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神様の手違いで死んだ社畜おっさん、まずは自由を願い、次に明日を願う!TS転生し美少女に!最強チート《願い》は一日一回だけど万能です!異世界スローライフで世界も人も未来も救ってみせます!  作者: 兎深みどり
第一章《TS転生しちゃいました!》

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第28話《旅路》

 村を出て、馬車は揺れながら進んでいた。

 窓の外には、見慣れぬ景色が広がっている。


 畑の向こうに続く草原。

 野花の咲く丘。

 遠くには、森の黒い影。


 母はナユを抱き、父は窓から外を警戒するように見ていた。

 村長は深く腰を下ろし、道中の安全を祈るように目を閉じている。


 


 馬車は時折大きく揺れる。

 がたん、と音がするたび、ナユの小さな体がふわりと跳ね上がった。


「きゃっ……ナユ、大丈夫?」


 母が慌てて抱き直すが、ナユの心はむしろ高揚していた。


 ――うおお、これぞ異世界旅行!馬車って意外と遊園地のアトラクション感あるな!


 赤ん坊なので出る声は「あー」だけだが、内心テンションは最高潮だった。


 


 やがて道の脇で車輪が石に乗り上げ、大きく傾いた。


「おっと!」

「揺れるぞ、しっかり掴まれ!」


 御者の叫びに兵が慌てて馬を抑える。

 村長が危うく転げ落ちそうになり、父がとっさに支えた。


「……ふぅ、まだ村を出て半日も経っておらんのに、大冒険じゃな」


 額の汗をぬぐう村長の声に、思わず皆が笑った。


 


 母は小声で囁いた。


「ねえ、王都ってどんな所なのかしら。私、想像もつかないわ」


 父は少し考え、力強く答える。


「きっと広い。人も多い。……だが、どこにいても俺達は家族だ」


 母の目が潤み、ナユを抱きしめる腕に力がこもる。


 


 ナユはその温もりに包まれながら、外の景色を見つめた。

 ――こうして旅をしてるだけで、物語が進んでる感あるな。

 小さな一歩だけど、大きな未来に繋がってる。


 


「今日の記録:王都への旅路開始。馬車は揺れるし、道も険しい。けれど家族と村長が隣にいるから、不思議と安心出来る……日報完了。」

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