実感
「幸風さーん…暑いです…」
顔を真っ赤にして幸風にもたれかかる華琳を見て幸風とサリーは苦笑いしていた。
「…華琳ちゃんって絡み酒なのね…面白いわ…♪」
「面白くないから助けてくれよ…まさか華琳ちゃんがこんなにお酒に弱いとは思ってなかったな。」
「ふふ…それこそ本当に面白くなってきたじゃない♪このまま抱きかかえてお家のお布団まで連れて行ってあげなさいよ♪」
「馬鹿なこと言わないでくれよ…帰りはもちろん送っていくけど、そこまではしないさ。」
「なんだ、つまんないの。…まぁ、華琳ちゃん、お水でも飲む?」
「ふぁい…でももう眠くなってきちゃいました…」
「…だそうよ?」
「だそうよ、って何だい…。まぁそろそろ夜遅くなってきたし、帰るよ。」
ふらふらしている華琳をそっと支えて会計を済ませた幸風は ニヤニヤしながら見送るサリーを無視して店を出た。
「全く…簡単に言わないでほしいな。」
そう呟いてうとうとしている華琳をそっと抱きかかえた。首に手を回してすり寄ってくる華琳に少し緊張をしながらゆっくりと帰り道を辿る。
月の光が夜道をそっと照らして、ふたりの影を伸ばしている。まだ少し冷たい風から華琳を守るようにそっと包み込んで歩く。
「…何だか夢みたいだよ。再会したあの時から今までずっと一緒にいること、華琳ちゃんが私のことを好きだと言ってくれること。私のことを受け入れてくれて、尽くしてくれること。本当に感謝しているよ。…ありがとう。」
「…えへ、どういたしまして、です…」
声がして腕の中を見ると、真っ赤になりながら微笑む彼女がいて。
「…起きてた?聞いてた、かな…?」
「…実は、最初から、ですかね…えへ…」
「…そっか…はは、照れるな…」
「…これからも、私は幸風さんのことずっと想ってますから。」
「うん…ありがとう。私もだよ、君をずっと想って、守り続ける。」
照れて幸風の腕からそっと抜け出した華琳は俯きながら幸風の手を握って歩き出した。
そんな華琳を見て、幸風はそっと微笑んで歩き出した。
帰り道、家まであと少し。




