆっくり口を開く。


「……よく来てくれた、ナユ」


 その声には、はっきり安堵が混ざっていた。


 ナユは少し照れたように笑う。


「皆が無事ならそれでいいのです」



 少しして。


 リカリーネがぽつりと言う。


「ねえナユ」


「なんなのです?」


「最後……炎、見た?」


 ナユは頷く。


「見てはないのです。でも、凄い魔力量だったのです!」


 リカリーネは少し照れたように笑う。


「……あれ、初めて出たの、炎醒プロミネンスっていう名前みたいなの……でも何でその名前が分かったのかは分からないのよね」


 ナユは嬉しそうに頷いた。


「すごいのです!リカちゃん努力してたの知ってるのです!」


 リカリーネが少し驚く。


「……覚えててくれたんだ」


「当然なのです」


 ナユは真顔で言う。


「リカちゃんは昔から頑張り屋なのです」


 その一言で、リカリーネは少し黙った。


 それから小さく笑う。


「……追いつけた?」


 ナユは少し考え。


 そして首を横に振る。


「違うのです」


「え?」


「追いつくとかじゃないのです」


 ナユはにこっと笑う。


「一緒に強くなるのです」


 リカリーネの目が少し潤んだ。


「……うん」


 静かに頷く。



 その時。


 ハクが仕切りの外からひょこっと顔を出す。

 クロもその後ろで尻尾を揺らしている。


「あ、ハク!クロ!」


 ロゥリィが嬉しそうに手を振る。


 ナユが笑う。


「入口守ってくれてたのです。お礼なのです」


 ハクが静かに鳴き、

 クロが満足そうに胸を張る。


 ガイが苦笑する。


「今回、ほんと色んな奴に助けられたな」


 ヴァイスが後ろから一言。


「次は自分で立て」


「うっ……」


 ウルトが肩をすくめる。


 空気が少しだけ軽くなった。



 ナユは改めて皆を見渡す。


 包帯だらけ。

 疲れている。

 でも、生きている。


 その事実が何より大きかった。


 ナユは小さく息を吐く。


「……ほんとによかったのです」


 その声は、今までで一番素直だった。


 リカリーネが笑う。


「うん。ほんとにね」


 シェルターの灯りの下。


 ようやく。


 本当の意味で、戦いは終わった。


「今日の記録:シェルターでリカちゃん達と再会しました。皆無事で本当に安心したのです。リカちゃんは炎醒プロミネンスを覚醒していてすごかったのです。これからまた一緒に頑張るのです。日報完了!」

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